ハワイと日本を繋ぐ異文化学習を日本語教育という方法で実践しているのが こども日本語教室。 主宰の岡崎さんに取り組みを伺った。
ハワイのこども学習教室について
ーこども学習教室は補習校とは違うのでしょうか?
「当校は平日の午後3時半から5時半まで開講している、塾のような存在です。英語教育を受けている子ども向けに、国語と算数の授業を日本語で行います。各クラス15人以下の少人数制を徹底しており、“日本語で学べる力”を育てることを目指すNPO組織です」
ー入学に際して、ある程度の日本語力は必要ですか?
「そうですね。ただ、初級者向けにJFL(JapaneseasaForeignLanguage)クラスもあり、入学面接や入校テストは特にありません。将来的に現地の日本語補習校(レインボー学園)への入学を目指す生徒さんも多く学ばれています」
ー教室の始まりは、ご自宅のリビングルームだったとか?
「2018年6月に、自宅リビングからスタートした授業が始まりです。日本語でちゃんと自己表現できるようになってほしいという親御さんが周囲に多く、また私の子どもも当時小学生で、ハワイでの日本語教育に悩んでいました。その後、マキキ地区のファーストバプテスト教会に拠点を移し、現在は約60名の生徒が通っています」
ー先生を集めるのは大変だったのでは?
「現在は5名の教師が在籍していますが、全員が教育学や言語学関連の学位を持ち、教員免許、もしくは豊富な教員経験を持っています。ハワイでこの条件を満たす人を見つけるのは簡単ではありませんが、子どもたちの未来を後押ししたいという思いを共有できる皆さんに恵まれました」
ー教育では何を重視していますか?
「何より楽しく学べる環境を大切にしています。飛び級もOK。基本は日本の文部省の教科書に沿って、その子の実力に合わせた学習計画を立てます」
ーハワイで日本語を学ぶ意義について、どのようにお考えですか?
「言葉はツールであり、大事なのは日本語を使ってコミュニケーションする力。それを鍛えたいのです。日本語を話せることで、ハワイの日系移民の皆さんから日本の文化、礼儀、歴史を学ぶことができ、文化の継承につながります。多様な価値観を理解し、他者を尊重する力がこれからの時代に求められると思っています」
2025年から始まった「日本留学交流プログラム」
ー新たに始まった「日本留学交流プログラム」について教えてください。「2025年6月、香川県東かがわ市の小学校を訪問し、現地の子どもたちと学び、遊び、文化交流をするプログラムを実施しました。
14名の児童と保護者が参加し、給食や掃除など、日本の学校文化を体感しました。地元の方々と讃岐うどん作りなども楽しみ、日本を肌で感じる時間となりました。

第2回となる2026年は、6月20日から28日までの7泊8日で同じく香川県東かがわ市の小学校を訪問します。今回は現地の公立校の授業も受けて、学校生活を体験します。宿泊は児童同士のグループ滞在型で、参加費は航空券・宿泊代込みで1人4500〜5000ドルを予定しています。航空券自己手配の現地集合も可能です。詳細はホームページで発表しますので、ご確認ください」
ー最後に、読者へのメッセージをお願いします。
「日本語で自分を表現できる力、そしてそれによる文化継承を後押しするのが私たちのミッション。2026年の日本留学交流プログラムは、まさに言葉を通して文化を学ぶ絶好の機会です。多くの皆様のご参加、またスポンサーとしてのご支援もお待ちしています」
2025年の日本留学交流プログラムの様子。
「子供はみんな天才だ。」という信念のもと、
子供たち一人ひとりの可能性を最大限に引き出す教育を目指している。


