ホノルルリアルター協会が発表した統計を元に2024年12月のハワイ不動産マーケットについてにレポートする。
2024年12月、オアフ島の中古の戸建て住宅販売は 中間価格については、前年同月と比較して戸建てが1,054,000ドルとなり昨年同月比で5.8%増、コンドミニアムは540,000ドルで同5.9%増加し、過去最高の中間価格の記録を更新した。
売買件数はさらに伸びて、昨年同月比で戸建てが25.3%、コンドミニアムが18.8%の増加と大きく伸長した。
本来ならば売買の縮小する12月だが好調な数字で年末を締めた形となった。
ホノルルリアルター協会による 2024年12月のマーケットレポートサマリー
- 戸建住宅の中間価格は前年同月比5.8%増の$1,054,000
- 戸建住宅の販売数は228件、前年同月比で25.3%増
- 売出期間は先月よりも4日早くなり、20日間
- コンドミニアムの中間価格は前年同月比で5.9%増の$540,000
- コンドミニアムの販売数は323件、前年同月比で18.3%増
- 売出期間は先月より4日遅くなり、36日間
ここからそれぞれの主要な指標についてお伝えする。
中間価格
(チャートは緑のラインが戸建て、黄色のラインがコンド。以下のチャートはすべて同じ)
戸建て住宅の中間価格は$1,054,000となり、先月の$1,115,000から$6000の微減となった。前年対比では5.8%増。コンドミニアムは$540,000となり、前年同月比で18.3%増と戸建てよりも大きな伸びとなった。
コンドミニアムの中間価格は、2022年6月の$534,000が過去最高となっており、それに上回る水準となり、新記録を更新した。
価格帯別の販売件数
次に価格帯別の販売件数を見ていく。戸建ての価格帯で最多販売件数は100万ドルから150万ドル未満のゾーンが73件と昨年同月比の58件から32%の伸びを示した。
2024年の通年では、100万ドル未満の一戸建て住宅の売買が最も活発で、これらの価格帯が総販売の約40%を占めた。その一方で、100万ドル以上の高価格帯市場では販売が19.2%増加する結果となった。150-199万ドルの高価格ゾーンでは売買件数が32件と昨年の16件の2倍になった。
コンドミニアムは、12月の販売で売買件数が最も多かったのが70万ドルー100万ドル未満の高額コンドミニアムで61件が売買された。60万ドル以上のゾーン価格が全体的に増加率が高く、中間価格の新記録更新につながった。
売出し期間
(チャートは緑のラインが戸建て、黄色のラインがコンド。以下のチャートはすべて同じ)
戸建て住宅市場では、売り出し期間の中央値は先月の24日から20日間へ4日と短縮された。一方、コンドミニアムの売り出し期間は先月の32日から36日に4日伸びた形となった。
市場在庫・新規売出し物件数
年間を通して、コンドミニアムの在庫が積み上がりトレンドが顕著な一年であったが、12月にはコンドミニアムの販売が好調で在庫の積み上がりにストップがかかった。
特に、在庫の中で価格帯として多いのが、戸建てでは100万ドルー150万ドル未満で、昨年の167件から210件へと25%増加している。コンドミニアムでは40万ドル台の物件が315件と昨年の186件から70%増。また100万ドルから150万ドル未満のゾーンでも180件と、昨年の108件から67%増となった。
こちらは新規リスティング。 戸建て市場には202件の新規物件が追加され、コンドミニアム市場は653件の新規物件がリスティングされた。
2024年通年での振り返り
2024年、オアフ島の住宅市場はポジティブな成長と、依然として不動産価格高騰の問題が入り混じる結果となった。
- 総販売件数は前年から1.7%増加し、特に戸建ての取引が9.1%増加し、マーケットを牽引した。コンドミニアム販売は2.5%のわずかな減少を記録した。
- 戸建て住宅の中央値販売価格は4.8%上昇し110万ドル、コンドミニアムは1.3%の小幅な増加で51万5,000ドルとなった。
- 戸建て住宅とコンドミニアムの新規リスティングはそれぞれ13%と18.9%増加し、売り手の強気な価格設定を行う傾向が顕著。
- 市場在庫は前年より増加し、年間での戸建て住宅のリスティングが3756件(前年比13%増)、コンドミニアムのリスティングが7929件(前年比18.9%増)となった
今月はいよいよトランプ大統領が就任が近づく中、カリフォルニア州の火災など、波乱の幕開けを迎えたアメリカの2025年。カリフォルニア州は、ハワイ州にとって不動産業界、観光業界の両面で、ハワイにとって大きなマーケットであり、ハワイの経済動向にも影響が今後でてきそうだ。
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