トランプ大統領、妊娠中の女性のアメリカへのビザ発行拒否権限を強化

トランプ大統領、妊娠中の女性のアメリカへのビザ発行拒否権限を強化

更新日 2020.01.27

トランプ大統領は、1月24日よりアメリカのビザ審査官がアメリカでの出産を目的とするものであると思われた場合、そのビザ発行を拒否する権限を強めるルールを発行した。

この新ルールは、日本を含むビザウェイバープログラムを導入してる39か国からアメリカに訪問するビザ申請者のビザ取得には影響はしない。またアメリカ国外でのビザ申請に関する方針であり、アメリカ国内の空港でのイミグレーションのガイドラインに変更はないという。今回のルールの対象となるのは、emporary visitor visa(B-1/B-2visa) でレジャー、医学的治療、また友人や家族訪問を目的として申請されたビザであるとのこと。
 

トランプ大統領は、アメリカの出生地主義に基づく市民権の付与について繰り返し疑義を唱えてきた。アメリカ国内で生まれた子供には自動的にアメリカ国籍を持つことを目的に、アメリカに入国、出産するいわゆる「バースツーリズム」を制限することを狙っている。このようにして生まれた移民の子供は「アンカーベビー」と呼ばれ、その後、両親や親族のアメリカに呼び寄せるビザ申請の理由として使われてきた。政府は、これらのアンカーベビーが、国際的な犯罪などのスキームに利用されているとしている。また大統領府広報秘書のステファニー・グリシャム氏は、「バースツーリズムやアンカーベビーにより、アメリカ国籍を持つ人たちの血税が間違った目的のために使われている。アメリカ国籍の高潔さは守られるべきである。」としている。


この新ルールにより、アメリカのビザを取ろうとする女性たちは妊娠しているかどうか質問されたり、さらに詳しいビザ審査などに直面する可能性がある。


アメリカ移民の権利団体であるイミグレーションハブのアドボカシー、ケリ・タルボット氏は「大使館職員が、妊娠や出産の警察官役を務めるなど、馬鹿げている」と表明。リベラルからの強い反発も起きている。 

弾劾にさらされているトランプ大統領は、保守派の支持を得るためにさらに強い移民対策を講じているところをアピールし再選を果たすためにこのルールの導入に踏み切ったと見られている。

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