弁護士に聞きました:事業買収に不可欠なデューデリジェンスって?

弁護士に聞きました:事業買収に不可欠なデューデリジェンスって?

更新日 2018.10.09

Q:ハワイでの事業買収に不可欠なデューデリジェンスって?
A:契約後に泣きを見ないための転ばぬ先の杖です

デューデリジェンス(以下デューデリ)は、事業や不動産の買収を行う際、買主側が契約を結んでから売買が成立するまでの間に行うべきリスク回避の監査です。

売買の形態は大きく分けて二つ。株ごと会社を引き継ぐものと営業権だけを引き継ぐものに分かれます。

株ごと引き継ぐ場合、会社の負債、滞納した税金、訴訟から生じる損害賠償義務などの調査も必要ですので、営業権買収と比べて監査範囲が広くなります。それらのリスク調査がデューデリです。通常、監査期間中に問題が発覚すれば、買主の意向で一方的に契約を解約する権利が与えられます。

事業売却の場合、売主は書類や情報の開示義務がありますが、その書類を指定し、内容を分析するのは買主側の義務。細かく内容を見ずにサインし、契約後に問題が発覚しても売主に責任を問うのは非常に困難です。会計士を雇い、確定申告や財務諸表を過去6年くらいまで遡り業績を調べる。建築家を雇って違法建築がないか調査する。会社法弁護士を雇い、地主とのリース契約内容を把握するなどは当たり前。

日本から来た方がデューデリを怠って失敗する事例も少なくありません。信頼できる弁護士さんに色んな分野の専門家を紹介してもらうようお勧めします。

 

【ご回答いただいた弁護士】

ハワイ アンドリュー大助スチュワート弁護士

アンドリュー 大助 スチュワート 弁護士
昭和法律事務所

横浜市出身。ペンシルバニア大学政治学部卒業。 1998年〜1999年米国国会議員秘書。ハワイ大学ウィリアムS.リチャードソン法学部卒業。ハワイ州第一巡回裁判所などを経て2011年昭和法律事務所開設。


※この記事は「ハワイに住む」マガジンVol.34(2018/7/15発行)の記事を元に作成しています。
※本文は情報提供を目的とするに過ぎず、特定の事実や状況に関する法的意見ではありません。個々の状況においては専門家にご相談ください。

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