ハワイ不動産の購入や買い替えを検討する際、最初の重要なステップとなるのが不動産エージェント(リアルター)選びです。
日本では、複数の不動産会社を訪ね、それぞれから物件を紹介してもらうことも一般的です。しかし、ハワイでは不動産取引の仕組みが異なるため、日本と同じ感覚で複数のエージェントに同時に依頼すると、思わぬトラブルにつながることがあります。
さらに2024年8月17日からは、全米リアルター協会(NAR)の新しいルールが導入され、原則として、買主側のエージェントと一緒に物件を内見する前に、書面による買主代理契約を結ぶことが必要になりました。
「複数のエージェントに物件を探してもらってもいい?」「内見前に契約が必要なの?」「途中で担当者を変更したくなったら?」
今回は、ハワイ不動産をこれから購入する方、買い替えを考えている方に向けて、知っておきたいエージェントとの付き合い方や基本的なルールをQ&A形式で紹介します。
Q1. ハワイ不動産を購入するとき、なぜエージェントが必要なの?
ハワイの不動産売買では、通常、買い手(バイヤー)と売り手(セラー)のそれぞれに不動産エージェントがつき、取引を進めていきます。
買い手側のエージェントは、希望条件に合う物件の紹介や内見の手配、価格交渉、契約手続きなどをサポートする存在です。
単に物件を紹介するだけでなく、購入希望者の立場に立って取引を進めるパートナーとなるため、どの不動産会社に依頼するかだけでなく、誰を担当エージェントに選ぶかが重要になります。
なおハワイでは、買主側のエージェントを立てずに不動産を購入することも可能ですが、トラブルを回避するために一般的な不動産売買では、買い手と売り手それぞれに一人ずつエージェントがつき、チームになって取引を進めるケースが主流です。

Q2. 日本のように、複数の不動産会社から物件を紹介してもらう必要はある?
ここが日本とハワイの不動産取引で大きく異なるポイントです。
ハワイでは、売り出し物件の情報がMLS(Multiple Listing Service)という不動産業者間の情報共有システムで一元的に管理されています。
日本のように「A社にしかない物件」「B社にしかない物件」といった物件の抱え込みはないので、複数の不動産会社を回る必要は基本的にありません。MLSに登録された物件であれば、原則として、どの不動産会社のエージェントからでも紹介を受けられます。
つまり、エージェントによって大きく異なるのは、紹介できる物件の数ではなく、物件を見極める力、情報提供のスピード、交渉力、対応の丁寧さなどです。
一部の高額物件などは売り手の意向で、マーケットに出さず水面下で買い手を探すようなケースもありますが、例外的なケースと言えるでしょう。
Q3. 複数のエージェントと同時進行で物件探しをしてもいい?
担当エージェントを決めた後は、ほかのエージェントにも並行して物件探しを依頼することは避けましょう。
例えば、Aさんに物件を探してもらいながら、Bさんから案内を受けた内見も行く、といったケースです。
MLSによって紹介できる物件情報が共通している以上、複数のエージェントに同じ作業を依頼しても、必ずしも選択肢が増えるわけではありません。
一方で、それぞれのエージェントは物件調査や内見の手配、売り手側との連絡などに時間と労力を費やすことになります。
また、複数のエージェントが同じ購入希望者について動いていると、誰が正式な担当者なのか、誰を通じて取引を進めるのかが不明確になり、トラブルの原因にもなります。こうした行動を繰り返せば、エージェントからの信頼を失い、今後の対応に影響する可能性もあります。
ハワイ不動産の購入では、信頼できるエージェントを一人選び、その人とチームを組んで進めることが基本です。
Q4. エージェントを決める前なら、何人かに相談してもいい?
もちろん可能です。むしろ、最初から一人に決めず、複数のエージェントと話をして比較検討することをおすすめします。エージェントを絞らずに不動産会社に問い合わせをした場合には、所属するエージェントの中から一人を紹介される形になることがほとんどです。
不動産エージェントは、購入に際して長く付き合うことになる重要なパートナーです。得意とするエリアや物件の種類、取引経験、コミュニケーションの取りやすさなどを確認し、自分に合う人を選びましょう。
ただし、大切なのは「現在、依頼するエージェントを選んでいる段階です」と伝えておくことです。物件案内や内見を始める=この人は自分をエージェントとして選んでくれた、と誤解させることにもつながりかねません。いつまでにエージェントを決めるつもりなのかをきちんと伝え、相手を振り回したり、無駄な働きをさせないのもマナーです。
一番、トラブルになりやすいのが、エージェント選びのために複数のエージェントに会ってみている期間です。それぞれのエージェントは買い手の好みを理解するためにさまざまな物件を案内してくることでしょう。
時には紹介案件が被ることもありえます。
そういった「まだエージェントを決めきれてない時期」こと、それぞれの方への現状の共有を丁寧に行うこと。そして、早めに一人のエージェントに絞り込むことをおすすめします。
Q5. 物件を内見する前に、エージェントと契約する必要があるの?
