ハワイ州、住宅開発を支える「RISE債」の憲法改正案を承認 将来の税収増で道路や上下水道を整備へ

ハワイ州、住宅開発を支える「RISE債」の憲法改正案を承認 将来の税収増で道路や上下水道を整備へ

更新日 2026.11.05

ハワイで住宅を増やすには、建物だけでなく、道路や上下水道などの整備も必要となる。その費用を確保する手段として、11月3日の総選挙で「RISE債」に関する州憲法改正案が賛成多数で承認された。各郡が指定する地区で、将来増える固定資産税収を返済財源に、インフラ整備の資金を調達する仕組みだ。

背景には、住宅開発を支えるインフラの不足がある。住宅を新たに建設する際には、増える世帯に対応できる給排水設備や道路などが求められる。州議会は、公共交通を中心とした開発を進める地区などで、こうした基盤整備に大規模な投資が必要だとしている。

画像:Anthony Quintano / CC BY 2.0(Wikimedia Commons)

RISEは「Resilient Infrastructure for Shelter and Equity」の略称。将来の固定資産税収の増加分を活用する「税収増分融資(TIF)」の仕組みを使い、郡が債券を発行して整備資金を先に確保する。

例えば、新しい住宅や商業施設の開発に先立ち、債券で調達した資金で周辺の道路や上下水道を整える。その後、地区内の開発や不動産評価額の上昇によって増えた固定資産税収を、債券の元本と利息の返済に充てるという流れだ。制度の利用に伴う固定資産税率の引き上げは前提としていない。

ハワイには1985年から同様の制度があったが、郡の債務上限との関係などから活用が進んでこなかった。今回の改正で、RISE債は上限の対象から外れ、承認を条件としていた関連法(5月成立)も施行される。対象地区は、公共交通の拠点周辺などに設けるとしている。

一方、税制を調査する団体「タックス・ファウンデーション・オブ・ハワイ」は、開発が計画どおりに進まなかった場合の返済や、債務上限から除外することによる財政への影響について懸念を示している。

実際に制度を導入するかどうかは各郡が判断する。導入には条例の整備や公聴会、議会での審議などが必要となり、対象地区や事業、発行額は今後決まる。ホノルル市・郡では、鉄道駅周辺などの住宅開発に必要なインフラを、どのような資金計画で整備するかが焦点となる。


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