ハワイはサーフィンをはじめるのにぴったりな場所。でも、初心者がガンガンいっていいわけじゃない。
サーファーが常に知っておいた方がいいこと、覚えていてほしいことを、プロサーファーの田嶋鉄兵さんがお話しします。
千葉県出身。1984年8月30日生まれ。プロサーファー 2007・2008・2009WSL日本チャンピオン、2008JPSAグランドチャンピオン。ハワイ在住3児の父。奥様はモデルのMIEさん。現役プロサーファーがオアフ島のサーフスポットをガイドする画期的なサーフセッション「田嶋鉄兵と行くオアフ島サーフツアーTEPPEI TAJIMA SURF EXPERIENCE」主宰。
海に入る前にするべき確認事項とは
まずは海を観察しましょう
今日は僕のお気に入りのサーフスポット、ダイヤモンドヘッドに来ました。さて、まわりのサーファーはどんな動きをしていますか? 海に来る→すぐには入らない→波を観察→ストレッチ→ゆっくり入っていく…。
サーフィンのレベルに関係なく必要なのが海の観察です。初めてのポイントでも何度も来ているホームポイントでも、いきなり入るのではなく、海を観察してみましょう。海の中は目に見えませんから底がリーフになっていないか、なども知る必要があります。毎年、海で発生する不幸な事故のなかで、サーファー、遊泳者に限らず多いものの一つはカレント(離岸流)が原因です。
カレント(離岸流)を見つける
カレント(離岸流)とは、岸に到着した波が、沖に戻っていく潮の流れのことです。ビーチから沖に向かって流れる危険な流れ。波のサイズが大きくなればなる程、動く水の量は多くなり、うねりや風向きも影響してカレントは強くなるのです。
ハワイは日本に比べると海にテトラポットや防波堤などの障害物が沖に少ないため、日本ほどカレントが強くはありませんが、事前にどこでカレントが発生してそうかを確認することが重要です。左右で波が割れている中で、波が割れていない場所があります。ここがカレント。沖に出るときはここから出るサーファーが多いでしょう。
とても分かり易い写真です。このような分かり易いカレントが必ずしも発生するわけではないため、注意深く海の状態をチェックしましょう。
先に別のサーファーが入っていたらサーファーの動きや流れをよく観察する。波が小さくても危険です。気付かずに沖に流され、気づいた時にはかなり岸から離れていたりします。海の中ではまわりの景色を定期的にチェックする必要があります。
ワイキキは初心にとっては危ない場所
ハワイといえばワイキキですが、じつはワイキキは初心者にとっては危ない場所でもあります。サーファーが多く、レベルも初心者が多くいます。
スクールに入ればインストラクターが付いてくれますから危険は回避できますが、個人では事故も受けやすい。
であれば、ダイヤモンドヘッドまで足を伸ばし、人の少ないインサイドで練習する、というのもひとつの方法でしょう。
もちろん、初心者は一人でいきなり海に入ることは無謀ですので、経験者と一緒に行くか、スクールに入ってくださいね。
※この記事は「ハワイに住む」マガジンVol.27(2016/10/17発行)の記事を元に作成しています。