弁護士に聞きました:離婚によるグリーンカードへの影響

弁護士に聞きました:離婚によるグリーンカードへの影響

更新日 2018.09.30

Q:離婚によるグリーンカードへの影響 
A:問題なのは結婚後2年以内の離婚です

グリーンカードには永住権グリーンカード (10年ごとに更新)と、2年間だけのテンポラリー •グリーンカードの2種類があります。

永住権の保持者は離婚してもそのまま米国に居住できます。しかしテンポラリー保持者が離婚 した場合はカード失効前に国外退去しなくて はなりません。それを回避するためにはWaiverを申請する必要があります。

それは離婚には配偶者から受けた肉体的•精神的な暴力が起因していること、母国へ戻るのが困難であること、結婚は偽装ではなく真実の結婚であったことの申し立てで、これを怠った場合、カード失効後の残留は不法滞在となり、永住権グリーンカードへの切り替えや米国への再入国ができなくなります。

またWaiver申請にあたっては配偶者から受けた暴力の証拠が不可欠です。昔受けた暴力の話は証拠がない限り効力はありません。有効なのは暴力を受けたという事実を証明する物的証拠。たとえ英語が話せなくても警察に通報してポリスレポートを残してください。病院で診断書をもらう、暴力の証拠を写真に残すというのも有効です。

また離婚手続きと同時に移民局の書類手続きもしなくてはなりません。テンポラリー•グリーンカードが切れる90日前に、永住権の申請を始めるために離婚弁護士と移民弁護士に連絡してください。 

 

【ご回答いただいた弁護士】

谷本 定男・トム弁護士 コーツ&フライ法律事務所 ハワイ

谷本 定男・トム弁護士(中央)
セントトーマス法科大学院卒業。2014年に米国家庭法学会ベスト10弁護士に選出。様々なセミナーにおいて家庭法の講師を務める。
 

コーツ&フライ法律事務所
住所:900 Fort St. Pioneer Plaza #1400
電話:808-524-4854
FAX : 808-524-0717
Eメール : divorce@coatesandfrey.com 

※この記事は「ハワイに住む」マガジンVol.27(2016/10/15発行)の記事を元に作成しています。

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