「E-2ビザ」とは、約20万ドル程度以上のアメリカの事業投資や経営マネジメントを行う人に対して発行される5年間有効の投資家ビザである。
他のビザに比べて、比較的投資額が少なく、取得までの期間が短いビザであるため、日本からハワイに移住したいと考える人にとって、選択肢に上がることの多いビザの一つだ。
ハワイ・LA・NYに拠点と弁護士ネットワークを持つ全米最大級の日系弁護士事務所「GO法律事務所」で移民法を手掛ける栗原幸花先生に、2026年、最近のE2ビザ事情について伺った。
(GO法律事務所所属)
アメリカE-2ビザの最新動向と変更点
栗原先生:
私はE-2ビザのご相談を日々多く受けていますが、2025年後半から2026年初頭にかけて、実務の肌感覚として「早くなった部分」と「厳しくなった部分」が同時に進んでいます。今日は、直近の変更点と、申請者の方に気をつけていただきたいポイントと併せて、私の視点で整理します。
E-2ビザ審査スピードは早まっています。
私は日々E-2ビザを扱っていますが、2025年後半から2026年にかけて、審査スピードが明らかに変化しています。2025年夏から秋にかけては、新規の企業登録(いわゆる大使館登録)に約4か月程度かかるケースが一般的でした。しかし昨年冬以降、2026年に入ってからは数週間で進む例が増え、早いケースでは10日程度で動いたこともあります。資料提出からビザ発給まで全体で約2か月という事例もあり、体感としては処理が以前よりスムーズに進んでいます。
大阪での審査が増加、面接が大阪で行われるケースも
最近は大阪の領事館で審査されるケースが増えています。東京のほうが申請数が多いため、大阪に振り分けて審査しており、それがスピードが早まっている理由の一つでもあると思います。申請時に、東京の米国大使館と大阪の領事館の2か所から希望地を選べるのですが、希望を出しても必ずしもその場所で審査されるとは限りません。東京に提出しても大阪へ回されるケースが増えており、どこで審査されるかは提出してみるまで分からない状況です。
東京で申請した方にとっては、大阪まで面接に出向く必要があるなど、時間的・金銭的な負担が増えてしまいます。ただし、東京と大阪で審査基準に差があるわけではありません。
今後の審査期間は不透明、再び伸びる可能性もある
現時点では早いペースで審査が行われていますが、アメリカ大使館の人員削減や帰国命令が出ているという情報もあり、審査期間が再び延びる可能性は否定できません。現在の処理速度を前提にせず、余裕を持ったスケジュール設計が重要です。
財務状況と雇用計画をより厳格に審査
審査内容は明らかに厳しくなっています。特に財務状況と雇用状況が細かく見られており、一段深いところまで突っ込んだ質問をされています。
年次決算の書類を提出していても、それが明確に好調でない場合など、追加で直近の月次決算の売上提出を求められることがあります。また1年目で年次決算が揃っていない場合には、詳細な事業計画や収支計画の提示、それにともなう説明が必要になります。
雇用計画についても同様で、E-2ビザ取得時には2~3名規模からのスタートでOKであっても、その後どのように拡大し雇用を増やしていくのかの具体的なプランやその論拠を説明する必要があります。決算の数字が良くない場合は、直近の業績推移の理由、今後の改善策や見込みなど、面接では事業の詳細までしっかり説明できるようにしておきましょう。
面接免除の縮小と対面面接の原則化
2025年の9月から、ビザ審査における対面での面接実施が強化されています。面接免除となるケースが狭められ、対面面接が原則となったことも最近の大きな変更ポイントです。
例えば、E-2ビザの更新については、いままで大きな変更がない場合、更新の書類審査のみで面接が免除されるケースが多かったのですが、現在は原則として対面面接が求められます。更新は短期間で済むという前提は見直すべき状況です。
また、アメリカにとってリスク要因となる可能性が低い子どもや高齢者でも面接が免除されなくなり、面接が必要となっています。面接は英語で行われますが、通訳をリクエストすることは可能です。ただし物理的に大使館や領事館へ出向く必要があるため、これまでより時間と調整が必要になります。
申請資料提出ルールの細則化と再提出リスク
2026年1月以降、E-2申請書類の提出方法にも細かな変更がありました。フォルダ名、ファイル名、メールの件名などに明確なルールが設定され、それに沿わない場合は再提出となります。形式不備による時間ロスを防ぐため、最新の提出要領を確認した上で準備することが重要です。こうした変更は突然発表されることが多く、常に最新情報への注意が必要です。
面接予約変更回数の制限
ビザ面接予約の運用も厳しくなっています。従来は5回までの予約変更が可能でしたが、現在は変更回数が2回までに変更されました。今までは「とりあえずいま空いている予約を確保して、後から変更しよう」というアプローチの方が多かったのですが、その方法も2回まで。2回の変更後の予約で面接に行けなかった場合、再度、申請料を払う必要があります。従来よりも慎重なスケジュール設計が求められます。
まとめ
2025年1月から第2期トランプ政権となって、矢継ぎ早に新しい政策を打ち出しているトランプ大統領。基本的に「アメリカへの投資は歓迎」しかし「移民へのビザ発行は厳しく」というスタンスが、上記のような状況を生んでいます。
100万ドルの投資で発行される永住権が取得できるゴールドカードなど、派手な発表で話題となりました。しかしトランプ大統領の始めた関税にアメリカの最高裁で違法という判決が出たように、このゴールドカードのプログラムもまた流動的な部分がおおいにあります。
その点で、過去に実績の多いE-2ビザは、
E-2ビザの取得についてのご相談はGO法律事務所までいつでもお気軽に。
初回相談は無料です。


