ハワイ州、2023年のマウイ島ラハイナの山火事について最終報告書をまとめる

ハワイ州、2023年のマウイ島ラハイナの山火事について最終報告書をまとめる

更新日 2024.01.24

2023年8月8日に発生し、102名が死亡し甚大な被害を生んだハワイ州マウイ島ラハイナの山火事について、州司法長官局の最終報告書が発表された。報告書では、州火災保安官の設置や、山火事から地域を守るために必要な施策が提言されている。

司法長官アン・E・ロペス氏は、この報告書が州および郡の指導者が今すぐ着手できる具体的な勧告を含んでいると述べた。提言の実行には連邦、州、郡の協力が不可欠であるという。また、気候変動の影響で大規模火災の頻度が増加する中、責任ある統治の重要性を強調した。

報告書によれば米国司法省のアルコール・タバコ・火器・爆発物局(ATF)は、マウイ消防安全局と協力し、2023年8月8日の火災は、防火規則に違反している場所で、電柱近くで過剰に成長した植物に倒れた送電線が再通電した際に起きた発火が原因と判断した。

報告書は、山火事対策として以下の重点事項を挙げている。まず、州火災保安官室の設置と予算の増額が必要である。現在の予算17万2000ドルを増額し、持続的に資金を確保する必要がある。また、各郡消防局による地域リスク評価や地域リスク軽減計画の策定、避難ルートの整備、植生管理、極端な天候に備えた標準手続きの構築が求められている。

報告書は、非営利団体であるハワイ山火事管理機構(HWMO)が州全体の山火事防止活動をリードしているものの、州からの資金提供はない点を指摘した。HWMOへの持続的な資金提供が不可欠であると強調している。

さらに、国立気象局からの火災気象情報を活用し、初動対応者や関係機関との情報共有を強化することが提案されている。避難ルートについては、土道の命名、標識の設置、維持管理を行い、緊急時の利用を確保する必要がある。

この火災を受けて、ハワイアン・エレクトリックは3年間で4億5000万ドルを投じた山火事対策計画を発表した。また、FEMA(連邦緊急事態管理庁)は、被災者への支援期間を2026年2月10日まで延長した。今回の調査を通じて示された提言は、ハワイ全土の防災強化に寄与すると期待されている。

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