ハワイで乳がん・子宮がん検診を受ける

ハワイで乳がん・子宮がん検診を受ける

更新日 2018.09.26

女性がハワイで乳がん・子宮がんなど、婦人科検診を受ける際の基本情報をお伝えします。

ハワイで受ける乳がん・子宮がん検診

日本では、全国で統一した検診システムはありませんが、会社の福利厚生の一環として、職場で検診を行ったり、人間ドックに参加することを推奨する場合もあります。また女性は、居住地域の役所などから乳がん・子宮がん検診受診を薦める通知を受け取ったこともあるかもしれません。 

アメリカでは、乳がん・子宮がん検診を希望する場合、まずかかりつけの医師に相談しましょう。日本と異なり、米国では、婦人科医のみが乳がん・子宮がん検診を行うわけではありません。 

アメリカでは、がん等の病気を発見するための検診も、個人の自覚と判断に任されています。米国の医療システムの利点は、ガイドラインに沿った検診(乳がんのマンモグラムや子宮(頸)がんのパップスメア)は、医師が検査目的を明記してさえいれば、全て保険でカバーされることです。

ハワイ 乳がん検診 子宮がん検診 hawaii clinic

乳がん検診について 

アメリカでは医療の標準化が進んでおり、以前はリスクが低い場合でも、40歳以上の女性に乳がん検診のマンモグラムが薦められていましたが、最近は基準が変わり、50歳~74歳の方に対し2年ごとのマンモグラムを推奨しています。 

乳がん発見率において、米国の臨床研究では、触診とマンモグラムの組み合わせが、マンモグラム単独の検診に比べ乳がん発見率で勝っている証拠がなく、触診を使った検診に疑問が呈されています。しかし、米国人女性と日本人女性は一般的に乳房が異なるため、ハワイでも日本人医師の場合は、これまでの検診の経験により、触診を薦めることも多いようです。 

乳がん検診の場合、家族に乳がん経験者がいる場合は、検診のシステムが異なってきます。 特に40歳前で乳がんになった身内が存在する場合は、注意が必要ですので医師に相談しましょう。

子宮(頸)がん検診について 

米国の医師はASCCP(American Society for Colposcopy and Cervical Pathology)の定めるガイドラインに沿い、患者に対して、子宮頸がん検診および精密検査を薦めています。 以前は、初めて性交渉を開始した年齢より検診開始年齢を変えていましたが、現在では21歳になった時点で、子宮頸がん検診を始めます。

21歳~29歳では3年おきに「パップスメア(Pap Smear)」と呼ばれる細胞診が行われます。30歳以前でスクリーニングとして「ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)」の検査を行わない理由は、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)感染から、時間が経って発がんするためです。35歳から65歳までは、パップスメア単独の場合は3年ごと、パップスメアとヒト乳頭腫ウイルス(HPV)の検査を同時で行う場合は、5年ごとに検診を受けることが推奨されています。 

最近は、前回の細胞診が正常な場合、3年以内にパップスメアを行うと、健康保険でカバーされないケースも多くなっています。そのため、信頼のおける医師に子宮がん検診の結果を継続して管理してもらう事が大切です。

65歳以上の場合、過去に子宮頸がん検診で異常がなかった場合は、検診の必要はないと言われています。しかし、過去に前がん病変等の悪性度の高い細胞が出た方は、出た時点より20年は子宮頸がん検診を続ける事が薦められています。また子宮摘出を行った方(子宮頚部も取った方)で、子宮頸がんや異形成の既往が無い方は、子宮頸がん検診をする必要がないと言われています。

年配の方で、これまで子宮頸がん検診で異常がなくても、毎年のように婦人科に通い検診を受ける方もいますが、診療情報を適切に主治医(PCP)に管理してもらい、賢く検診を受ける事をお薦めします。

【情報提供・監修】
Dr.太田恵美

オハナ・クリニック
住所:850 W. Hind Drive, Honolulu, HI 96821
   (アイナハイナ・プロフェッショナルビル205号)
電話:(808)377-3193

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