ホノルルリアルター協会が発表したハワイ不動産マーケットの統計を元に2024年6月のハワイ不動産マーケットについてにレポートする。
2024年6月、オアフ島の中古の戸建て住宅販売件数は前年比で4%増加し、258件の取引となった。しかしコンドミニアムの販売は今年最大の前年比減少を記録し、前年より24.5%減少して355件の販売にとどまった。
その一方で、中間価格は前年と比較して戸建てで6.7%増加の1,120,000ドル、コンドミニアムで3.9%増加の530,000ドルとともに上昇を見せた。
ホノルルリアルター協会による 2024年6月のマーケットレポートサマリー
- 戸建住宅の中間価格は前年同月比6.7%増で$1,120,000
- 戸建住宅の販売数は258件、前年同月比で4.0%増
- 売出期間は先月よりも1日延びて、15日間
- コンドミニアムの中間価格は前年同月比3.9%増の$530,000
- コンドミニアムの販売数は355件、前年同月比で24.5%減
- 売出期間は先月より1日延びて、26日間
ここからそれぞれの主要な指標についてお伝えする。
中間価格
(チャートは緑のラインが戸建て、黄色のラインがコンド。以下のチャートはすべて同じ)
2024年の6月の中間価格は戸建てが1,120,000ドル、コンドミニアムは530,000ドルとなり、それぞれ6.7%と3.9%の増加を見せた。特に上がり幅の大きかった戸建ては、2023年12月の中間価格996,500ドルと、一時100万ドルを下回ったが、年明け以降は安定的な上がり基調で夏を迎えた。 年初来の中間価格は、前年と比較して戸建てで昨年同期間比で3.3%増加し1,085,000ドル、コンドミニアムで2.0%増加し510,000ドルとなっている。価格帯別の販売件数
次に価格帯別の販売件数を見ていく。戸建ての価格帯で最多販売価格は100万ドルから150万ドル未満のゾーンが106件と、昨年同月の71件から49%増と大きな伸びを示した。また1月から6月の2024年上半期を通じて、100万ドル以上の戸建て住宅の販売件数は年初来で794件が販売され、2023年上半期の685件から15.9%上回った。
一方のコンドミニアムは80万ドル未満の価格帯の販売件数が、いずれも30-40%の下落を見せた。件数全体でも昨年同月24.5%ダウンと大きく減少したが、その中でも主要価格帯である50万ドル台が37%ダウン、60万ドル台が47%といずれも大きな引き下げ要因となった、高金利の影響でローンバイヤーが対象となる価格帯の動きが鈍い。
100万ドル以上の価格帯は15.4%増となっている。この価格帯表では分からないが、その分水嶺は80万ドルのライン。80万以上でラインを引いた価格帯の販売は昨年の67件から80件と19.4%増加しており、戸建てに近い高価格帯ゾーンの売買は活発となっている。
売出し期間
(チャートは緑のラインが戸建て、黄色のラインがコンド。以下のチャートはすべて同じ)
戸建ての中間売出期間は15日間。昨月よりは1日延びたが、それでも今年4月以降3カ月間、かなり早い売買を記録。2023年6月は17日だったが、今年は15日と2日短縮した。
一方のコンドミニアムの中間売出期間は26日と、こちらも昨月よりは1日延びたのと同時に、2023年6月に18日だった売出し期間は、2024年6月は26日と、8日も伸びている。
2021年~2022年は、戸建て・コンドミニアムともに揃って売れる状態だったが、2023年以降は、戸建て・コンドミニアムの動きにばらつきが大きくなっている。
市場在庫・新規売出し物件数
市場在庫については、緑の戸建ての在庫がほぼ横ばいなのに対して、コンドミニアムは2023年12月以降、右肩あがりに積みあがっている。
こちらは新規リスティング。 新規の戸建て住宅のリスティング数は334件、コンドミニアムの新規リスティング数は622件と、それぞれ前年同月比で3.1%と16.3%の増加を記録。年初来では、戸建て住宅の新規リスティングが前年同期間比で10.5%増加し、コンドミニアムは16.8%増加している。戸建てが売買成立で売れていくのに対し、コンドミニアムは新規売出の増加と売買件数が減少でバランスが取れておらず、在庫積み上がりの原因となっている。
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