【今日の編集部ピックアップ物件】
ハワイ現地からとびきり新鮮な不動産情報をお届けしている「ハワイに住むネット」編集部。
今日取り上げる物件は、6月16日にリスティング(売出し)されたばかりのマノアにある一軒家。およそ110年前に「クラフツマン・バンガロー」と言うスタイルで建てられたクラシカルな3ベッドルーム&3バスルームの物件です。
2365 Oahu Avenue, Honolulu HI 96822
3ベッドルーム&3バスルーム、$1,975,000
いつもは新築のコンドミニアムや、ロケーションやビューの良い別荘向きの一軒家などの売出し物件をご紹介することの多いこの連載ですが、今日は趣向を少し変えて、ハワイのレガシーを引き継ぐヒストリックハウスの売出し物件をご紹介しましょう。
通称「Grace Cooke House」と呼ばれる、こちらの邸宅。実はウィキペディアに記事が掲載されている程ハワイでは有名な住宅です。1912年にグレイス・クック女史によって建てられ、その後、ハワイ大学マノア校の教授で高名な植物学者であるハロルド・セントジョン博士やマノアの滝に関する著書で知られるチャールズ・ブスログ博士などが住まいとしてきました。
溶岩石を使った家の基盤や特徴的な寄棟屋根、広いフロントポーチ、ブルーストーン(青石)を使用したフロントポーチへと続く階段など、当時の建築技術と意匠の粋を集めた「クラフツマン・バンガロー」と呼ばれるスタイルで建てられています。
間取りも現在の一般的なものとは少し異なっていて、リビングルームやダイニングなどがある表動線とキッチンや家族の寝室、屋根裏などの裏動線がきっちりと別れている昔の邸宅によく見られるスタイル。
アメリカ本土の昔の邸宅では、表玄関を入るとパーラーと呼ばれるゲストが家の主人を待つ部屋がありますが、このハワイの邸宅ではこの広いフロントポーチがそのパーラーの役割を担っていたのでしょう。バンガロー(山小屋)風というだけあり、表玄関は設けられておらず、フロントポーチから直接リビングルームへ入る間取りになっているのが面白いですね。
フロントポーチに向かって開いているリビングルームは2方向から光と風が入り込み明るい印象です。また建設された当時からの立派なパネル張りの壁や格天井が歴史を感じさせます。
リビングルームからの続きにあるダイニングルーム。職人の手技を感じさせる窓の装飾も素敵です。こういった邸宅の素晴らしさは、現代の規格化された工業製品のパーツで構成される住宅では最早見ることのできないディテールにあらわれますね。
こちらの邸宅は、セントジョン博士が暮らしていた1983年に国家歴史登録財に登録されているのですが、キッチンはこの通り現代の暮らしに合うようにアップデートされ、食洗機やオーブン、冷蔵庫も揃っています。
こちらがマスターベッドルーム。窓についた木製の折戸の鎧戸が可愛いですね。オリジナルのものかどうかは分かりませせんが、これも100年という歴史を感じさせるアイテム。今時の住宅ではちょっと見ないクラシカルな雰囲気が素敵です。マスターベッドルームには専用バスルームとウォークインクローゼットがついています。
マスターベッドルームに繋がっているベッドルームがあるのですが、それはちょっとスキップして、もう一つあるベッドルームがこちら。廊下を挟んでマスターベッドルームとは反対側にあるので、ゲストベッドルームにするにはぴったりです。
こちらは屋根裏部屋。キッチン脇にある裏玄関(勝手口)から入ってすぐ左のところにあるドアから階段を上がると大きな一間の空間が広がっています。この空間には1930年代にセントジョン博士によってドーマーと呼ばれる突き出し窓が、明かり取りのために2つ設けられています。
そしてこの邸宅には元メイド部屋だった地下もあります。地下ですがうまく土地の傾斜を利用しているので、室内はとても明るく庭にも直接出られるようになっています。独立したバス・トイレ、キッチン、玄関もあるので、賃貸に出すこともできますね。
379坪ある敷地には、庭にも家と同じく1900年初頭のガーデニングの職人の技を見ることができます。特に前庭からフロントポーチに至るまでのアプローチには溶岩石を使った階段や石壁、そしてそれに合った植物が植えられています。特に、私道沿いの前庭に植えられている大きなロイヤルポインセチア、マホガニー、そしてホノルル市の特別な木に指定されているサンドボックスツリーは見事です。
このようにハワイのレガシーがたっぷり詰まった邸宅ですが、実は教育移住を希望されている方にもぴったりです。というのも、ハワイ大学マノア校はもちろん、ハワイ屈指の進学校である私立のプナホウスクールやミッドパックスクールが徒歩圏内にあるからです。
もちろん歴史登録財ということもあり、保存に気を使わないといけないし、改装にも様々な制約もかかってくることでしょう。ただ110年もの長い間、この家が見守ってきたハワイの歴史や著名な歴代の住民の生き方や考えに思いを馳せ、そのレガシーのバトンを自分が受け取ると想像する時、何か壮大なロマンスを感ぜずにはいられません。
ハワイの歴史を大切に受け継ぎたい、そんな方に見ていただきたい物件です。
この物件の詳細はこちらから>>(*リンク先が表示されない場合、売約済またはステータス変更が考えられます)
※こちらの情報は2020年6月26日現在の売り出し中物件の情報です。物件情報は常に変わる可能性があります。