ホノルルリアルター協会が発表したハワイ不動産マーケットの統計を元に2024年7月のハワイ不動産マーケットについてにレポートする。
2024年7月、オアフ島の中古の戸建て住宅販売件数は前年同月比で20.1%と大きく増加し、269件の取引となった。それに対してコンドミニアムの販売は前年より7.8%減少して389件の販売にとどまった。先月の前年比(24.5%減少)より下げ幅は減少した。
その一方で、中間価格は前年と比較して戸建てで4.6%増加の1,140,000ドル、コンドミニアムで1.8%増加の509,000ドルとともに上昇を見せた。
ホノルルリアルター協会による 2024年7月のマーケットレポートサマリー
- 戸建住宅の中間価格は前年同月比4.6%増で$1,140,000
- 戸建住宅の販売数は269件、前年同月比で20.1%増
- 売出期間は先月と同じ、15日間
- コンドミニアムの中間価格は前年同月比1.8%増の$509,000
- コンドミニアムの販売数は389件、前年同月比で7.8%減
- 売出期間は先月より4日延びて、30日間
ここからそれぞれの主要な指標についてお伝えする。
中間価格
(チャートは緑のラインが戸建て、黄色のラインがコンド。以下のチャートはすべて同じ)
2024年の7月の中間価格は戸建てが1,140,000ドル、コンドミニアムは509,000ドルとなり、それぞれ4.6%と1.8%と増加を見せた。戸建ては、2023年上半期にかけて中間価格の変動が970,000〜1,109,000ドルと大きかったが、2024年は年明け以降、堅調な上昇傾向にある。年初来の中間価格は、前年と比較して戸建てで昨年同期間比で4.8%増加し1,100,000ドル、コンドミニアムで2.0%増加し510,000ドルとなっている。価格帯別の販売件数
次に価格帯別の販売件数を見ていく。戸建ての価格帯で最多販売価格は100万ドルから150万ドル未満のゾーンが97件と、昨年同月の71件から36.6%増と大きな伸びを示した。また300万ドル以上が前年同月比で5件から14件と3倍近く増加した。1月から7月の2024年を通じて、100万ドル以上の戸建て住宅の販売件数は年初来で957件が販売され、2023年の806件から18.7%上回り、高額不動産の売上が好調となっている。
一方のコンドミニアムは80万ドル未満の価格帯の販売件数が軒並み減少しており、件数全体でも昨年同月比で7.8%減少となった。先月の対前月比24.5%減少よりは回復しているが、引き続きローンバイヤーが対象となる価格帯の動きが鈍い傾向にある。
100万ドル以上の価格帯は5.0%増となっているが、100万〜150万ドル未満、150万〜200万ドル未満の価格帯の販売件数が、いずれも35.0%、66.7%と顕著な伸びを見せている。80万ドル未満が低調なのに対し、戸建てに近い高価格帯ゾーンの売買は活発となっている。
売出し期間
(チャートは緑のラインが戸建て、黄色のラインがコンド。以下のチャートはすべて同じ)
戸建ての中間売出期間は15日間。昨月と同じとなっており、今年4月以降4カ月間、かなり早い売買を記録し続けている。2023年7月は16日だったが、今年は15日と1日短縮した。
一方のコンドミニアムの中間売出期間は30日と、昨月より4日延びたのと同時に、2023年7月に16日だった売出し期間は、2024年7月は30日と、14日も伸びている。
2021年~2022年は、戸建て・コンドミニアムともに揃って売れる状態だったが、2023年以降は、戸建て・コンドミニアムの動きにばらつきが大きくなっている。
市場在庫・新規売出し物件数
市場在庫については、緑の戸建ての在庫も少し積み上がっている動きであるが、コンドミニアムは2023年12月以降、その積み上がり幅が大きく、顕著に積み上がっている。
こちらは新規リスティング。 新規の戸建て住宅のリスティング数は363件、コンドミニアムの新規リスティング数は676件と、それぞれ前年同月比で32.0%と29.7%と大幅増加を記録。年初来では、戸建て住宅の新規リスティングが前年同期間比で13.4%増加し、コンドミニアムは18.6%増加している。戸建てが比較的堅調に売買成立で売れていくのに対し、コンドミニアムは新規売出の増加と売買件数の減少でバランスが取れておらず、在庫積み上がりの原因となっている。
過去の不動産マーケットレポートについてはこちら