2020年4月 ハワイの失業保険申請手続き・手当額・条件、また連邦からの新型コロナウィルス対策追加手当情報などまとめ

2020年4月 ハワイの失業保険申請手続き・手当額・条件、また連邦からの新型コロナウィルス対策追加手当情報などまとめ

更新日 2020.04.22

ハワイ州の失業保険法に沿った失業保険申請手続きや条件、保険額、また新型コロナウィルスに対する経済刺激策「Cares法」による連邦政府からの追加失業手当情報を、労務にも強いハワイの小林剛弁護士に詳しく解説いただきました。 ※2020年6月9日時点での情報となります。

目次

 

ハワイ州の失業保険(State Unemployment)について

まずはじめに、ハワイ州の失業保険について詳しくご説明します。

失業保険法プログラムの概要

  • ハワイ州が実施する失業保険。雇用者は、通常、従業員に給与を支払う際に州の失業保険料を併せて支払わなければなりません。

ハワイ州の失業保険受給資格者

  • フルタイム勤務者で解雇、レイオフ、一時解雇された者、または勤務時間の削減による給与額が減額された者。
  • パートタイム勤務で解雇、レイオフ、一時解雇、または全くシフトがない状況下で給与がなくなった者。
  • ベース期間(失業までの過去5四半期のうち、最初の4四半期、または直近の4四半期)中、2四半期中に雇用者が失業保険料を支払っていること。
  • ベース期間中に各週の手当金額(Weekly benefit amount、WBA)の 26 倍が支払われていること。
  • 失業手当をもらっている期間中は、就労が可能でなければなりません。従って、国外に出た場合は、受け取れません。
  • ビジネスのオーナーで、給与をもらっていて、失業保険料を支払っている場合は、手当が出ます。
  • E2ビザ保有者が完全に解雇された場合は厳密には受け取る資格がないとも解釈できますが、個々の事情や州の審査により、受け取れる可能性もありますので、この点は、個々のお客様の事実関係をもとに、弁護士とご相談することをお勧めします。

  • 雇用者より健康保険を付与され続けていても、失業手当の適用、金額には影響ありません。

失業手当算出のベース期間

  • 失業保険のクレームのスタート日が、3月の場合は、2018 年10月から2019年9月までが基本的なベース期間。
  • 失業保険のクレームのスタート日が4月の場合は、2019年1月から12 月までが基本的なベース期間。
     

失業手当がもらえない者

  • 自営業者(independent contractor)や、パートタイム勤務で勤務時間、及び給与が削減された場合には、手当はでません。
  • 正当な理由なき自主退職、不正行為が理由で解雇処分された場合、申請書に虚偽記載をした場合、正当な理由なくシフトを断った場合に は、手当はでません。
  • Emergency Sick Leave 等の他の有給病欠や家族休暇制度のもとで給与をもらっている者。
  • コロナウィルス関係の外出禁止令のため、在宅で勤務をしていて給与を通常通りもらっている者。

​Owner-Employeeの場合

  • ​雇用者は通常、従業員の給与を支払う時に州に全員分の失業保険料を支払わなければなりません。オーナーが従業員でもある「Owner-Employee」の場合、免除申請(Waiver)をすることでOwner-Employeeの分の失業保険料は支払う必要はありません。但し、その場合は、Owner-Employeeには失業手当は出ません。
  • Owner-Employeeの分の失業保険料を支払っていれば、自主退職した場合以外、失業された際に失業手当の対象となります。自分から所有権持ち分を他人に譲渡したり、ビジネスを解散したり、事業を閉鎖したり、(OwnerーEmployee)が雇用関係を断ち切る行為を取った場合等は自主退職したと見なされます。

WBA(各週の手当金額)対象になる給与

  • 時間給や固定給とは別に給与としてコミッションやチップ等を支払っている場合、payroll tax を支払う際に失業保険料の適用金額に含まれている限り、失業手当のWBAに反映されます。

申請方法

  • 現在はハワイ州労働省のウェブサイトでのみ申請を受け付けています。パソコンでもスマートフォンからでも申請できます。
    https://huiclaims2020.hawaii.gov/initial-claim
    但し、まず、こちらでプロフィールを作成しなければなりません。
    https://huiclaims.hawaii.gov/#/login
     
  • “Claimant services” → “Create account”→ 個人情報の記入→
    パスワードがメールにて送信→ログイン、及びパスワード変更→
    ”file an initial claim”→eligibility review →certify and submit → receive email confirmation → Weekly claim certifications → 給与減額の場合は給与情報を減額が開始した日から28日以内に提出

手当の金額

  • 手当の金額(WBA)はベース期間中のうち、最高給与をもらった4半期の給与額を21で割った金額。最低で週$5、最高で週$648です。
  • WBAは下記のリンクにて過去5四半期の給与額を記入することで見積もることができます。見積もりページはこちら

給与減額の場合の手当の金額

  • 週に最高$150の給与をもらっていても、WBA を全額もらい続けることができます。
  • フルタイム勤務者が勤務時間を減らされて、WBA 以下の金額を給与として受け取っている場合は、WBAの金額から$150を差し引いた金額を手当として受け取り続けることができます。

