ホノルル不動産協会より発表された2020年6月のハワイ・オアフ島の住宅市場は、戸建住宅の売り上げが回復基調である一方、コンドミニアムの売り上げが低迷と、戸建とコンドミニアムの間で明暗が別れたものとなった。
ホノルル不動産協会の2020年6月マーケットレポート
ロックダウンの影響から抜け出しつつあるハワイの不動産業界
3月末のロックダウン以降もエッセンシャルサービス(重要業務)として、経済活動が是認されていたハワイの不動産業界。4月末には一定の条件下で商談やショーイングも再開され、更に6月5日からは同じく一定の条件下でのオープンハウスも再開されている。
先月5月の結果は、ロックダウンの影響が如実に数字に現れ、コンドミニアム売上51.2%ダウン、戸建住宅売上22.5%ダウンと、少しショッキングな内容であったが、6月は早くも回復基調にある。
さて、詳細を見ていこう。
- 2020年6月、戸建住宅のセールスが回復基調
前年同月比で7.6%減。中間価格は770,000ドル - 2020年6月、コンドミニアムのセールスは回復傾向にあるが、引き続き低迷
前年同月比で34%減。中間価格は421.500ドル
戸建住宅では、前年同月比で7.6%減少したが、前月比で21.8%増加している。中間価格は前年同月、前月と比較して共に若干低くなっている。
一方のコンドミニアムでは、前年同月比で34.0%減少したが、前月比で22.7%増加している。
一見すると、「どこが回復基調?」と思われるかもしれないが、1)ロックダウンという非常事態が起こったこと、2)前月のショッキングな数字(戸建セールスが前年同月比で22.5%減、コンドミニアムセールスが前年同月比で51.2%減)、3)2020年5月から6月にかけて、総売上高は22.3%増加したことを考慮すると、全体として徐々にではあるがロックダウン以前の状態に戻りつつあると言える。
2020年7月のハワイ不動産は買い手市場か?売り手市場か?
常に市場に在庫が少ないことで知られていたハワイ不動産。ロックダウン後は市場から一時的に下される物件もあいついたが、先月からそれらの物件も徐々に市場に復活し、今月は更に新しいリスティング(売出し物件)が増加した。
- 戸建住宅のリスティング物件(売出し物件)数が増加
新規でリスティングされた物件は前年比では減少しているが、前月比では13.6%の増加となっている - コンドミニアムのリスティング物件数も増加
新規でリスティングされた物件は前年比では減少しているが、前月比では17.5%の増加となっている
ホノルル不動産協会会長のトリシア・ネコタ氏は、
「ハワイ不動産を巡る状況は、毎月改善されています。それはハワイ州の経済活動の再開が進むにつれ、市場が着実に強化されてきていることに現れています」と全体の状況について話、更に
「過去最低金利である今は買い手にとって絶好の機会です。同時に需要の停滞と在庫の減少は売り手にとって有利な条件を生み出していることも引き続き見受けられます」と述べている。
つまり、現在のハワイ市場は、買い手にとっても売り手にとっても、取引次第でどちらにも有利になる状況にあると言える。
失業、倒産、自己破産、閉店など、新型コロナに関連したロックダウンから経済再開までの流れの中で、辛い現実をつきつきられているハワイ経済。そんな中でもハワイ不動産は徐々にではあるが回復基調にあることは喜ばしいことだ。
ホノルル不動産協会会長のネコタ氏が、「ハワイでは失業率も高く、新型コロナの影響はまだ終わっていませんが、ハワイ不動産の活動は、私たちのコミュニティを回復させるための経済的推進力として明るい兆しになっています」と述べている通り、7月、8月も引き続き順調な回復を期待したい。