日本からアメリカ進出を考える方が事前に押さえておくべき3つのポイントを解説 (山田&パートナーズ社)

更新日 2025.01.13

アメリカで起業したい、アメリカに進出したいと考える方や法人の方へ。時間や資金的なロスなく、目的に適ったアメリカ進出を実現するには、何から取り組むべきだろうか。

計画段階から押さえておきたい3つのポイントについて、アメリカ各州での法人設立や財務会計サービスを提供している山田&パートナーズ社の遠藤先生にお話を伺った。

山田&パートナーズロサンゼルス事務所の遠藤元基 先生

会社設立後にビザ取得は必要?不要? 
それによって準備プロセスが変わる

遠藤先生: 

山田&パートナーズ社では、日本からアメリカに進出を考える方や法人からの相談に数多く乗ってきました。アメリカ進出の背景は様々ですが、すでに日本で事業を行い成功している企業が事業拡大としてアメリカマーケットに進出をするケースや、アメリカに移住や長期滞在することを目的に企業を設立するケースを多く手掛けています。

アメリカ法人の設立の際に気をつけていただきたいことの1つ目が、「アメリカのビザ取得が必要かどうかにより、法人設立のプロセスが変わる」ということです。会社を設立する段階から、ビザ申請までの流れを踏まえて、準備することをおすすめします。

アメリカでの事業マネジメントのために投資家ビザ(Eビザ)を取得したい、というケースで考えてみましょう。

Eビザの取得には、資本構成要件、投資額要件、現地雇用要件があります。投資額と現地雇用は、社内検討されていたものと大きく見直しになることが多い要素です。特に駐在員1名で経費を抑えたスモールスタートを計画している場合や現地雇用なしで駐在員のみで初期体制を作ってから拡大する計画の場合は、要注意といえます。

事業計画には、現地給与や経費の相場感をもとに現実的な数値をもとにプランニングしていくことが成功の秘訣です。そのためにも、検討の早い段階から検証をスタートさせることをお勧めしています。設立前の検証段階でこれらを済ませ、設立事務と並行してビザ対応に長けた米国弁護士(通称、移民弁護士)との連携で手続きを行っていくことなります。

実際には、このプロセスは設立後でも問題ないのですが、まず設立したもののビザ取得の壁にあたり当初社内で検討していた事業計画が抜本的に見直しになるというのはできれば避けたいものです。大規模な事業スタートであれば、結果的に満たしていることもありますが、一般的には設立前にこのビザ取得のための事業計画検証を行います。

 

山田&パートナーズではアメリカでの会社設立サポートを、設立の検討段階からプロフェッショナルチームを編成しワンストップで提供しています。税務や会計面及び全体のプロジェクトマネジメントを弊社にて対応するとともに、必要に応じてマーケットやビジネスのリサーチはコンサルティング会社、会社設立業務はビジネス系弁護士、ビザ関連は移民弁護士などで編成し対応にあたることで、日本からアメリカへの進出を多角的にサポートします。ぜひ私たちプロフェッショナルチームの活用をご検討下さい。 


 

どこの州で設立するか?
日本にはない”州”の存在が大きい!

遠藤先生: 

「どこの州で法人登記するか?」これは日本の方にはなかなかピンとこないポイントです。この「州」の位置づけが、米国と日本の大きな違いです。

まず、法人設立登記や定款等の作成は設立州の対応が可能な米国弁護士への依頼が必要です。ただし、米国では、会社法は州法、米国弁護士資格も州のライセンスのため、予め進出する州を定めておきその州の対応が可能かの確認が必要です。

州の選定に際しては、その設置州での収益の見込みだけでなく、取引先の連携等の事業にとってのベストな立地か、アジアや日本からの物流コスト、駐在員との連携における時差なども検討項目に上がります。工場の場合は、特に大規模な進出の場合は州が誘致制度を設けている場合があり、それらの調査も重要です。

税の観点では、州税が多様なため、設立時に把握しておくべき重要な項目です。
例えば、州法人税がない州又は税率が低すぎる州を選定してしまうと、日本の外国子会社合算税制の影響を受け州税率の低さの恩恵を受けることができなくなってしまう場合があります。また、本店所在地の州以外での活動を予定される場合に、本店や支店を設置していなくても一定の要件を満たすと、申告が必要になるエコノミックネクサス制度のある州もあり要注意です。他にも、日本の消費税に相当する売上税は州税ですが、これも多様です。越境で収益を上げる場合は州ごとの事業登録や申告が必要になる場合があります。そのため、会社設立州と事業活動を行う州の州税リサーチは重要です。

この日本にはない「州」を踏まえて、会社を作ってしまう前の段階からぜひご相談ください。

一般的な事業会社とは違う目的の場合!

遠藤先生: 

ちなみに、ペーパーカンパニーの設立相談も多いです。

ビザは必要ないことが前提ですが、レンタルオフィスやバーチャルオフィスを用いて設置するケースです。不動産投資、卸・EC事業、リモートワーク勤務の企業に向いています。現地企業と円滑な取引をすることが目的で、法人銀行口座を設置し、日本からリモートで業務を行います。オンラインミーティングなどリモートワークがしやすくなった近年では、現地法人も都市中心部で大規模なオフィス設置は敬遠するケースが出てきており、今後も増加傾向にあると思います。現地に経理はおかず、記帳は日本法人の経理部門でおこなうケースも増えてきています。

他には、米国移住のための法人設立の相談もあります。
米国移住となると、米国永住権(グリーンカード)が最初に浮かびますが、永住権は、放棄するまでどこに居住しようとも米国申告が必要になってしまうことや、長く米国外に居住する場合はリエントリーパーミット手続きが必要、一定の要件を満たすと出国税が課されてリスクがあることなど実は課題多くあります。これらを避けるため、これらの適用を受けない法人設立によるビザで移住したいという相談も多くあります。移住の観点が主の場合は、財産管理や日本相続税や米国遺産税、米国相続法務のプロベート対策など他の論点が多くありますので、個別にぜひ相談ください。

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山田&パートナーズ社は日米をまたぐ税務コンサルティングを得意としており、米国には、ホノルル・ロサンゼルス、日本には20拠点を構えている。

日本の税理士資格を持つ遠藤先生のようなプロフェッショナルが米国に駐在し、日本国内拠点とともに、日米双方の税務サービスを同時に提供している。米国進出や米国移住を考える方は、税務会計のみならず弁護士などとの連携も可能な山田&パートナーズ社までご相談を。

 

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