【2019年ハワイの景気は?】その2「金融編:ハワイ4大銀行が2019年の景気を大予測」

【2019年ハワイの景気は?】その2「金融編:ハワイ4大銀行が2019年の景気を大予測」

更新日 2019.04.26

【2019年ハワイの景気はどうなる?】第2回目は、ハワイ4大銀行のキーパーソンに聞いた2019年のハワイ景気の動向についてお届けします。

Q:「地元経済は底堅いが成長はスローダウン。観光市場の行方は?」
ファースト・ハワイアン・バンク 
上席副頭取 本江滋夫さん

ファースト・ハワイアン・バンク 上席副頭取 本江滋夫さん

アメリカの好景気に支えられ堅調だった昨年の経済。2019年も底堅い状態が続き、日本ビジネスに期待。

2018年はカウアイ島の洪水に始まり、ハリケーンがハワイ島とマウイ島に深刻な被害をもたらし、さらにハワイ島では火山が噴火。昨年のハワイは大きな自然災害に見舞われた年でした。しかし、そんな大きなマイナス要素にもかかわらず、ハワイ観光局の昨年10月時点での発表によると、ハワイ観光業は対前年比で訪問者数6.5%、観光客による消費9.8%アップと力強い成長を達成しました。しかし、多少弱含みな米国経済を反映し、絶好調の観光業には2019年、多少のスローダウンが予想されます。建設業は2016年にピークアウトし、小さな後退期にあります。昨年の事業所数と雇用者数は2017年に続き減少しました。とは言うものの、依然としてオアフ島の西側における戸建住宅開発やレール(高架軽軌鉄道)建設は順調。都市部における高層コンドミニアム建設もすでに着工済み、あるいは今年着工予定

の新規プロジェクトは相当数に上ります。建設業は今年、プラス成長に復帰すると見込まれています。つまるところ、ハワイ州実質経済成長率は今年+1.6%と見込まれおり、2018年の+1.5%と大差ありません。今年のハワイ経済も昨年同等、底堅い状態といえそうです。

2018年はカウアイ島の洪水に始まり、ハリケーンがハワイ島とマウイ島に深刻な被害をもたらし、さらにハワイ島では火山が噴火。昨年のハワイは大きな自然災害に見舞われた年でした。しかし、そんな大きなマイナス要素にもかかわらず、ハワイ観光局の昨年10月時点での発表によると、ハワイ観光業は対前年比で訪問者数6.5%、観光客による消費9.8%アップと力強い成長を達成しました。しかし、多少弱含みな米国経済を反映し、絶好調の観光業には2019年、多少のスローダウンが予想されます。建設業は2016年にピークアウトし、小さな後退期にあります。昨年の事業所数と雇用者数は2017年に続き減少しました。とは言うものの、依然としてオアフ島の西側における戸建住宅開発やレール(高架軽軌鉄道)建設は順調。都市部における高層コンドミニアム建設もすでに着工済み、あるいは今年着工予定の新規プロジェクトは相当数に上ります。建設業は今年、プラス成長に復帰すると見込まれています。つまるところ、ハワイ州実質経済成長率は今年+1.6%と見込まれおり、2018年の+1.5%と大差ありません。今年のハワイ経済も昨年同等、底堅い状態といえそうです。

いっぽう、アメリカの株価は予想しにくい状態にあり、世界的同時株安のリスクもゼロとは言い切れない状況。不確定要素に備えることも必要かも知れません。軟化に向かう住宅市場を反映して、2018年には住宅賃料水準の上昇率は低下しました。その影響で昨年のハワイ州物価上昇率は2017年の2.5%に対し1.9%に低下しました。そして、その効果として、昨年、ハワイ州の実質個人所得は2017年の0.5%を大きく上回る1.5%の伸びを達成。経済は堅調、ふところ具合はそれ以上に暖かい、といったところでしょうか。物価上昇率と実質個人所得アップ率は2019年も同様の水準で推移しそうです。

今年は10月に日本の消費税が10%へ引き上げられる予定であるため、日本人の消費マインドの冷え込みを心配する向きもあります。いっぽう、ハワイでは春以降に予定されている全日空による500席以上を有するエアバスA380機、毎日3便の就航という大きな経済効果が見込まれるイベントも控えています。日本航空とハワイアン航空の高いレベルでの協業にも注目です。今年は日本の観光業界挙げてのハワイ旅行キャンペーンが見込まれ、こと日本ツーリズムに関する限り大きな成長が期待できそうです。