はい。2024年8月17日から、原則として、買主側のエージェントと一緒に物件を内見(ショーイング)する前に、書面による買主代理契約を結ぶルールが導入されました。
これは、全米リアルター協会(NAR)の制度変更に伴うものです。
ハワイでは、買主代理契約(Buyer Representation Contract/BRBC)などの書面を用い、担当エージェントおよびその所属仲介会社との間で、提供されるサービスや契約条件を取り決めます。
契約書には、主に次のような内容が記載されます。
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契約期間: いつからいつまで、そのエージェントに依頼するのか
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代理関係の範囲: 対象となる物件やエリア、エージェントが提供するサービス
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専任性: 契約期間中、ほかのエージェントにも依頼できるかどうか
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エージェント報酬: 手数料の金額または算出方法、誰がどのように負担するか
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契約終了の条件: 期間満了や途中解約の取り扱い
特に注意したいのが、専属的代理(Exclusive Right to Represent)という契約形態です。
この場合、契約で定められた範囲については、原則としてそのエージェントを通じて購入活動を進めることになります。
契約期間は事前に取り決めるため、最初は短めの期間を設定し、相性や対応を確認することも可能です。
また、エージェントへの報酬についても、契約前に金額や算出方法を確認し、交渉して決定します。売主側が負担する場合もあれば、買主側に負担が生じる場合もあるため、十分に理解しておきましょう。
なお、この書面契約のルールは、NARの規則が適用されるMLS参加者が買主と一緒に物件を内見する場合を対象としています。買主が自分でオープンハウスを訪れる場合や、売主側エージェントに直接問い合わせる場合など、取り扱いが異なるケースもあります。
Q6. 一度エージェントを決めたら、ほかのエージェントには一切相談できない?
正式に担当エージェントを決め、専属的な契約を結んだ後は、物件の紹介や内見、購入交渉などは基本的にそのエージェントを通じて進めましょう。
気になる物件をインターネットで見つけた場合も、別のエージェントに直接問い合わせるのではなく、まず担当エージェントにURLや物件情報を送り、その物件について調べてもらったり内見のアポイントを撮ってもらったりします。
オープンハウスやモデルルームを個人で訪れた場合にも、現地では「あなたの担当エージェントはいますか?」と必ず聞かれますので、担当エージェント名を伝えます。自分のエージェントを窓口として一本化することで、情報の行き違いや無用なトラブルを防ぎやすくなります。
なお、契約内容によってルールは異なるため、具体的な対応は担当エージェントとの契約を確認しましょう。
Q7. 担当エージェントと合わないと感じたら、途中で変更できる?
エージェントを決めたものの、コミュニケーションがうまくいかない、希望条件を理解してもらえないなど、途中で担当者を変更したくなることもあるでしょう。
その場合、まず確認したいのが契約期間です。
契約期間が満了していれば、契約の更新をせず、別のエージェントを選ぶという方法があります。ただし、契約終了後も一定の条件で報酬義務が残る条項などがないか、確認しておきましょう。
一方、契約期間中に変更したい場合は、現在のエージェントに事情を伝え、契約の終了についてきちんと話し合うことが大切です。
契約が有効なまま別のエージェントと購入活動を始めると、契約上の義務や報酬をめぐる問題が生じる可能性があります。
解約できる条件や手続きは契約書によって異なるため、必要に応じて不動産会社の責任者などにも相談し、正式に契約関係を整理してから次のエージェントに依頼しましょう。
Q8. 信頼できるエージェントを選ぶには、何を確認すればいい?
エージェント選びでは、単に物件情報をたくさん送ってくれるかどうかだけでなく、次のような点にも注目しましょう。
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希望するエリアや物件タイプについて十分な知識があるか
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インターナショナルバイヤーが購入する際の知識を持っているか
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予算や購入目的を理解し、適切なアドバイスをしてくれるか
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メリットだけでなく、物件のリスクや注意点も説明してくれるか
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質問への回答が的確で、連絡がスムーズか。日本との時差や、コミュニケーションのツールなどを配慮してくれるか
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購入後の賃貸管理や住まいの維持についても相談できるか
特に日本在住者がハワイ不動産を購入する場合は、現地での手続きや購入後の管理など、日本とは異なる事情についても相談できる相手が心強いでしょう。
「ハワイに住むネット」では、日本語で相談できるハワイの不動産会社・エージェントを紹介しています。プロフィールや実績を比較し、自分に合うエージェント探しに役立ててください。
まとめ:エージェント選びは比較して慎重に。決めたら信頼関係を大切に
ハワイ不動産の購入では、MLSという共通の物件情報システムがあるため、基本的にどのエージェントでも同じ売り出し物件を紹介できます。
だからこそ、重要なのは「どの会社が物件を持っているか」ではなく、「誰と一緒に購入を進めるか」です。
エージェントを決めるまでは、複数の人と話して比較検討しても構いません。しかし、一度依頼する相手を決めたら、そのエージェントを窓口として購入活動を進めるのが基本的なマナーです。
さらに現在は、買主側エージェントと一緒に物件を内見する前に、原則として書面による契約を結ぶルールが導入されています。契約期間や専任性、報酬、解約条件などを十分に理解してからサインしましょう。
そして、もし途中で担当者を変更する必要が生じた場合には、契約内容を確認し、現在のエージェントとの関係をきちんと整理することが大切です。
ハワイ不動産の購入や買い替えを成功させるためにも、こうした日本との仕組みの違いを理解し、信頼できるパートナーと二人三脚で進めていきましょう。


