弁護士に聞きました:アメリカに資産を持つ日本人にとってトラストが重要な理由

弁護士に聞きました:アメリカに資産を持つ日本人にとってトラストが重要な理由

更新日 2018.10.02

Q:アメリカに資産を持つ日本人にとってトラストが重要な理由
A:あなたの家族と資産を守る手段です

ハワイに資産を所有している日本人(非居住者)が、死亡または意思疎通が不能な状態に陥った場合、その資産は裁判所の管理のもと資産分配を行うプロベート(検認裁判)のプロセスに置かれます。

プロベートには1〜2年から、例えば資産をハワイ州以外にも所有しているなど、複雑な場合は10年近く要するケースもあります。その間、銀行口座は凍結されてしまうので、家賃収入の入金先の変更や、諸費用、税金、ローン等の支払いを財産相続者が自身の資産から責任をもって支払わなくてはなりません。

また、非居住者の場合、米国の遺産税の控除対象額は6 万ドルまでのところで、それ以上の額には遺産税が課せられます。

しかし、 ハワイの資産をリビングトラスト(生前信託)にしておけば、プロベートを回避し、遺産税の煩 わしい責任もある程度回避することも可能です。中でもリビングトラストは死亡後、遺族に速やかに、また確実に遺産を分配する為には欠かせない文書です。トラスト用の質問書は日本語でも記入できるためメールなどを介して作成することもできます。

トラスト作成料は、$2500から。プロベートの弁護士費用や遺産税の支払額に比べれば決して高くはありません。不動産や銀行口座をお持ちの方には、資産と家族を守る手段として重要です。


【ご回答いただいた弁護士】

ドナルド・日谷弁護士 ハワイ

ドナルド・日谷弁護士
ゴンザガ大学法科大学院卒業・ハワイ、ワシントンDC弁 護士協会会員および米国移民法弁護士協会会員。地元ラジオで法律相談担当。バイリンガルで日米文化に精通したアドバイスが好評。東京都立川市出身。

日谷法律事務所
住所:220 S. King St. Suite 1680
電話:808-526-1122
FAX : 808-526-2882
Eメール : lawoffice@hidani.com

※この記事は「ハワイに住む」マガジンVol.28(2017/1/15発行)の記事を元に作成しています。

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