ホノルルリアルター協会が発表したハワイ不動産マーケットの統計を元に2024年4月のハワイ不動産マーケットについてにレポートする。昨年同月比では戸建ての売買件数が26%増加、コンドミニアムも2.6%増加した。
しかし、昨年に比べれば勢いは増しているものの、パンデミック前の2019年4月の移動平均と比較すると、今月の販売平均は戸建て住宅で約26%減少、コンドミニアムで約18%減少という記録となっている。
ホノルルリアルター協会による 2024年4月のマーケットレポートサマリー
- 戸建住宅の中間価格は前年同月比10%増で$1,100,000
- 戸建住宅の販売数は262件、前年同月比で26%増
- 売出期間は先月よりも14日短くなり、17日間
- コンドミニアムの中間価格は前年同月比で5.6%増の$528,000
- コンドミニアムの販売数は431件、前年同月比で2.6%増
- 売出期間は先月と同じ、29日間
ここからそれぞれの主要な指標についてお伝えする。
中間価格・販売件数
(チャートは緑のラインが戸建て、黄色のラインがコンド。以下のチャートはすべて同じ)
戸建て住宅の中間価格は$1,100,000となり、前年同月比では10%の増加を示した。コンドミニアムの中央値価格は前年同月比で$528,000となり、2023年4月の$500,000から5.6%増加し、いずれも上昇を見せた。
また、次項で説明するが、戸建て住宅の売り出し期間が、14日も短縮し、なおかつ売買が成立した戸建て住宅のうち3件に1件、つまり33%が売り出し時のリスティング価格を上回る価格で成立した。同データは2023年4月に25%だったため、戸建てに関しては競争が激化していることを示している。
逆に、コンドミニアムは2024年4月に売り出し時のリスティング価格を上回る価格で成立したコンドミニアムの販売は15%にとどまり、2023年4月の同22%から減少している。
価格帯別の販売件数
2023年4月と比較すると、$1,100,000以上の一戸建て住宅の販売件数は132件で、2023年4月の88件から50%以上増加した。顕著に件数を伸ばしたのは150万ドル200万ドル未満の価格帯で39件(昨年同月62.5%増)、そして300万ドル以上の価格帯10件(昨年の倍)となった。
冒頭で、コンドミニアムの中間価格が昨年同月比で5.6%増加したとお伝えしたが、この上昇は$300,000から$399,999の範囲内で販売されたコンドミニアムの35.1%減少と、$600,000以上の価格帯でのコンドミニアムの販売が23.1%増加したことの両方が作用している。とくに活発だったのが100万ドル~150万ドルの価格帯で30件の売買が成立し、昨年同月比で36.4%増となった。
戸建ての競争激化により、高額コンドミニアムへ切り替えて購入する人が増加する傾向があるようだ。
売出し期間
戸建て住宅市場では、買い手と売り手が迅速に動き、市場での売り出し期間は2023年4月の24日から17日に減少。一方、コンドミニアムの販売には時間がかかり、中央値で市場に出ている日数が昨年の4月の20日から29日に増加した。
市場在庫・新規売出し物件数
戸建て人気の高まりをうけて、コンドミニアムの在庫の積み上がりが顕著となっている。昨年12月から一貫して右肩上がりの数字を占めている。前年比では、戸建て住宅の在庫が15.5%増加し、コンドミニアムの在庫が37.8%急増した。特に$300,000から$499,999の価格帯のコンドミニアムの在庫は前年比で98.0%も急増し、4月末には497ユニットにまで積み上がっている。
新規売り出し物件のリスティング件数は、戸建て住宅で349件、コンドミニアムが656件と、それぞれ昨年同月比で19.5%と23.3%の増加を見せた。しかし、2019年と比較すると12か月移動平均を下回り、一戸建て住宅で36%、コンドミニアムで20%の減少となっている。
全体を見ると、戸建てとコンドミニアムの高額価格帯物件を購入できる層は入札していい物件を買う動き、そして低価格のコンドミニアムはローンバイヤーの買い控えが顕著となり停滞感が強いイメージの2024年4月となった。