ホノルル美術館(Honolulu Museum of Art、HoMA)と東京国立博物館(Tokyo National Museum、TNM)は9月4日(現地時間)、文化財の相互交流や共同学術研究などを通じて協働関係を深める覚書(MOU)を締結し、ホノルル美術館内で調印式を行った。

今回のパートナーシップでは、両館がそれぞれ所蔵する豊かなコレクションや専門知識を生かし、日本美術の魅力をハワイ、米国、そして世界へ発信していくことを目指す。今後は、学術研究や共同プロジェクトをはじめ、作品や情報の相互交流、展覧会事業、専門家同士の交流など、幅広い分野での協力が期待されている。
調印式では、東京国立博物館の館長、藤原 誠氏が、同館の日本美術コレクションがこれまで世界各地で公開・展示されてきたことに触れ、今回のパートナーシップへの期待を語った。

藤原氏は「当館(東京国立博物館)が収蔵する日本美術コレクションは、国内のみならずアメリカ、アジア、欧州、アフリカをはじめとする世界33の地域・機関において公開・展示を行ってまいりました。日本の優れた美術文化を世界中の多くの方々に届けるとともに、各地域の文化支援を行うことが私たちの重要な使命の一つです」と説明。
その上で、ホノルル美術館について「非常に質が高く豊かな日本美術コレクションを所蔵されています」と評価し、「今回のパートナーシップを通じて、世界中の人々が日本美術の真価と深い魅力に触れる機会をさらに広げていきたい」と意欲を示した。
一方、ホノルル美術館のDirector & CEO、David Odo氏は、日本美術が同館にとって長年にわたり重要な存在であることを紹介。「日本美術は、約100年前の開館以来、当美術館における非常に重要な柱(Key Part)であり続けています」と述べた。
Odo氏はまた、自身が大学院生だった時代に東京でフィールドワークを行い、東京大学を拠点に東京国立博物館を訪れていた経験にも言及。特に「法隆寺宝物館」に強い感銘を受けたとし、「今でも東京を訪れるたびに必ず足を運ぶ大好きな場所」と思い出を語った。
その経験を踏まえ、「プロフェッショナルな立場として東京国立博物館とパートナーシップを結べることを、心から嬉しく誇りに思います」と喜びを表した。
さらにOdo氏は、両館の卓越したコレクションとプログラムを結びつけることで、今後、展覧会や学術研究、相互交流など、多方面にわたる協働の可能性が広がるとの期待を示した。
今回のMOUに基づき、両館は学術研究・共同プロジェクトの実施、美術作品や関連情報の相互交流、両館のコレクションやプログラムを活用した新たな協働、展覧会を通じた日本美術の紹介、専門家や関係者による相互交流などを進めていく方針だ。
具体的なプロジェクトについては、今後さらに協議を進めていく予定で、両館からは今回のMOU締結は協働の「始まり」に過ぎず、今後、さまざまな可能性について対話を重ねていくとのメッセージも示された。
ハワイは、歴史的にも日本との文化的なつながりが深く、日本美術を紹介する重要な拠点の一つ。質の高い日本美術コレクションを持つホノルル美術館と、日本を代表する博物館の一つである東京国立博物館が正式にパートナーシップを結ぶことで、ハワイにおける日本文化・日本美術への理解をさらに深める機会となりそうだ。

今後、両館から発表される共同研究や展覧会、文化交流などの具体的な取り組みに注目が集まる。
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