【2020年9月】ハワイ不動産レポート・オアフ島の住宅市場は好調!戸建住宅市場は2つの記録を更新、コンドミニアムはロックダウン以前の水準へほぼ回復

【2020年9月】ハワイ不動産レポート・オアフ島の住宅市場は好調!戸建住宅市場は2つの記録を更新、コンドミニアムはロックダウン以前の水準へほぼ回復

更新日 2020.10.13

ホノルル不動産協会より発表された2020年9月のハワイ・オアフ島の住宅市場は、戸建住宅市場の躍進が続き、売上が前年比で12.7%も増加、中間価格と最短取引期間の2つの分野で過去最高記録を叩き出すなど非常に活発であった。
一方のコンドミニアムの売上は、前月、前々月と比べて堅調で、3月のロックダウン以前の水準に向けて緩やかな回復傾向となった。

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ホノルル不動産協会が発表した2020年9月のマーケットレポート

9月の不動産取引は、戸建住宅のセールスが引き続き力強い伸びを見せ、コンドミニアムのセールスもとロックダウン以前の水準まで戻るなど、概ね良好な結果となった。

早速、詳細を見ていこう。

  • 2020年9月、戸建住宅のセールスは大幅な伸び。9月の中間価格は過去最高に!売出し物件が市場にある期間は最短に!
    前年同月比で12.7%増加。中間価格は過去最高の880,000ドル
  • 2020年9月、コンドミニアムのセールスはほぼロックダウン以前の水準まで復活!
  • 前年同月比で2.1%減少。中間価格は445.000ドル

戸建住宅マーケット


2020年9月の戸建マーケットに関して、大きなニュースとなったのが、「中間価格」と「物件がリスティング(売出し)されてから売られるまでの市場にある期間」の2つの項目で過去最高記録を打ち出したことである。戸建住宅の売上自体も、前年同月比で12.7%の増加となった。

中間価格は$888,000となり、過去最高を更新。この数字は前年同月比で13.3%の上昇となった。また、物件が市場にある期間は約9日間となり、今年7月に過去最短を記録したばかりの13日間という期間を4日も縮めた。「売出しで1週間で売却」というホットなマーケットを現す結果となった。

なお、平均販売価格は$1,073,692であり、前年同月比で+12.8%の上昇となっている。
売上が最も多かった価格帯は700,000ドル~799,999ドルの価格帯で67軒、次に多かったのは800,000ドル~899,999ドルで61軒であった。これは先月同様の結果であるが、注目すべきは高額価格帯の物件の動きで、2ミリオンドル以上の高額物件の販売数が23軒もあり、また1.5ミリオンドル以上の住宅の販売数は前年比で42.9%も増加した。特に室内空間が2,000平方フィートを超える大型住宅は前年同月比で37.9%も増加したことも注目に値する。

コンドミニアムマーケット

一方のコンドミニアムの売上は前年同月比で2.1%の減少となったが、ロックダウン直後や今年の7月や8月の状況と比較するとかなり改善し、緩やかにロックダウン前の水準にまで回復してきた。中間価格は8月に引き続き$445,000で、平均販売価格は$545,367となった。
また、「物件がリスティング(売出し)されてから売られるまでの市場にある期間」に関しては、戸建住宅同様に昨年同月よりも早くなっており、21日間となった。
売上が最も多かった価格帯は400,000ドル~499,999ドルの価格帯で106軒、次に多かったのは300,000ドル~399,999ドルで84軒であった。その後に、500,000ドル~599,999ドル、200,000ドル~299,999ドルと続いている。また1ミリオンドル以上の高額物件の販売数は22軒であり、前月よりも伸びている。

 

売出し物件の在庫はますます少なく、売り手市場に拍車

  • 9月の戸建住宅のリスティング物件(売出し物件)数
    在庫数は前年同月比で39.3%減
  • 9月のコンドミニアムのリスティング物件数
    在庫数は前年同月比で5.8%減

9月の戸建住宅の在庫数は前年同月比39.3%減、コンドミニアムは前年同月比5.8%減と、戸建、コンドミニアム共に、昨年よりも市場に在庫がかなり少ない状況になった。

