ホノルル市議会では現在、公共バス「TheBus(ザ・バス)」の運賃引き上げを盛り込んだ条例案「Bill 54」の審議が進められている。実施は2026年1月からを予定しており、物価上昇や財政赤字への対応として、ローカル住民の利用を優先しつつも、全体的に平均4.1%の運賃値上げを行う内容となっている。
市運輸局(DTS)によると、この改定により年間およそ200万ドルの増収が見込まれており、現在推定されている2億8,000万ドル規模の赤字の一部補填を目的としている。運輸局長のJ・ロジャー・モートン氏は、「今回の運賃改定は、2022年以降のインフレ率(約9%)と比較しても抑えられた内容で、多くの住民にとって過度な負担にはならない」と説明している。
条例案では、ローカル住民への配慮として、シニアや低所得世帯などの「特別対象グループ」に対する割引制度を維持する方針が示されている。これらの割引を受けるには、ハワイ在住であることに加え、登録済みのHoloカード(ホロカード)を利用する必要がある。
一方で、現金での運賃支払いは割高に設定される見通しで、カード利用への移行を促すかたちとなっている。モートン局長は、「ホノルルの運賃制度は、定期パスを購入する地元住民に有利な設計。観光客は現金で一回乗車するケースが多いが、Holoカードを使えば乗り継ぎなどの恩恵も受けられる」と語った。
Holoカードは、オアフ島内のセブンイレブンやフードランドなど、100か所以上の販売店で購入可能。エクスプレスカウンティバスパスプログラムの対象となる学生は、学生証を提示することでTheBusを無料で利用できる。なお、Holoカードは鉄道「Skyline」とも共通利用が可能で、2時間以内の乗り継ぎは追加料金なしで対応している。
条例案にはこのほか、空港や大規模イベント開催時に運輸局長の裁量で特別運賃を設定できる権限も盛り込まれており、利便性や柔軟性の向上も図られている。
主な改定案としては、大人の片道運賃が3ドルから3.25ドル、ユースが1.50ドルから1.75ドル、割引運賃が1.25ドルから1.50ドルにそれぞれ値上げされるほか、Holoカードによる月間・年間パスも5ドル〜110ドル程度の値上げが予定されている。
今回の運賃改定案は、公共交通サービスの維持・改善と財政健全化のバランスを取るものとして、今後さらに議会での審議が続けられる。モートン局長は「10月にはSkylineの延伸区間(5マイル・新駅4つ)も開通予定で、バスサービスもあわせて拡充する。ローカルの足としての役割をより強化していきたい」と述べている。
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