日本からハワイへの投資を概観すると住宅系不動産購入は引き続き高いレベルで推移し、それに加えM&A型の投資も増加していくものと予想されます。2019年、ハワイ経済は堅調な中にリスクに対する備えも必要といえそうですが、日本ビジネスに関しては 「視界良好」となりそうです。私どもファーストハワイアンバンク日本営業部はいままでと同様、これからも日本からハワイへの投資を促進し、そして成功して頂くための、よい水先案内人となることを使命として活動してまいります。

 

Q:「住宅ローンについて知っておくべき今年のポイントとは?」
テリトリアル・セービング・バンク
国際部バイスプレジデント
林英樹さん
エグゼクティブローンオフィサー キム(白川)えりさん

今年も金利が上昇する傾向にあります。不動産の購入はできるだけ早期が良いでしょう。

2018年中は金利が少しずつ上昇して4%の後半にまで推移しました。2019年も金利は少しずつ上昇するであろうという見込みがあり、当然住宅ローンにも支払額が少しずつ上がるなどの影響が出ると予想しています。この状況を前提に、住宅ローンによる不動産購入のタイミングを測るなら「金利が少しでも低いうちに購入すべし。時期が早ければ早いほどモゲージを抑えられる」ということが言えます。ここハワイではローンの書き換えも容易ですから、今買える物件をとりあえず手にいれてしまい、5年10年で良い物件に出会ったら買い替えてローンを組み直し、資産価値を上げて行くという住宅ローンの上手な活用方法もあります。今年は在住者のデマンドを満たすためにサイズを小さくして価格を抑えたコンドミニアムの建設が進む予定ですので、今のうちに買えるものを買ってタイミングを逃さないようにしてください。

 

Q:「日本からハワイ進出を狙う企業に2019年はどんな年になりますか?」
セントラル・パシフィック・バンク
バイスプレジデント 中川留美子
さん
上席副頭取 瀬田譲二
さん

日本生まれのトップ就任で銀行業界に一石。人手不足が目立ちビジネスは変わらず活況。

まずハワイ金融界のニュースとして、弊行の親会社の会長兼CEOにポール与那嶺氏が就任したことを紹介します。与那嶺氏は日本生まれ日本育ち。ハワイ進出企業のトップと銀行トップとが日本語でコミュニケーションが取れれば、ハワイ進出のハードルは下がります。日系2世が創設した銀行として、日本からのビジネス進出は積極的にお手伝いして参りましたが、今後は今まで以上の案件が出ることを期待しています。
一方で不動産価格が上昇する中でも物件購入は活発で、ワイキキ・アラモアナを中心に日本からのビジネス進出も相変わらず活況。失業率2.2%と人手不足も続き、景気は堅調と言えます。見返りなしに互いを助け合うハワイのホスピタリティと、日本のおもてなしの精神がうまく融合すれば、それは魅力的になるはず。そんなビジネスが増える限り、ハワイ経済は安定成長すると信じています。

 

Q:「個人顧客の動向とサービスにおける新たな傾向とは?」
バンク・オブ・ハワイ
インターナショナルクライアントグループ
シニアバイスプレジデント&マネージャー 新村憲章さん

不動産を中心に個人投資の流れは堅調。日本に向けたサービス体制を強化して臨みます。

統計によれば、日本人の一般不動産に対する投資は2012~2018年前半までの6年間で約1800億円に上りました。2011年以前の30年間では1200億円でした(ロケーションズ調べ)ので、多くの日本人が投資先としてハワイを見始めたというのがここ最近の動きにある。投資家も若い世代が増えてきている傾向があると感じています。2019年も不動産投資の動きは力強く持続すると予想しています。当行では日本人投資家に向けてのより手厚いサービス提供を目指し、昨年5月に日本の「SMBC信託銀行」とプライベートバンキング・サービスの業務提携契約を締結しました。現在は両銀行間における無料の電信送金サービスを開始し、信託プランニング、融資なども検討しています。引き続きモバイルバンキングなどデジタルサービスを進め、日本のお客様にご満足いただけるサービスの強化に励みます。

 

以上、ハワイ4大銀行のキーパーソンにハワイの景気、投資などについて2019年の動向を予測してもらいました。

【2019年ハワイの景気はどうなる?】第3回目は、ハワイの就職事情についてお伝えします。

 

第1回目の記事はこちらから>>

第1回【経済トピックス】の記事はこちらから>>
第3回【就職編】の記事はこちらから>>
第4回【不動産編】の記事はこちらから>>

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