ハワイの私立校事情

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ハワイでは約2割の子供たちが私立校に通うといわれます。そこでハワイの私立校の基本情報をまとめました。

経済的に余裕がある家庭では、子供を私立校に通わせる場合も多いようです。ハワイ州では、米本土より比較的多い全体の約2割の子供たちが、様々な私立校に通っています。

また私立校の中には、キンダーから6年あるいは8年生までの学校や、6年〜12年生までの学校などもあります。

ハワイの有名私立校

プナホウ・スクールとイオラニ・スクール

キンダーガーテンから高校まで一環して通う場合や、小学校からの入学、公立小学校を卒業後中学校からの入学など、様々な入学パターンが見受けられます。その中でのプナホウ、イオラニはハワイのトップ校として人気が高く、その入学要項について説明しましょう。

数あるハワイの私立校で、最も入学競争率が高いのは、バラク・オバマ前大統領が卒業したプナホウ・スクール(Punahou School)と、イオラニ・スクール(Iolani School)の2校です。

この2校は独自の教育方針と校風を持ち、学習環境が高く評価され、生徒の多くが卒業後に米本土の大学に進学するのも特徴です。

入学のためには学業成績だけでなく、面接や作文などを通して、生徒がその校風に適しているか否かが厳しく審査されます。プナホウおよびイオラニ・スクール受験成功には、2校へのキンダーガーデン進学率が高いプリスクールに通わせる、塾に通わせて受験合格のコツを身に付けさせる、小学校の成績や内申を改善する、スポーツや社会に役立つ活動をさせるなどの準備が必要となる場合もあります。

上記2校以外の私立校

上記2校以外にも優れた私立校が多くありますので、リサーチを重ねて子供の個性に適した学校を選択しましょう。私立校は、各校が個性的な教育方針を持つため、学校が開催するオープンハウスへの参加や校長と面談する機会を設けるなどして確認するのがお薦めです。

また学校によってはキリスト教系、仏教系など宗教色が強い場合もあるため、学校と家庭での宗教方針が合致しているかどうかも選択する上での重要なポイントです。

hawaii private school ハワイ 私立校 有名

ハワイの私立校の授業料

州立の公立校では授業料が無料ですが、民間経営である私立校では、授業料を支払います。

前述したプナホウ・スクールの場合、キンダーガーテンから12年生まで、2019〜2020年1学年間の授業料は$26,000(約284万円)(ウェブサイト参照)

授業料の額は学校により差があります。子供の学業成績が優秀な場合などは、学費補助(Financial Aid)が受けられる場合もありますので、各校のオフィスに問い合わせましょう。

ハワイの主な私立校

  • プナホウ・スクール(Punahou School)
    住所:1601 Punahou St., Honolulu, HI 96822
    電話:(808)944-5711
    ウェブサイト:www.punahou.edu
  • イオラニ・スクール(Iolani School)
    住所:563 Kamoku St., Honolulu, HI 96826
    電話:(808)949-5355
    ウェブサイト:www.iolani.org
  • ハナハウオリ・スクール(Hanahauoli School)
    住所:1922 Makiki St., Honolulu, HI 96822
    電話:(808)949-6461
    ウェブサイト:www.hanahauoli.org
  • ミッドパシフィック・インスティチュート(Mid‐Pacific Institute)
    住所:2445 Ka`ala St., Honolulu, HI 96822
    電話:(808)973-5000
    ウェブサイト:http://www.midpac.edu/
  • カメハメハ・スクール(ハワイアン優先)(Kamehameha Schools)
    住所:567 S. King St., Honolulu, HI 96813(オフィス)
    電話:(808)523-6200
    電話:(808)842-8800(カパラマキャンパス)
    ウェブサイト:www.ksbe.edu
  • セント・ルイス・スクール(男子校)(Saint Louis School)
    住所:3142 Wai`alae Ave., Honolulu, HI 96816
    電話:(808)739-7777
    ウェブサイト:www.saintlouishawaii.org
  • ラ・ピエトラ(女子校)(La Pietra)
    住所:2933 Poni Moi Rd., Honolulu, HI 96815
    電話:(808)922-2744 
    ウェブサイト:lapietra.edu
  • セント・アンドリューズ・スクール(St. Andrew's Schools)
    住所:224 Queen Emma Square, Honolulu, HI 96813
    電話:(808)536-6102
    ウェブサイト:standrewsschools.org
  • メリーノール・スクール(Maryknoll School)
    住所:1526 Alexander St., Honolulu, HI 96822
    電話:(808)952-8400
    ウェブサイト:www.maryknollschool.org

プナホウ、 イオラニの受験要項

幼稚園受験

個人面接とグループ面接が二日に分けて行われます。 試験期間はイオラニ校が9月から、プナホウ校が10月から始まり、翌年3月上旬までの約6、7か月続きます。全ての試験は、筆記ではなく、口頭で答えることが中心です。だから、まず質問の意味が分かることです。答えをきちっとした文章体の言葉で表現できることが必要です。1対1での英会話の個人指導を、連日、数時間続けていくことが不可欠と言えるでしょう。地元のプリスクールに通っているとしても、1対1で個人指導しない限り、幼児の語学力は急速には伸びないので対策が必要です。

1〜 3年生の欠員補充試験

受験資格は、前年度にウェイティングになった生徒だけに限定的されています。プナホウ校では、幼 稚園受験時にウェイティングとなった生徒は1年生を受験できます。そこで再びウェイティングになった場合は2年生受験資格を獲得できます。

