【つんく♂さん】インタビュー集「やっぱりハワイ!」Vol.1 つんく♂さんはコロナ禍をどう乗り越えましたか?

更新日 2022.12.26


 

2年に及ぶパンデミックでハワイも色々ありました。 ハワイを愛するみなさんに、コロナ禍を経てハワイとの関係がどう変化したか、伺いました。 揃ったのは「色々あったけど、やっぱりハワイ!」という結論でした。

5名の方にインタビューしました。
Vol.1~5まで、シリーズでお送りします!

Vol.1は つんく♂さんです! 

Q:つんく♂さん、コロナ禍をどう乗り越えましたか?
A:家族のために移住したハワイで家族オンリーの時間をたっぷり過ごせました

ハワイ 不動産 インタビュー

つんく♂
1968年大阪府出身。92年シャ乱Qとしてメジャーデビュー。モーニング娘。や数々のアーティストのプロデュース、NHKの乳幼児向け番組の音楽など数多くの楽曲提供、サウンドプロデュースを手掛ける。オンラインサロン「みんなでエンタメ王国」オーナー。ジャンルを問わず、日本を代表するエンターテインメントプロデューサーとして活躍している。
 

病気の療養のため、そして何より家族のためにハワイ移住を決めたのは2016年。そのハワイで期せずして遭遇した新型コロナウイルスによるパンデミックを、つんく♂さんはどう乗り越えたのか?

つんく♂:実は、2020年のパンデミックになる直前に、同じ『ハワイに住む』誌でインタビューを受けているんですよね。その誌面で、この不安な日々が1日も早く収束するようにとコメントしているのですが、それがまさか2年以上続くとは思っていませんでした。当時のインタビューを見ると、まだウイルスの脅威などどこ吹く風の、のんびりした顔をしています(笑)。

 ハワイがロックダウン(都市封鎖)になったのが、2020年の3月。ほどなく日本も緊急事態宣言が発出され、新型ウイルス対策への臨戦体制となりました。ハワイは、公園にも行けない、家から出られない、相当厳しい規制でしたね。ただ、ハワイのロックダウンが始まった時、僕たちファミリーは緊急事態宣言直前の日本に到着していました。僕は仕事があり、子どもの学校も春休みだったので、久しぶりに家族揃って日本でのんびり過ごす予定でした。しかし、そのまま日本も緊急事態宣言が発出され、日米間の航空便の運休が続き、気づくとハワイに帰る手段を失ってしまいました。

 そこからが大変です。すぐ帰る予定だったから学校の教材や資料はすべてハワイ。学校からは、コロナ対策で家庭にいたままリモートで授業をすると連絡が来たものの、タブレットやパソコンも持ってきていません。どうしたものかと頭を抱えました。ただ、よくよく学校と相談してみると、子どものIDでログインさえすれば、どこにいてもできるはずだと。それで、日本で急きょ安価なパソコンを3人分購入して、子どもそれぞれにログインしてみると、想像以上にスムーズでした。課題や教材も全てパソコン上で見られるようになっているし、まったく不都合はなし。スムーズにリモート授業に移行できました。子どもたちとも「けっこう、いけるやん」って(笑)。ただ、5時間の時差は大変でしたね。子どもたちも頑張って、朝3時に起きて授業を受けていました。

 アメリカはこういった切り替えとデジタル対応が、ものすごくしっかりしていますね。そもそもスマホやタブレットが日常に溶け込んでいるので、日本のように「あんな小さい子にずっとタブレット触らせて」というようなお叱言はあんまり聞かないですしね。普段から社会に溶け込んでいるので、こういう時の対応も大人以上に子どもが対応できていたと思います。日本がいかにアナログかっていうのが浮き彫りになったのも、この時期ですもんね。

2020年春、東京に滞在中のひとコマ。人の少ない屋外を探して家族で身体を動かしました。

 結局、8月に運行された臨時便で米国本土経由でハワイに戻るまで、半年間家族で日本で過ごしました。日本でもハワイでもこんなに長い時間、ずっと家族5人で過ごしたのは初めての経験です。しかも、外出する機会も少ない中でしたから、全員引きこもりのような状態。僕にとっては、ある意味、新鮮な体験でした。意外だったのは、男の子はオンラインゲームでクラスメートとつながっているようで、寂しそうではなかったこと。女子は、買い物に行ったり、直接の交流がしたいようで、かわいそうでした。

 子ども3人とも、日本のアニメが好きだし、日本に行くときはとても喜ぶんですが、さすがに滞在が長くなってくると「ハワイに帰りたい」と言い出すようになりました。コストコでお肉を買って、あそこであのジュースを買って、とハワイ生活が恋しくなる。友達にも会いたいだろうしね。子どもたちにとって故郷はハワイになったんだなとしみじみ感じました。

 

家族で乗り越えた「自主隔離」

つんく♂:さて、ハワイに戻って初体験したのが「自主隔離」です。2020年の夏ですから、まるまる14日間、緊急で病院に行く以外一切の外出禁止。ゴミ出しも買い物もダメ。これはけっこうきつくて、「あと◯日、あと◯日」と指折り数えて過ごしました。お友達に食材を運んでもらいつつ、お水とお米の貯蔵があったのと、あとスパムの缶詰がけっこうあったことで救われました。まるで避難生活ですよね(笑)。

コロナ禍で自宅隔離中のひとコマ。妻の手料理。

 でも、それくらいきっちり規制されて良いと思います。人間って、これはダメと言われると、その枠の中で何ができるか工夫しますから。僕自身は、普段も仕事で曲作りしたりなど屋内にこもっていることが多いので、あまり無理は感じませんでしたが、子どもたちはやっぱりきつそうでした。

子どもらはお菓子作りなんかもして乗り切りました!