この理由として、戸建住宅に関しては、ロックダウン以降の住み替え需要の高まりと7月〜9月までの第3四半期のセールスが好調であったことが挙げられる。一方でコンドミニアムに関しては、在庫は昨年比で減ってはいるものの戸建住宅程の減少は見られていない。

9月の新規のリスティング数は、前年同月比で戸建住宅が18.4%減、コンドミニアムが9.7%減となった。

8月27日からのホノルル再ロックダウンの影響は多少あったものの、3月に行われた1回目のロックダウン時の戸建住宅45.5%減、コンドミニアム39.5%減という驚異的な数字に比べると、緩やかなものであった。

  • 9月のリスティング価格を上回った戸建て住宅の販売数は163件で昨年の2倍
  • 9月のリスティング価格を上回ったコンドミニアムの販売数は82件で昨年の62件よりも増加

在庫の現象に需要の高まりが重なり、一気に売り手市場になった9月のハワイ住宅市場。リスティング時に提示されている価格を上回って販売された戸建住宅は163件で、昨年同月の79件と比較して2倍の数になっている。一方のコンドミニアムも82件と昨年の62件よりも上回った。

ホノルル不動産協会会長のトリシア・ネコタ氏は、
「現在、売り手は1)歴史的な低金利、2)在庫不足、3)激しい競争の市況の恩恵を存分に受けています。買い手は提示価格をはるかに上回って入札しています」と述べている。

 

新型コロナウイルスによるライフスタイルの変化が市場に大きな影響を与えている

ここ数ヶ月のハワイ不動産、特に戸建住宅市場の伸びはめざましいものがある。この理由としてあげられるのが「歴史的な低金利」であり、新型コロナウイルスに影響を受けていないエッセンシャルワーカーを中心に、リファイナンスをするだけでなく低金利を受けて新たに購入ローンを組む人が多くなっていることである。特に、アメリカの現役軍人や退役軍人、予備役、ナショナルガードなどに申請資格のあるVAローンによる戸建住宅の購買は昨年同月比で26.1%、コンドミニアムの購買は34.7%も急増している。

ホノルル不動産協会会長のトリシア・ネコタ氏は、
「戸建住宅の需要の急増は、在宅勤務の人が急増したことに加え、人々が生活により良い質と新しい環境を欲していることと関連があるのではないでしょうか。新型コロナウイルスのパンデミックは、結果的に買い手が住宅を購入する際の考え方を変化させ、住宅に求めるものやや優先事項を考え直すきっかけを与えました」と述べ、新型コロナウイルスによるライフスタイルの変化が、現在の市場の動きに大きな影響を与えていることを指摘した。

 

いよいよ観光再開!2020年10月のハワイ不動産市場はどのように動くのか?

9月24日のロックダウンの段階的解除に伴い、ハワイの不動産業界はソーシャルディスタンシングの確保とマスク着用を義務付けながら対面式のオープンハウスを再開した。
現在、段階的解除の第1段階にあるオアフ島では、オープンハウスに一度に入れる人数は5名までと制限があるものの、需要の多い戸建住宅を中心に10月も週末には多くの売り物件でオープンハウスが開催されている。
また、このまま新型コロナウイルスの感染者数が増えなければ、10月22日には階的解除の第2段階に進む予定になっている。そうなればオープンハウスなどの対面式のセールスがさらに活発になることであろう。

その上、10月15日からは、いよいよ州外からの渡航者が14日間の隔離義務無しに来島できるテストプログラムがスタートする。そうすれば当然、州外からのバイヤーもやってきて、ハワイ不動産はさらに競争が激しくなることが予想される。また、このテストプログラムが日本人にも適用され、日本からのバイヤーが戻れば、高額コンドミニアムなどの売上も一気に伸び、戸建住宅、コンドミニアム市場共にますます活況を呈するようになるのではないだろうか。

3月のロックダウンのダメージはすでに克服し、大幅な伸びを見せた2020年9月のハワイ不動産。段階的解除や州外からの渡航者を対象としたテストプログラムが10月の不動産セールスにどのような影響を見せるのか、また、州外からのバイヤーのニーズがどこにあるのか、ますますハワイ不動産から目が離せない。

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