プナホウ校の4、5年生受験

初級SSATを受けなければなりません。またグループ面接と作文試験を行います。

6年から8年生受験

中級SSATを受験します。減点方式を取るので、わからない問題には手をつけないことです。面接と作文試験は、各校で10月から1月まで行われま す。ただしイオラニ校は6年生受験生に限り、グループ 面接と簡単なアンケートのみで、従来の作文試験を取りやめました。

9年生から11年生受験

上級SSATを皆受けます。何回受けてもよく、世界中にある試験場で受けることができます。6年および9年生の受験の合格の基準は、SSATの結果、通っている学校の内申書、特技、面接、作文になります。SSATは何回も受けられるので、各校が求める合格ラインに達することが不可欠です。内申書は、良い成績であることが当たり前とされています。両校とも、サッカー、野球などスポーツで優れた選手を渇望しており、コーチの推薦状がキーとなってきます。リーダーシップのある人材を求めているから、生徒会の要職を経験している生徒は、高く評価されます。
 

より正確な情報は プナホウ公式ホームページイオラニ公式ホームページ 参照し てください。


 

2020年度入試要項

受験学年

プナホウ校定員

締め切り

イオラニ校定員

締め切り

幼稚園生

150人

10月15日

70人

10月30日

1−3年生

欠員分のみ

12月31日

なし

4年生

50人

10月31日

なし

5年生

欠員分のみ

12月31日

なし

6年生

88人

11月15日

50人

12月1日

7年生

80人

同上

50人

同上

8年生

欠員分のみ

同上

15人

同上

9年生

72人

同上

50人

同上

10ー11年生

欠員分のみ

同上

欠員分のみ

同上

12年生

同上

同上

同上

同上


 

■SSAT とは?

SSATは全米統一試験です。内容は語彙60問 (30分)、数学25問(30分)が2種類、読解40 問(40分)そしてエッセイ(30分)から成り立っています。6年生から8年生まで受験する学年が違っても全く同じ問題を受けることになります。つまり5年生の学力しかない生徒がSSATを受ければ3分の2を占める6、7年生レベルの問題にはほとんど歯が立たないということになります。6年生受験のプナホウ校やイオラニ校の安全圏である80%前後には、5年生レベルではかなりのギャップがあります。また誤りにつき減点方式を取るので、わからない問題は手をつけないほうが懸命です。6年生受験では、過去の問題を解きながら、公立では習わなかった分野まで独自で勉強することになります。
 

■日本人として受験に望む場合の長所は?

まず1つめは態度の面で、勤勉である、正直である、向学心があることです。2つめは学力面で、数学脳がよく発達していて、暗算でかなりの計算を早くやることができる、九九を知らない子がまずいない、図形に強いなどがあげられます。
 

■公立と私立の違いはどこにあるのか

公立小学校の場合、ほとんどの学校に体育館もなければプールもありません。いわゆる啓蒙的な音楽や美術、体育などの授業は、簡素化の状況です。これらの専門の先生を雇うために、学校の保護者が寄付金を集めることもあります。ただESLクラスの充実など公立の良いところもあります。
 

■ESL

英語が良く理解できない生徒にとって、ESL(英語補習クラス)は重要です。そのための充分な担当者を支える資金があるのは公立です。かつては、イオラニ校にESLのクラスがありましたが、授業料は、普通のイオラニ校生徒の2倍でした。私立でESLのクラスを設けている学校があリますが、公立校のように、専門の教師が教える体制はできていないようです。ESLのクラスを必要とする5年生以下の子ども がいるお家なら、公立の方がいいでしょう。6年生以上の中高生では、ミッドパシフィック校が、ESLのクラスを追加料金で持っているのでお勧めと言えるでしょう。
 

 ■大学進学に有利な学校

私立校は、厳しい入学試験で、高い学力の生徒を集めていきます。たとえばプナホウ校の場合、高校1年生の時点で、数学に関しては、5つのクラスに分けられます。420人中トップ60人余だけが取れるHonors Geometryがそれにあたります。その振り分ける基準は、在校生は8年生時の成績、新入生は5月に行われる数学試験の結果で、決まっていきます。トップ60人が Honors Geometry、つぎはGeometry、簡単なGeometry、Algebra、簡単なAlgebraの順になっていて、最後のものが、公立のAlgebraのクラスと似たレベルになるわけです。
そのクラスの進度、宿題、テストのレベルは、次のレベルのGeometryクラスとかなりの差があります。その延長に、優秀な大学への進学が可能になるため、父兄の関心も極めて高いのが現実です。加えて、優秀な大学に進学している卒業生との交流の場も設けてあります。良い大学を望むなら、よりよい生徒が集まって切磋琢磨している私立がお勧めでしょう。
 

■最後に

お子さんの性格、また将来的に何をどこで勉強したいのかで、公立、私立また私立でもどこがいいのか、分かれていくと思います。私立校は、各校が個性的な教育方針を保つため、学校が開催するオープンハウスへの参加や校長と面談する機会を設けるなどして確認するのがお勧めです。また学校によって はキリスト教系、仏教系など宗教色が強い場合もあるため、学校と家庭での宗教方針が合致しているかどうかも選択する上での重要なポイントです。


 

情報提供・監修

ドクター高橋俊明 心理学博士/ ドクター高 橋塾塾長
www.juku-in-hawaii.com
(808) 949-3366

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