プロゴルファーの生駒加与子さんがハワイから4回シリーズでお届けするシンプルゴルフ・レッスン。1回目のテーマは「ドライバーの基本と打ち方」。コンスタントに90台を狙うあなたにこそ知って欲しい内容です。
埼玉県出身。プロゴルファー。 第19回日本女子プロゴルフ選手権大会優勝など、優勝回数国内4勝、海外シニア1勝。趣味は舞台・映画・音楽鑑 賞。現在はトーナメント解説や アマチュアへの指導などに取り組み、多岐に渡って活躍。
アロハ!プロゴルファーの生駒佳与子です。これから皆さんのゴルフをスコアアップするレッスンをお届けします。
まず、あなたはスイングを変える必要はありませんよ。90台を出せるあなたは、スイングの基礎ができていますから、いま知って欲しいのはシンプルに「基本を見直す」ことなのです。 私がこのレベルの皆さんにお伝えしたいのは以下の3つ。
- スタンスの基本
- ボールの位置
- グリップ
生駒加与子のゴルフ・レッスン1【ポイント1】
ティグラウンドでは平らな場所を探してティアップする
スタンスの基本はティアップの場所ですが、これができていない人が多い。本来平らであるべきティグラウンドですが、実は平らではありません。ティマーカーの向きもまっすぐではありません。よくティマーカーのギリギリいちばん前にティアップする方がいます。でも、そのティマーカーは、フェアウエイを見たときに、安全な場所を向いていますか?
まず、ティグラウンドに上がったら、安全に打てる方向にスタンスできる、なるべく平らな場所を探して、ティアップしてください。
【右】受講者は目標に対して意識的にクローズドスタンスで構えている。この構えでは右にプッシュしてしまいそうですが、経験からストレートボールを打てています。
【左】パールカントリークラブの1番ホールはフェアウエイが左傾斜なので、まっすぐのやや右側狙い。目標に対してつま先、ヒザ、腰、ヒジ、肩がスクエアに。
打ち方を考えるのではなく、弾道をイメージする
アドレスしたら、我々プロはあれこれ考えません。打ちたい弾道をイメージしてただテークバックして打つだけです。一方、アマチュアの方はテークバックはこうで、トップの位置はこうで、とか考えてしまうようです。アドレスしたら、とにかくショットだけに集中です。
生駒加与子のゴルフ・レッスン1【ポイント2】
ボールの位置を再確認します
ボール位置は基本的に体の中心と考えています。そこからクラブの長さによって左足寄りになったり、右足寄りになったりしますが、このスタートが違っていると、当然トップ位置も変わりますし、正しい位置に手が戻ってこないことになりますので注意してください。
【上】ドライバーのボール位置は、体の中心からやや左にするだけ。これはクラブの長さで必然的に行うだけで、その他の構えや打ち方、グリップの位置は変わりません。
【上】ボールを体の中心からやや左に。こうするだけでアッパーブロー気味にインパクトを迎えられる。打ち方を変える必要はありません。
ドライバーの場合は、中心よりやや左寄りにする
ドライバーは軌道の最下点から上がり気味に、アッパーブローにボールを捉えますが、その場合はボールの位置がやや左足寄りになります。これはクラブの長さが関係しています。 ボール位置が中にあり過ぎるとダウンブローに当たることになって、回転がかかりすぎるため、飛距離は落ちてしまいます。とはいえ、つま先の外側に置いてしまったり、グリップ位置が左足の太ももより外になったりと言う方もいますので、鏡の前でよく自身のアドレスをチェックしてみてください。
正しいアドレスは、ボールが左足寄りになれば、右肩は自然と左肩よりは下がります。しかし、アドレスから左肩が突っ込んだり、肩、ひじ、腰、膝、つま先がスクエアにならない人もいますので、鏡の前で何度も構えを確認、正しい姿勢で自然に構えられるようにしましょう。
生駒加与子のゴルフ・レッスン1【ポイント3】
グリップは力いっぱい「ギュッ!」
私のレッスンの重要のポイントはグリップの力加減についてでしょうか。よく「小鳥を包むようにやさしくゆるゆるに握る」という例えがありますが、アドレスではできるだけ力いっぱい「ギュッ!」と握ってください。最初にゆるく握ってしまうとインパクトで力んでしまいます。左手の小指、薬指、中指の3本指はとくに強く握り、インパクトの瞬間にボールや芝にクラブヘッドが負けないように強く握ってください。女性の場合はグリップがゆるいとインパクトでボールや芝に負けてしまいます。繰り返します。グリップのポイントは「ギュッと握る」です。
この意識を毎回のラウンドで、毎ホールきちんと行えば、あなたのゴルフは変わってきますよ!次回はアイアンの基本についてお伝えします。
※この記事は「ハワイに住む」マガジンVol.21(2015/4/15発行)の記事を元に作成しています。