 振り返ると、その後も日本とハワイを何度か往復して、そのたび隔離をしていました。最初は自主隔離でしたが、帰る度に少しずつコンディションや規制が変わっていき、ハワイはほどなく陰性証明の提示で自主隔離はなくなりました。

でも、日本に入国する際の規制は厳しくなるばかりで、今年の初めに日本に帰国した際には、ホテルでの6日間の強制隔離も経験しました。これはさすがにキツかった。食事が3食冷めたお弁当でほぼ揚げ物ばかりで。勝手に往来している身で不満を漏らすつもりはないですが、身体にはヘビーだったかな。慌てて通販で買った電子レンジが大活躍して、アレがなかったら心が折れていたかも。あとはスタッフからの差し入れや通販で乗り越えました。人間って「この範囲でどうにかしろ」と言われると案外できるものだと実感しました。

 この時期、僕たちのようなクリエイターには、プラスとマイナスの側面があったと思います。皆が家にこもる時期に音楽や映画の需要は促進され、コロナ禍ならではのヒット作も生まれましたよね。ネットフリックスなどの動画メディアが盛り上がったのもパンデミックと関係あると思います。僕の場合もコロナ前に始めていたオンラインサロンが巣ごもり環境で盛り上がって、またnoteなど発信のチャンネルを増やすことができた時期でした。2020年にハワイに戻ってからnoteに書いた「凡人が、天才に勝つ方法。」は、ものすごい反響をいただき、テレビ番組でも特集されました。

 ただその反面、コンサートやライブができなくなったり、映像作品の撮影がやりにくくなったりなど、コンテンツを送り出す側の苦労はありましたよね。これまではCDでどれだけ売れて、コンサートやライブで動員して、と計算していたのが、今は売上の基準が「オンラインでどれだけ売れるか」になってしまった。これは大きな変化です。そんな苦労の中で、オンラインライブなど、新たなソースが見出されたのだと思います。

 結局、何かを生み出す側というのは、地道に手を動かして形づくっていくしかない。どんな環境でも、残していく努力をするしかないんです。言語化する大切さというか、きちんと伝える大切さを、コロナ禍の社会は教えてくれた気がします。僕の場合、多くの言葉で勝負するのではなく、言葉のチョイスにより一層気を使うようになりました。社会全体を見ても、人と人との交流がどんどん形を変えていっている気がします。

 

パンデミックで再認識した「ハワイの良さ」

つんく♂:さて、これから日常を取り戻していくハワイ。でもやっぱり、ハワイの良さは変わりません。自然は美しいし、気候も心地よい。海がきれいになったからかな、海辺でモンクシール(編集部註・ハワイのアザラシ。絶滅危機種とされる)を見かけることも増えました。人が少なくなった分、自然環境は本来の姿を取り戻していて、美しさが増した気がします。パンデミック中は、これまで以上に家族でハワイの色々な場所を訪ね歩いて、ハワイの良さを再認識しました。観光客が来られない中、何だか在住者同士の連帯感というか新型コロナウイルスという敵への団結感のようなものが芽生えたように思います。映画館に日本のアニメを観に行った時、観客がほとんど日本人や日系人で日本語の会話がたくさん聞こえてきました。観光客がいないってことはみんなハワイに住んでいる人ってことなので、すごい一体感を感じました。「みんな一緒に乗り越えましょうね!」って心で呼びかけた記憶があります。そのほか、これまで乗らなかったレンタルバイク「BIKI」を利用しましたね。あと、僕の場合は外での付き合いが減った分、自宅で妻にカクテルを作る機会が増えたかな(笑)。誰も招かない家族だけの時間が増えた分、家族の絆はどんどん密になっています。

 これからハワイに来る皆さんも、ぜひ自然の美しさなどハワイ本来の魅力を満喫してほしい。これまで以上にその魅力は増しているはずです。短いハワイ滞在、この際円安のことは忘れて(笑)大いに楽しんでほしいと思います。やっぱり、ハワイは素晴らしいですから。

【撮影協力】 ハレクラニ www.halekulani.jp 
ハワイ語で「天国にふさわしい館」という名前を持つ名門ホテル。
コロナ禍に客室を含めて全面リニューアルし、2021年10月に再オープンした。

 

インタビュー集この後4本続きます!
インタビュー集やっぱりハワイ!Vol.2 稲本健一さんの記事はこちらから>>

インタビュー集やっぱりハワイ!Vol.3 本田直之さんの記事はこちらから>>


 
インタビュー集やっぱりハワイ!Vol.4 早川 仁さんの記事はこちらから>>
 

インタビュー集やっぱりハワイ!Vol.5 加藤信一さんの記事はこちらから>>

  
 

※この記事は「ハワイに住む」マガジンVol.50の記事を元に作成しています。



 

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