ハワイでのビジネスにおけるコンプライアンスの重要性について 小林剛先生に聞く(GO法律事務所)  

更新日 2026.02.06


今日は、ハワイでビジネスを行う上でのコンプライアンスの重要性、そしてよくあるケースについてお話ししたいと思います。

日本からハワイに進出してビジネスを行うクライアントが、コンプライアンスの問題によって実際に損害を被ってしまった例は、残念ながら少なくありません。「もっと早く相談してくだされば、ここまで大きな損害にはならなかったのに」というケースもよくあります。今日はハワイでビジネスを行っている企業の経営者やマネジメント層、特にスモールビジネスの方に注意喚起の意味を込めて、読んでいただきたい内容をお伝えしたいと思います。


ハワイでコンプライアンス系のトラブルが多くなる背景とは

スモールビジネスゆえのコストカットも行き過ぎるとリスク要因に

そもそも、ハワイにスモールビジネスや個人事業主が多く、「弁護士費用にあまりお金をかけたくない」という意識が根底にあると思います。その結果、最低限必要なコンプライアンス体制が整わないままビジネスを進め、いざ問題が起きたときの影響が大きく、事業自体を畳んでハワイ撤退を余儀なくされるケースも見てきました。
 

日本語が通じるゆえの気やすさがアダに

ハワイでは、日本語で相談できる人が多いからこそ、コンプライアンス系のトラブルが起きやすいというのも感じます。
長年ハワイに住んでいる知人や友人のアドバイスを鵜呑みにして、結果的に大やけどをしてしまう。たとえば、ビザや契約書一つとっても法律は変わるのに、自分の体験談をベースに、弁護士ではないプレイヤーが自身の経験をもとに限定的な助言をするケースが多く見られます。そうしたアドバイスをベースに契約やビジネスを始めた方には、一度きちんと点検することを強くおすすめします。

日本のビジネス感覚をそのままハワイに持ち込むリスク

日本では、訴訟リスクは比較的低い社会です。モラルや義理人情で物事が進み、契約書を交わさずに取引が成立することも珍しくありません。しかし、アメリカは完全な契約社会です。契約がなければ、守られない。これは前提として理解しておく必要があります。日本的な口約束でビジネスを進めている場合や、書面に書かれていない取引や労働が発生している場合、トラブルの元になる可能性が高いです。


ニューヨークやカリフォルニアでは、進出時から「コンプライアンスをしっかりやらなければならない」という意識が強く、同じような相談はあまりありません。
ハワイはスモールビジネスが多く、日本本社のバックアップなしに進出してくるケースも多い。日本語が通じる敷居の低さが、逆にリスクを見えにくくしているのです。 これらを踏まえて、ハワイでも、最低限のコンプライアンスのためのリーガル対応は必ずやるべきだと、私は考えています。
 

実際にご相談が多いコンプライアンスのトラブル事例

我々は基本的に企業に対するリーガルサポートを提供しています。企業側の立場で、どういったトラブルが多いのか、またリスク回避の観点からご紹介します。

雇用関連

不当解雇、差別やハラスメントのクレームなど。契約書があっても、実際の働き方や賃金が契約内容と違っている、オーバータイムやチップの取り扱い、マネジメントや職場環境に問題がある、といった理由で企業を訴えてくる社員がいます。日本で通用していたマネジメントに自信を持っている方こそ、ハワイの労働法を理解し注意していただきたいと思います。

ビザ・イミグレーション関連

労働ビザについては、申請書類に記載された通りの職務内容や待遇で勤務することが基本です。たとえば、別会社を立ち上げてそこに異動させる、記載以外の業務も任せるなど「一度取れたのだからあとは何でもやらせていい」という考えは非常に危険です。監査が入ればすぐに分かります。また、ESTAで行き来しながら実質的に仕事をしていることが、入国時に発覚し、強制送還や入国拒否になる例もあります。 

パーミットやリカーコミッション関連

ハワイの事業には各種のパーミットが必要なものがあります。それらも一度取得したら終わりではなく、株主や役員に変更があった場合など、変更の手続きが必要なものがあります。これらを怠っているとペナルティの対象になりえます。
違反していたことが発覚した場合、正直に申告することで行政とペナルティ減額を交渉できることもあります。
こういったご相談も早いほうが打つ手が増えます。

契約書・LOI関連

リースやビジネスのM&Aに関する契約書やLOI(基本合意書)に関するトラブルは多いです。不利な条件が盛り込まれていたのにサインをしてしまったケースなどは後からそれを変更するのは難しくなります。
LOIにサインしてから弁護士に相談に来られることがありますが、それでは遅いのです。LOIの段階で大枠は合意した、と相手は理解します。それを後からひっくり返すことは、ディールブレイクにつながり、信頼関係を大きく損ないます。

これらは一例ですが、「このくらい大丈夫だろう」という慢心から、訴訟費用、賠償金、示談金、行政ペナルティ、家賃負担、撤退費用などの大きな損失につながってくるのです。
 

「企業の健康診断」と思って、初回無料相談を活用ください

これらの事例はすべて、早い段階で相談していただければ、こちらとしても対応しやすいのです。しかし現実には、トラブルが起きてから来られる方が圧倒的に多い。その場合、どうしても費用がかさみます。


コンプライアンスに力を入れるポイントは、業界や経営者のタイプ、考えによって異なります。私はその会社、そのオーナーに合わせてカスタマイズしたアドバイスを心がけています。


これからハワイに進出する方にも、すでに進出している方にもお伝えしたいのは、初回相談は「企業の健康診断」だということです。
保険と同じで、安全のための費用と考えてください。

お金をかければいいという話ではありませんが、まったく費用をかけずに済まそうとするのは、非常に危険です。 ハワイでビジネスを長く、安定して続けていくために。
コンプライアンスはコストではなく、リスクを最小化するための投資だということを、ぜひ知っていただきたいと思います。

GO法律事務所へのお問い合わせはこちらから

関連キーワード

各カテゴリーのお知らせを見る

不動産会社・
エージェントにお問合せ
閉じる