失業者へのCOVID19 対策

  • 失業した日からの一週間の待期期間の免除。
  • 新しい就職先を探す就職活動という条件の免除。
  • 雇用主への確認の問い合わせは免除されていると聞いております。

雇用者へのCOVID19 対策

  • 雇用者の失業保険料の支払いの期限は5月31日まで延期されました。QUARTERLY REPORT申告書のみ、提出期限は変わりませんので、申告書は期限内に提出しなければなりません。

用意するもの

  • 過去18 カ月の勤務情報
  • 雇用者の名前と住所
  • 勤務期間
  • 退職理由
  • 銀行口座情報

手当受け取りのタイミング

  • 通常失業手当は申請日より 21 日以内に支払われ始めますが、現在申請が急増していて、それ以上かかる可能性もあります。

失業手当給付期間

  • 26 週間 

お問合せ先

 

新型コロナウィルス対策の経済刺激策(CARES法)による
連邦政府からの追加失業手当

そしてここからが、新型コロナウィルス対策の経済刺激策として、アメリカ連邦政府が決定したCARES法の情報となります。約220兆円の総額の一部が、この追加の失業手当となります。通常の失業手当ではカバーされない人にもサポートが用意されました。

プログラム概要

  • CARES 法の下で、通常州の失業保険制度ではカバーされない就労者が失業手当を受けられるように、州の失業保険の適用者を自営業者やパートタイム勤務者等に拡大するもの (Pandemic Unemployment Assistance(PUA))。また、州の失業保険は通常、それまでの給与の一部しか保障しない制度ですので、この連邦法により、コロナウィルスにより収入が低下することを防ぐことを目的に、通常、州からの失業手当を受け取っている失業者に対して、通常の失業手当の金額に加えて、一週間に付き$600の失業手当が支給されます (Federal Pandemic Unemployment Compensation (FPUC))。また、州の失業保険の付与期間(26週間)を使い果たした人に追加で13週間の延長期間分の失業手当も出る(Pandemic Emergency Unemployment Compensation (PEUC))。

資格者

  • ​​PUAは州の失業保険制度下では通常受け取ることができない、自営業、減額されたパートタイム勤務者等に適用されます。FPUCは、既に州、PUA、PUECの失業保険制度下で手当を受け取っている者に適用されます。PEUCは、それまでに州の失業手当をもらっていた人に適用されます。
  • 但し、連邦政府よりまだ詳細が出ておりませんので、どのような条件があるのか、定かではありません。
  • EPSL(緊急有給病気休暇)、または EFMLA(緊急有給家族休暇)をもらっている従業員はもらえません。

申請方法

  • ​自営業等の理由でPUAが受けられる失業者は、PUA申請専用のウェブサイトから申請できます。https://pua.hawaii.gov/_/#9
  • ​既に州の失業保険を申請している場合は、自動的にFPUCが追加されて支給されますので、再度申請する必要はありません。
    但し、通常州の失業保険を受けられない方がPUAの申請を州の失業保険ウェブサイトで申請をされている場合は、再度PUA専用ウェブサイト(https://pua.hawaii.gov/_/#9)にて申請し直す必要がございます。

手当の金額

  • ​PUAは通常州から支給される金額と同等の金額。FPUCは週$​600​。但し、その週に州、PUA、またはPUECの手当を最低$​1​支給されていなければ、$​600​も支給されません。

用意するもの

  • ​社会保障番号(Social security number)生年月日、運転免許証、または州の身分証明書(State ID)、アメリカ国籍保有者出ない方はUSCIS Issued Identification number.
  • ご住所、及び郵送先住所
  • 携帯電話番号、または自宅の電話番号
  • Eメールアドレス
  • 2019年の給与額が記載されている書類(W2、1099、K-1,給与明細、銀行明細等)
  • 銀行口座情報      

手当受け取りのタイミング

  • ​FPUCに関しては、ハワイ州では、既に州からの失業手当を受け取っている失業者に対して、一部、4月20日の週から少しずつ支給され始めていると伺っております。PUAに関しては、4月28日より上記のウェブサイトでプレアプリケーションを受け入れておりますが、5月15日以降に対応を開始するとのことです。    

失業手当給付期間

  • ​PUAは2020年1月27日から12月31日の間の39週間の失業期間。FPUCは州の失業手当をもらっている週(但し、2020年7月31日まで)。PEUCは州の失業手当が切れた後の13週間(但し、2020年12月31日まで)。​

他の政府援助への影響

  • 州のQuest などの低所得者保険プランに加入する資格として、一定の収入以下でなければなりません。収入の定義に、失業手当も含まれておりますので、週$600 の失業手当を収入に追加すると、通常の収入を上回る場合もございますので、このような制限された保険プランに加入する資格を失ってしまう可能性があります。

※上記の情報は2020年6月9日時点での情報となっています。

新型コロナウィルスに関する非常事態で、GO法律事務所には会社側・従業員側、双方から労務関連のお問合せが増えているそうです。解雇や失業・一時帰休など、予想しなかった事態が一気に発生した今、自社・自分のケースについて法律のプロの相談が必要な場合には、労務にも強い小林剛先生のGO法律事務所にご相談をしてみてください。

関連キーワード

合わせて読みたい記事

各カテゴリーのお知らせを見る

不動産会社・
エージェントにお問合せ
閉じる