Q:女性特有の病気について教えてください
A:1年に一度の乳がん検診をお薦めします
全国で統一した検診システムがない日本では、検診が市町村など各自治体に任せられていたり、会社の福利厚生の一環として行われたりすることが多いようです。女性の場合、定期的に地域の市役所から乳がん・子宮がん検診に関する通知が送られてきた場合も多いでしょう。
一方、米国ではがん等の病気を早期発見するための検診も個人の自覚と判断に任されています。以前はリスクが低い場合でも40歳以上の女性に乳がん検診のマンモグラムを薦めていましたが、最近は基準が変わり50歳から74歳の方に対し2年ごとのマンモグラムを推奨しています。また米国では医療の標準化が進んでおり、どの医療機関でどの医師にかかっても診療法はほぼ同じです。
乳がん発見率において米国には触診とマンモグラムを組み合わせた検診がマンモグラム単独の検診に比べ勝っている証拠がありません。しかし米国人と日本人女性の乳房は異なり、日本における乳がん検診の経験から明らかなしこりは触診で容易に判別できることも多いため、当院では1年に1回は医師による触診をお薦めする考えです。
米国では乳がんのマンモグラムなど、ガイドラインに沿った検診は医師が検査目的を明記すれば全ての保険でカバーされます。保険を賢く利用して病気の早期発見にも役立ててください。
【ご回答いただいた医師】
長野県出身。米国家庭医学専門医。香川医科大学卒。信州大学外科学第2教室助教、がん研究の名門ジョンホプキンス大学医学部がんセンター研究員などを経て開業。ハワイ大学医学部臨床講師。
オハナ・クリニック
アイナハイナ本院:850 W. Hind Dr. 2
ワイキキ分院:438 Hobron Ln. #311
電話:1808-377-3193
※この記事は「ハワイに住む」マガジンVol.32(2018/1/15発行)の記事を元に作成しています。