ハワイ州グリーン知事がハワイ州の住宅不足問題解決にむけ6つの法案に署名

ハワイ州グリーン知事がハワイ州の住宅不足問題解決にむけ6つの法案に署名

更新日 2024.05.29

ハワイ州のグリーン知事は5月28日にハワイ州にとって最重要課題である手頃な価格の住宅が不足している問題を解決に向けて6つの法案に署名した。

この6つの法案のうち最も大きな物議を醸し、注目を集めていたのが上院法案3202号。この法案は戸建て住宅の敷地内に、離れの住宅(ADU accessory dwelling unit、ハワイでは通称”オハナユニット”と呼ばれる)の建設をいままでの1戸から、最大2戸まで増築可にする条例を2026年末までに各郡に制定するよう命じるもの。最終的に許可を与えるかどうかの権限は各郡に委ねられている。

同法案の推進派であるブライアン・シャッツ上院議員(民主党、ハワイ州選出)は、火曜日に州議会議事堂のグリーン知事オフィスで行われた法案署名式に出席し、「数十年にわたり州全体の住宅開発を制限してきた一方的な規制の一部を覆すもの」として同法案の法制化を称えた。

グリーン知事はこの法案によって、実際にどのくらいの人が増築に踏み切るかは不明であるものの、「数万の物件がその可能性を秘めている」と述べた。同法案は賛否両論がでており、シニアや低所得者への住宅確保が進めたいグリーン知事を始めとした賛成派の一方、反対派の多くは住宅地の過密への懸念、投資家が不動産を買い漁り、さらなる不動産価格の上昇を招くだけだとする意見が見られた。

最近のハワイ大学経済研究機構によると、住宅価格と金利の高騰により、2023年には中間価格の一戸建て住宅を購入できるハワイの世帯は、全体のわずか20%となり、2022年の30%、2021年の44%から減少している。
 

その他、可決された下記の5つ法案はいずれも斬新的にハワイの住宅不足を解決するためものとなっている。


●上院法案2133号 : 州政府機関であるハワイ住宅金融開発公社が住宅プロジェクトのインフラのために債券を発行することを部分的に許可するもの。

●上院法案2066号 :  中価格帯の住宅建設を促進する HHFDC プログラムに基づき、不動産を開発する開発業者が財務面およびゾーニングによる恩恵を得るための基準を緩和する。

●下院法案1760号 : HHFDC または郡が「債券リサイクル プログラム」を設立して、手頃な価格の賃貸住宅の資金調達を支援し、そのような債券債務が州の債務上限に影響を与えないようにすることを認める。 

●下院法案2090号 : 1月1日以降、商業用途に指定されたエリアでの住宅用途を一定の状況下で許可し、郡に対し、建築基準法で商業ビルの適応再利用を許可することを義務付ける。

●下院法案1925号 : 1978 年の州計画法と住宅その他の長期計画目標を更新するための継続的な取り組みを推進する。  

 

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