【2020年8月】ハワイ不動産レポート・オアフ島では戸建住宅がますます人気に。一方でコンドミニアムは苦戦

【2020年8月】ハワイ不動産レポート・オアフ島では戸建住宅がますます人気に。一方でコンドミニアムは苦戦

更新日 2020.09.17

ホノルル不動産協会より発表された2020年8月のハワイ・オアフ島の住宅市場は、戸建住宅のセールスが引き続き堅調な一方、コンドミニアムのセールスは苦戦するという結果になった。
また大きなニュースとして、8月の戸建住宅の中間価格が過去最高記録を記録したことが発表された。

 

ホノルル不動産協会の2020年8月マーケットレポート

8月の不動産取引は、7月から引き続き堅調な伸びを見せる戸建住宅のセールスとロックダウンの影響から抜け出せず苦戦しているコンドミニアムのセールスの間ではっきりと明暗が分かれた結果となった。

早速、詳細を見ていこう。

  • 2020年8月、戸建住宅のセールスが引き続き堅調。8月の中間価格は過去最高に!
    前年同月比で2.8%増加。中間価格は過去最高の839,000ドル
  • 2020年8月、コンドミニアムのセールスは回復傾向にあるものの、苦戦
    前年同月比で20.1%減少。中間価格は419.500ドル

戸建住宅の売上は、前年同月比で2.8%の増加。また8月のビッグニュースとして伝わってきたのが中間価格で、839,000ドルと過去最高の記録的な中間価格となった。なお、平均販売価格は1,022,449ドルである。戸建住宅の引き続き需要はますます増えており、前月のレポートで7月はリスティング(売出し)されてから売られるまでの市場にある期間が約13日間という過去最短の早さで取引されたことを伝えたが、8月も約15日間という早さで取引が行われた。これは前年同月の状況よりも44.4%も早く、いかに戸建住宅の需要と人気が高まっているかが分かる。
売上が最も多かった価格帯は700,000ドル~799,999ドルの価格帯で65軒、次に多かったのは800,000ドル~899,999ドルで58軒であった。その後に、600,000ドル~699,999ドル、900,000ドル~999,999ドルと続いている。その一方で見逃せないのが、2ミリオンドル以上という高額物件の販売数が18軒もあったことである。

他方、コンドミニアムの売上は前年同月比で20.1%減少。前月も17.0%減少だったこともあり、1回目のロックダウンの影響から未だに抜け出せないでいる。またどの価格帯でも売上は減少している。しかし中間価格は430,000ドルと前年同月比で2.5%上昇した。なお、平均販売価格は527,573ドルである。また、コンドミニアムの売出しから売られるまでの市場にある期間は23日間であり、これは例年とほぼ同じ日数である。
売上が最も多かった価格帯は300,000ドル~399,999ドルの価格帯で94軒、次に多かったのは400,000ドル~499,999ドルで78軒であった。その後に、500,000ドル~599,999ドル、200,000ドル~299,999ドルと続いている。そんな中でも1ミリオンドル以上の高額物件の販売数は15軒もあった。

 

ますます人気の戸建住宅、在庫はさらに少なく

  • 8月の戸建住宅のリスティング物件(売出し物件)数
    新規でリスティングされた物件は前年同月比で20.0%減
  • 8月のコンドミニアムのリスティング物件数
    新規でリスティングされた物件前年同月比で7.6%減

8月に新たにリスティングされた住宅数は、戸建住宅は387軒で前年同月比20.0%減、コンドミニアムは696軒で前年同月比7.6%減と、戸建、コンドミニアム共に、昨年よりも市場に在庫がかなり少ない状況になっている。

そんな状況下、戸建住宅市場では過去3ヶ月間、売り手の43%が希望価格以上で物件を販売している。

ホノルル不動産協会会長のトリシア・ネコタ氏は、
「在庫不足が、歴史的な低金利を利用したい買い手からの高い需要と相まって、オアフ島の戸建住宅市場を非常に競争の激しいものにしている。買い手は長く住むための家を探しているため、売り手は物件をリスティングする好機だ」と述べている。

 

「ハワイに住む」編集部独自の考察

ではなぜ今、オアフ島で戸建住宅の人気と需要がこのように高まっているのだろうか。その理由の一つが「歴史的な低金利」、そしてもう一つの理由が「住まいとしてのニーズの高まり」である。
ハワイのニュースでよく聞かれるのが、ロックダウンの影響による失業や失業率の高さであるが、新型コロナウイルスに影響を受けない層は確実にいる。それはエッセンシャルワーカーや公務員、軍関係者である。彼らの中にはリファイナンスするだけではなく、低金利を受けて新たに購入ローンを組む人も結構あり、またネコタ氏の言葉を借りるならば「永遠の住まい」を求めて、コンドミニアムから住宅への住み替えを希望する人が多いようだ。実際、エヴァ、カポレイ、パールシティ、ハワイカイなど、特にローカルが多く住むエリアでは物件リスティング後、1週間以内にオファーが入る事も珍しくないとのこと。

その一方で、コンドミニアムの販売が苦戦しているのは、別荘としても近年人気のあったコンドミニアム需要がコロナ禍の影響を受けていることが大きいのではないだろうか。その場合、やはりコロナ禍で買い手がハワイに物件を見に来られないことが大きな要因となっていると考えられる。しかし中には、(コロナ禍を始め、人種問題による暴動などを避けるため)避難のためにハワイに別荘を購入する人たちもいるという。彼らは高級コンドを購入したり、長期賃貸したりしている。その為、コンドミニアム販売が苦戦する中でもワイキキやアラモアナ周辺では、物件によっては、こんな時期でも売出価格でオファーしても購入できないケースがまだあるという。
いずれにせよハワイ経済全体を包む見通しの不透明さが、コンドミニアム販売の苦戦に繋がっていると考えられる。

 

2020年9月のハワイ不動産市場はどのように動くのか?

ハワイは8月27日に新型コロナウイルス感染拡大を防ぐ為、再びロックダウンされた。その為、現在、対面販売やオープンハウスは一時的に中断されている。
ホノルル不動産協会会長のトリシア・ネコタ氏は、
「オアフの不動産市場の動向を維持するために、我々は新しいテクノロジーを活用し、クライアントへのサービス提供の方法を​​変えている」と述べ、バーチャルでのショーイングやオープンハウスを奨励している。
実際に、9月半ば現在、3月の最初のロックダウン時に見られたような急激な落ち込みなどは見られていない。逆にエスクロー数や契約中の件数に限ると前年同月比で増加傾向にある。

 

今後、ロックダウンが解除されるのは9月23日。ロックダウン解除後のハワイ不動産市場はどのような動きを見せるのか。まだまだ目が離せない。

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