米国連邦地裁判事は、ホノルル市ブランジャルディ市長が2022年4月26日に署名した法案41号(不動産賃貸の最短期間を現行の30日から90日に延長する)により定められた条例を施行しないよう市に命じる仮処分決定を下した。
「さらなる決定があるまで、オアフ島のどの地区においても30-89日の期間の賃貸貸出やそれに関する広告を禁止する条例の実施を差し止めること。またこの命令に対する緊急控訴が行われても、裁判所はこの判決を保留しない。」という内容となっている。
これは、2022年6月に非営利団体HILSTRA(Hawaii Legal Short-Term Rental Alliance)が連邦裁判所に提出した、同条例の実施差し止め要求に対しての仮処分となる。
HILSTRAは、本条例がそもそも不動産所有者の所有権や賃貸権を阻害し、ハワイ州の定めている不動産の区域法に違反するため違憲であるという点で申し立てを行っていた。
ホノルル市は、既存の短期賃貸物件の所有者が新しい規則を遵守するための2023年4月21日までの猶予期間を設定したが、HILSTRAはこの措置は、所有者や、清掃業者、造園業者、不動産管理業者、予約代行業者など、これらの物件をバケーションレンタルとして提供し生活の糧としている多くの個人や企業にとって十分な救済にならない、と述べていた。
ホノルル市のブランジャルディ市長は「裁判所が横行する違法レンタル行為を抑制策として賃貸期間を最短90日とする重要性を認識していなかったことに失望しているが、我々は裁判所の判決を尊重する。現在、この判決の影響を評価中である。」とした。
同法案は、住宅地にバケーションレンタル客がステイすることによる騒音や違法駐車などの問題から指示する住民もいる一方で、合法に行ってきたバケーションレンタルも規制対象となったため、ホテル業界のみに利するものである、ホノルル市が州や連邦の法律を上書きする越権であるという声も上がっていた。
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