ハワイ州特有のキャプティブ保険制度。今回はその仕組みとメリットを本郷法律事務所の本郷友香弁護士に教えて頂きます。
現在はハワイにてプロベート手続きやTODD(Transfer on Death Deed)の作成等を含む、遺産相続に関する手続き、またキャプティブ保険会社の設立と維持管理等のサービスを提供。日本及びアメリカ両国にて職務経験があり、過去数年間は日本に在住し、大手米国会計事務所にて法務、会計の分野において、国際的な仕事に携わっていたとともに、多種の文書において豊富な翻訳経験がある。日・英のバイリンガルであり、両言語において、会話、読み書きが堪能である。
<保持資格>カリフォルニア州弁護士/ハワイ州弁護士/ワシントンD.C.弁護士/ハワイ州公証人/IRS認定CAA (Certifying Acceptance Agent) /生命保険エージェント(カリフォルニア州とハワイ州)
キャプティブ保険の仕組み
キャプティブ保険とは、企業が第三者の保険会社からではなく、自社の保険会社を設立し、そこから必要な保険に加入をし、その恩恵を受ける制度を指します。キャプティブ保険会社はアメリカにおいて、ハワイ州を含む限定された州においてのみ、設立することが可能です。日本国内ではキャプティブ保険会社の制度は整っておらず、日本国内の企業が、馴染みのあるハワイにキャプティブ保険会社を設立する流れがあります。
キャプティブ設立地 (Domicile)
キャプティブ保険会社には設立地 (Domicile)が定められているため、設立が許可されている場所でのみ、設立が可能です。アメリカにおいては、ハワイ州等を含む、複数の州で設立が認められています。他国ですと、ミクロネシア、バミューダやマレーシア等で設立することが可能です。
ハワイ州のキャプティブ保険業界の日本との繋がり
ハワイ州は、日本においても、Hawaii Captive Insurance Council(HCIC)等を通じて、15年以上もの間、セミナー等を実施しています。日本との短い距離も踏まえ、ハワイ州は日本企業において、キャプティブ保険会社を設立するために最適な場所であります。
ハワイ州がキャプティブ保険会社により適している理由
ハワイ州のキャプティブ保険業は、1987年頃から始まり、その時から経験と実績を積み、今に至ります。他州とは異なり、ハワイ州の保険庁においては、キャプティブ保険にのみ特化する人員を擁した部門があり、キャプティブ保険のみの業務に従事しています。ハワイ州の保険庁以外にも、ハワイ州においてはキャプティブ保険業務に関わるキャプティブ・マネージャー、監査役、弁護士、アクチュアリー等を含むプロフェッショナルが、キャプティブ保険に携わる多種なサービスを提供することができます。
キャプティブ保険のメリット
キャプティブ保険会社を設立するメリットの内、いくつかをご紹介します。
全てのリスクを負う必要はない
キャプティブ会社の保有限度を上回るリスクにおいては、キャプティブ保険会社が外部の保険会社の保険を買って対応します(再保険)。再保険会社へリスクを移転できることも、キャプティブ会社のメリットの1つです。この再保険は保険会社しか購入できず、アメリカには多数の再保険があるため、キャプティブ保険会社を通して購入すれば、日本国内の保険を代理店を通して購入するより、良質でしかも安価に手に入れることができます。
日本国内では加入が難しい保険の種類にも対応
上記の理由から、日本国内では加入が難しい種類の保険の購入も可能になります。日本企業は地震等に対し、日本の保険会社を通じて、地震保険に加入することは困難です。海外でキャプティブ保険の会社を設立した際は、日本での災害時等に及ぼされた損害に対して支払われる保険としても役立ちます。
保険料の削減
自社でキャプティブ保険会社を所有するということは、従業員や会社の保険会社に払う保険料を削減することが可能です。何かあった際には自社で補償しなければなりませんが、通常払う保険料は、自社グループの保険会社に支払うことになるので、結果保険料の削減につながります。
キャプティブ保険は概念が難しいですが、その多様性から、加入するメリットは大きいです。実際の例として会計事務所も、
本郷法律事務所では、キャプティブ保険会社設立から維持管理等のサービスを提供しています。気になる方はぜひ1度ご相談ください。
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