ハワイ渡航に必要なビザやESTA(エスタ)申請、バイデン新大統領による移民規制一部解除による影響は? 

更新日 2021.04.15

パンデミック後のアメリカ・ハワイ渡航へのビザ申請やESTA申請の状況は?

2020年のはじめから世界を襲った新型コロナウィルス(COVID-19)によるパンデミック。

2021年3月現在もアメリカと日本の間では、相互に「レベル3:渡航中止勧告」が出ている状態ではある。しかし、ハワイ州と日本の間では2020年11月から「事前検査プログラム」(渡航前にハワイ州が指定した日本国内の検査期間で陰性証明を持参すれば10日間の自己隔離が免除され、そのままハワイ旅行を楽しめる)が導入されるするなど、いち早い行き来が回復しつつある。

目まぐるしく変わる渡航ルールだが、パンデミックに関係なく、アメリカ旅行に欠かせないのが事前のビザの取得、またはESTA(ビザ免除プログラム)の取得だ。

90日以内のアメリカ滞在であればESTA(ビザ免除プログラム)、それより長くなれば目的に応じたビザが必要になる。

パンデミック後、2020年3月よりアメリカ大使館や領事館では、非移民ビザの面接を一時的に停止していたが、7月16日より大阪・福岡・沖縄・札幌・東京の各米国総領事館では一部のビザ申請に関する業務を再開し、2021年2月では東京のアメリカ大使館はすでに通常業務に戻っているとアナウンスしている。

またアメリカに90日以内の観光や短期の商用滞在する場合に必要なのがESTA(ビザ免除プログラム)。オンラインでESTAの申請(申請代行サービス会社)を利用することで通常のビザとは異なり米国大使館や領事館に出向くことなく、パソコンや携帯から手続きを行うことができる。これにより、旅行者は旅行許可証の手続きにかかる時間を節約することができる。
 

気になるのがバイデン新大統領の移民規制がどうなるのか?という点だ。強行な不法移民排除をすすめたトランプ政権の後をうけたバイデン大統領だが、その移民規制は、今後のビザ取得やESTA申請にどのような影響があるのだろうか? 
 

バイデン大統領、移民規制を一部緩和へ

バイデン新大統領は、前大統領のトランプ氏が課した移民規制を一部解除する大統領令に2021年1月20日に署名した。

2017年に政権を握ったトランプ氏が数回の改定を経て制定したイスラム教徒に対する移民規制は、エリトリア、イラン、キルギス、リビア、ビルマ、ナイジェリア、ソマリア、 スーダン、シリア、タンザニア、イエメンの国民の米国への移住や渡航を禁止した。またベネズエラと北朝鮮に対する制限も含まれていた。
 

ESTAとビザ申請への影響は?

規制が強化されたのは上記の国の国民だけではない。これらの一部の国へ渡航した国民も米国への入国に制限がかけられた。
また、2011年以降にイラン、イラク、シリア、スーダン、リビア、ソマリア、イエメン、北朝鮮の8か国いずれかに渡航履歴がある人はESTAの取得ができなくなった。

この規制が課されたことで、以前に取得した有効なESTAを持っていたのにも関わらず米国への入国ができなかった事例もあるという。


バイデン大統領がサインした2021年1月の大統領令では、国務省に対し、これらの国に対する入国禁止や渡航制限措置の緩和を含む移民規制の緩和をすすめるよう命令した。


公共政策機関のブレナン司法センターが国務省のデータを分析した結果によると、2017年以降、42,000人以上の人がこの渡航制限のために米国に入国できなくなった。
ESTAの申請ができなくなった対象者は、代わりにビザの申請をしなければいけなくなったが、ESTA同様にビザの発給要件も厳しくなった。

ジョージタウン大学の研究プロジェクトによると、2015年10月1日から2019年9月30日の間に、イラン人に発給されたビザは79%、ソマリア人には74%、イエメン人には66%減少したという。

極端にビザの発行を国ごとに規制する方法は、難民の受け入れ拒否などにも繋がり非人道的という批判を受けてのバイデン大統領の方針転換と言える。

多くの日本人の方は、ESTAの申請は問題なく発行されると思われるが、もしも上記に当てはまる国に行ったことが有る方は、ご注意いただきたい。

バイデン大統領の緩和策の影響は

このように、バイデン大統領は、大きな流れとしては移民に課した強い規制を緩和する方向へ向かっている。

現時点でビザやESTAの申請に関してどのように規制緩和があるのかはまだ明らかになっていないが、トランプ前大統領の大統領令が撤回されたことでビザ申請要件や、ESTAの申請要件の緩和も期待されている。

今後、ビザやESTAを申請される方は、アメリカ政府の動きに注目である。「ハワイに住む」でも続報を入れていきたい。
 


 

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