ホノルル不動産協会より発表された2020年7月のハワイ・オアフ島の住宅市場は、戸建住宅が引き続き堅調、コンドミニアムが5月、6月と比較して回復基調へ。一方で市場での在庫が低下と、過去最低金利が重なり、買い手にとっては競争の激しい市場となった。
ホノルル不動産協会の2020年7月マーケットレポート
2020年6月のハワイ不動産レポートでは、ハワイ不動産がロックダウン解除後の回復へ向かっていることを伝えたが、7月のハワイ不動産市場はさらに回復し、活発な取引が行われた。
早速、詳細を見ていこう。
- 2020年7月、戸建住宅のセールスが引き続き堅調
前年同月比で3%減。中間価格は815,000ドル - 2020年7月、コンドミニアムのセールスは回復傾向にあり、前月、前々月と比較して大きく上昇
前年同月比で17%減。中間価格は440.000ドル
戸建住宅の売上は、前年同月比で3.0%減少したが、同年前月比で19.5%増加。2019年度の月間平均売上を15.3%超える伸びとなった。売上が最も伸びた価格帯は700,000ドル〜899,999ドルの住宅で売上高は19.4%も増加。一方で売上が落ちた価格帯は600,000ドル〜699,999ドルの住宅で売上高は26.5%の減少となった。
7月の戸建住宅需要は依然として非常に高く、リスティング(売出し)されてから購入までの期間が約13日間という過去最短の早さで取引された。
他方、コンドミニアムの売上は、前年同月比で17.0%減少したが同年前月比で36.5%の大幅増となった。コンドミニアムのほとんどの価格帯で売上は軒並み減少しているが、$400,000〜$ 499,999の価格帯のコンドミニアムのみ前年同月比で20.7%上昇している。
2020年8月のハワイ不動産市場はますます激化するのか?
8月も引き続き戸建を中心に住宅需要の高まりが予測されているハワイ不動産だが、新しくリスティング(売出し)される物件は昨年よりも減っているのが現状だ。
- 7月の戸建住宅のリスティング物件(売出し物件)数
新規でリスティングされた物件は前年比では18.8%減 - 7月のコンドミニアムのリスティング物件数
新規でリスティングされた物件は前年比では15.6%減
7月に新たにリスティングされた住宅数は、戸建住宅で同年6月よりも7.7%増、コンドミニアムで9.9%増と6月よりも増えたものの、前年同月比ではそれぞれ18.8%減、15.6%減となり、昨年よりも市場に在庫がかなり少ない状況になっている。そんな状況下で更に需要を高めているのが、買い手にとって絶好の機会である過去最低金利である。
ホノルル不動産協会会長のトリシア・ネコタ氏は、
「今は在庫が少なく、新規のリスティング数も減少している。その為、多くの物件において買い手から設定価格をはるかに超える価格で複数のオファーがされている。とても競争の激しい市場だ。ホノルル不動産協会では買い手、売り手双方のパートナーとして、売り手と緊密に連携しながら高い需要と複数のオファーを管理し取引している」と述べている。
3月のロックダウン、そしてその後の解除以降、順調に回復しつつあるハワイ不動産業界はハワイ経済に大きく貢献してきた。しかし8月に入り、新型コロナウイルスの感染者数が州内で大幅に増えたことにより一部ロックダウン時の規制が復活するなどハワイ経済の見通しは未だ不透明である。それ故にハワイ不動産を巡る状況も現場から一気に変わるとは考えられない。よって8月も引き続き、ハワイ不動産は売り手市場が続き、競争が激化すると予想される。