アメリカ・ハワイ不動産 エリア特性と目的で見極める投資戦略  武田麻美さん(コンパス不動産)にインタビュー

更新日 2022.08.02

武田さん:

海外資産・海外不動産への投資を考えた場合、ポートフォリオとしてアメリカ本土やハワイの不動産を検討されている方は多いのではないでしょうか?

私は、オアフ島のみならず、ハワイ島やマウイ島などのネイバーアイランド、またアメリカ本土で活躍する不動産エージェントの皆さんと勉強会を開き、常に情報交換を行っています。

今日は、変わらぬ人気のオアフ島だけでなく、ネイバーアイランドへの投資は?またアメリカ本土への投資は?という観点で最新情報をお話したいと思います。

 

アメリカ全体の不動産の活況の背景

この数年、ハワイを含むアメリカ全体で、2020年・2021年を通して不動産価格は約20%上昇しました。

アメリカ不動産の中間価格 過去チャート
一番右のグレイの縦ラインが2020年


これは不動産ローンの低金利を背景に、投資意欲・購入意欲の旺盛な不動産バイヤーを惹きつけ、アメリカ国内の需要が強まったためです。コロナ前の海外からのバイヤーは全体の約3~4%でしたが、コロナの影響により1%にまで低下しました。しかし、海外バイヤーがコロナで減少した影響は軽微で、それ以上にアメリカ国内の不動産購入はブームの様相を呈しました。 
 

ハワイもですが、カリフォルニア、テキサス、コロラドなど全米平均よりも上昇率が高かったエリアがありました。こういった地区を分析すると下記の4つの特徴のどれかが当てはまります。

  • 人口が増加しているエリア
  • 企業が増加しているエリア
  • 居住を目的とした購入が中心のエリア
  • そもそもの不動産不足が背景であるエリア

世界的な大企業のアメリカ本社が集まっていたり、また企業は本社を移転させてくるようなエリアは当然そこで働く社員やその家族などの人口が増えます。さらに成長企業で働く住民の比率が高いため、エリア全体での平均収入も高くなります。

そういった経済背景を基に、自分たちの住居として不動産を購入したいニーズと、賃貸物件へ投資をしたいニーズの両方が高まって、不動産価格が上がっていく構造となっているわけです。

 

オアフ島、そしてネイバーアイランドの不動産事情は? 

ハワイ不動産は、住みたい人が多いという実需の強さ、そして、そもそも供給が足りてない場所であるということが大きかったと思います。 この2つの条件は今後も変わりませんので、ハワイ不動産は多少の値動きはあっても、全体で見れば今後も値上がりしていくと見ていいと思います。
 

オアフ島の人気は不動のものですが、ハワイ島やマウイ島にも魅力的な物件がありますので、スコープを広げて探してみるのも良いかもしれません。数十年前にハワイ島、マウイ島で不動産を購入した方がご年配になり、そろそろ物件を手放そうかという世代交代的な動きも出てきています。

マウイ島
マウイ島のザ・リッツ・カールトン・レジデンス カパルア

ハワイ島はオアフ島に次いで物件売買が盛んな島で、オアフとはまた違うダイナミックな自然に囲まれ根強いファンがリピートする島です。 ビーチフロントの邸宅でも$2.5ミリオンで買える物件もありますので、オアフ島に比べればかなりリーズナブルと言えるでしょう。

 

ヒロは昔からの住民の方が多く買いやすい価格の物件が残っています。 一方コナは観光地として開発されているため、物件購入価格はヒロよりは上がりますがバケーションレンタルとして貸しやすい物件が見つかります。

またオアフにはないレベルの超高級プライベートリゾート物件があるのもネイバーアイランドならではの魅力。ハワイ島のフアラライ、クキオ、マウイ島カアナパリ、カパルアなどゴルフ場やレストランなどを敷地内に抱え、リゾートホテルの敷地内に建っているような豪邸は、オアフにはないレベルのラグジュアリーさです。

ハワイ島 フアラライ


私はアメリカ本土、 またオアフ島以外のハワイのネイバーアイランドの 不動産エージェントのみなさんとも毎月、最新不動産マーケット情報を共有し、最新動きをキャッチアップしています。

オアフ島の物件だけでなく、いろいろなエリアの不動産を比較検討してみたいという方は、ぜひお問い合わせください。 

 

今後のアメリカ不動産、ハワイの不動産投資についてどう考える?

「アメリカ本土も、ハワイ州も値上がりしてもう遅いのでは?」と思われる方もおられると思いますが、私はそうは思いません。

不動産マーケットはいま人気の集中している場所からその周辺へと、徐々にエリアを広げていきます。アメリカ本土で行けばテキサスのダラスやヒューストンは確かに上がっていますが、その周辺の郊外エリアにはまだ手頃な物件が見つかります。たとえば、オハイオ州のダブリンは今後HONDAの移転計画やジャパンタウンの建設計画があり、まだ手ごろですが楽しみなエリアです。将来的な開発プランも値上がりの重要なポイントとなりますので要チェックです。
 


その一方で、たとえばテキサス州のヒューストンでは大きな川があり、少し位置がずれるだけで洪水・氾濫の危険度が大きく変わります。ハザードマップを見るだけでなく、実際に現地に在住しているプロからのリアルな情報をキャッチすることが大事です。

アメリカの長期不動産ローン金利が2022年より急上昇していることもあり、これからは景気後退の局面を示唆するデータも出ていますので、アメリカ不動産投資を考えている方はここからタイムリーに動けるよう準備しておくことをお勧めします。

 

アメリカ不動産・ハワイ不動産には購入目的と資金計画を明確に

このように 全体としては上昇を見せてきたアメリカ不動産・ハワイ不動産ですが、ご購入を考えておられる方に私がお伝えしているのは「不動産を購入する目的をしっかり決めましょう」ということです。

(1)自分用の別荘として使用する物件なのか、(2)半投資、つまり自己利用もしながら投資としての運用も狙いたいのか、(3)完全な投資物件なのか。この三つのうちのどの目的で不動産を探されるのかで、探す場所、求めるべき利回りも変わってきます。

(1)の個人の別荘として利用される場合には予算の許す限り、お好みの場所を探すお手伝いをいたします。

(2)の半投資のスタイルで、自分でも楽しんで使いたいが使わないときは貸し出したい方は、ご自身の好みとともに バケーションレンタルとして貸しやすく、ニーズの高い場所であることも重要です。


(3)の完全投資の場合には、自分の好みは関係なく借り手の見つかりやすさ、エリアの人口動態に注目です。 

また、富裕層の方の中には不動産の利回りよりも、 長期的に見てご自身の日本の円資産をアメリカドル資産として移すことを目的に投資する方もおられます。

ご自身の不動産購入の目的や時間軸をベースに、もっともマッチした物件探しをお手伝いします。

そして、どういった目的であっても、まだまだ動きの早いマーケットですので、キャッシュで買うのか、ローンを組むのかなど資金計画は物件探しの前にしっかり立てておくことが、競り負けないために大事になってきます。

アメリカドル資産、価格の落ちない不動産という安定資産への投資をお考えの方は、いつでもご相談ください。 

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