"ハワイに住む"を叶えた人々にインタビューするこのシリーズ。
今回は、ハワイに一ヶ月の長期滞在をされた石川次郎さんにインタビューしました。
1941年東京生まれ。早稲田大学卒業後、旅行代理店勤務を経て平凡出版(現マガジンハウス)に入社、「平凡パンチ」の編集者となる。その後、「POPEYE」「BRUTUS」「Tarzan」「GULLIVER」などを次々に創刊。各誌編集長を歴任する。1993年に同社を退社。1994年4月から2002年3月まで、テレビ朝日の人気深夜番組「トゥナイト2」の司会者として活躍。編集プロダクションJI inc.主宰。
1ヶ月住むなら絶対ハワイ!今回のステイは期待以上のものだった。
1ヶ月のハワイ滞在を3分割、家族サービスと仕事、最後は自分のために思いっきり遊ぶ!
初ハワイは1967年。この時は仕事の関係で数時間だけの滞在だったけれど、タラップを降りて空港ターミナルまで歩きながら、「絶対、またここに来る!」と強く思ったことを今でも覚えている。
僕がハワイに魅了された決定的な瞬間、それは1975年だね。ベトナム戦争の終結により、反戦活動という若者のエネルギーの矛先が失われたのだけど、そんな彼らの今後の動向を求めて、新しい雑誌のヒントを探すべく僕はハワイへ飛んできたんだ。その中で、当時流行りはじめたばかりのハンググライダーを見ようとマカプウ岬に行ったんだが、上空をクルクルとハンググライダーが旋回していたとき、なぜか空から音楽が聞こえてくるんだよ。当時は、iPodはもちろんのことウォークマンすらない時代。なんとラジオを縛りつけて上空で音楽を聴いている。びっくりしてね。「この連中、おもしろい!」と確信。もう「戦争じゃなくて、楽しいことを考える」というアメリカの若者の生き方を日本に伝えようと思った。これが新雑誌の創刊へとつながったんだ。ハワイが雑誌『ポパイ』を生んだ瞬間だったんだよ。
じつは1ヶ月ものロングステイは今回が初めて。他島には行かず、ディープなホノルルを体験することが目的だったのだけど、結果としては、あっという間の1ヶ月だったな。最初の10日は家族との時間を優先し、孫とビーチへ、ミュージアムへと繰り出した。次の10日間は30年ぶりに雑誌『ブルータス』の仕事。残りの10 日は思いっきり遊ぶ! ハワイの仲間とゴルフ三昧という過ごし方。
そのとき気がついたのは、ハワイは長生きの島だということ。85歳過ぎのゴルフ仲間が、ゴルフの途中でマンゴーを採り始めてね。ラウンドもそこでやめちゃうんだよ。そのお気楽さは何ともいえないよね。「ハワイで生きるシニアがこんなに元気なのは、温暖な気候だけではなくこんな秘密があったんだ」と思った。この島で生活すると、何かが変わるのかもしれないよね。
ハワイは太平洋のど真ん中というとんでもない場所に存在し、人間を引き寄せ続ける楽園であり、日本にとっては「いちばん近いアメリカ」。そんなハワイで旅人は進化していく。ハワイを軽く見ていたビギナーも、何度も来るうちにどんどん行動し自分のハワイを開拓していく。ワイキキはいつもビギナーで混雑しているけど、実はもっと面白いハワイの旅が存在することにやがて気がつく。計り知れない魅力を持った島、それがハワイ。今回のステイでは、期待以上のものを得ることができた。ロコが行く地元のスーパーで買い物をして自炊。電話でパンケーキをオーダーしておいて、15 分後に取りに行って家族で朝食、なんてこともできた。一緒に遊んだ友人が言っていた。「大人になっていちばん面白い夏休みでした」ってね(笑)。
石川次郎さんにお気に入りのハワイのお店をご紹介していただきました。
【Duc's Bistroデュックス・ビストロ】
ダウンタウンにあるフレンチスタイルのお洒落なベトナムレストラン。飲み頃のいいワインがたくさん揃う。
1188 Maunakea St. Honolulu
☎808-531-6325
営業時間 月〜金曜ランチ11:00~ 14:00、ディナー17:00~22:00、
土・日曜ディナー17:00~22:00