さまざまな記録が毎月のように更新されているハワイ不動産マーケット。2021年2月も戸建住宅の中間価格が前年比で20%も上昇し、新たな記録を打ち出した。またコンドミニアムはセールスが前年比で41.1%も急増。マーケットの盛り上がりとともに、戸建・コンドミニアム両方で在庫の低下も顕著となり、戸建を中心に高価格帯の物件が動き、買い手の競争はますます激化した一月となった。
ホノルル不動産協会による2021年2月のマーケットレポート
ホノルル不動産協会より発表された2021年2月のハワイ・オアフ島の住宅市場レポートによると、戸建・コンドミニアム共に売り上げは引き続き右肩上がり。特に戸建住宅では中間価格が前年比で20%も上昇し新たな記録を樹立。またコンドミニアムも販売数で前年度比で41.1%も急増した。
中間価格は前年同月比19.9%増で$917.500で新記録を樹立
平均価格は前年同月比20.4%増で$1,172,804。
中間価格と平均価格で二桁台の上昇となった。
・コンドミニアムの販売数は前年同月比で41.1%増加と急上昇!
中間価格は前年同月比6.4%増で$457,500、
平均価格は前年同月比3.4%増で$545,629となった。
戸建住宅マーケット
2021年2月の戸建住宅マーケットで最も注目すべきニュースは、何といっても中間価格の上昇!$917.500といよいよ史上初の90万ドル台の大台にのったことである。
先月の中間価格は$883.000、先々月は$870.000、2020年10月は$865,000と、2020年中盤から右肩上がりに上がってきていたが、昨年2月の中間価格$767,500であったことを考えると、実にこの一年で$100,500も上昇している。
平均価格は$1,172,804で、先月の$1,050,263よりもさらに上昇。昨年2月の平均価格が$974,283であったことと照らし合わせると、2月も1月に引き続き高額価格帯の物件が売れ、それが中間価格、平均価格を引き上げたことが分かる。
戸建住宅の売り上げの約3分の1は、1年前と同じ$700,000から$899,999の価格帯の物件であったが、1ミリオンドル以上の売り上げは倍増しており、前年同月の55件から111件へと跳ね上がった。その中で2ミリオンドル以上の販売数は24件もあった。
コンドミニアムマーケット
2021年2月のコンドミニアムマーケットは販売数が大きく伸びた。昨年は年間を通して、新型コロナウイルスに伴うライフスタイルの変化によって販売数が伸び悩んだコンドミニアムマーケットであったが、ここ数ヶ月は大きな巻き返しが起こっている。
販売数は446件で前年同月比で41.1%増加と急上昇。中間価格は$457,500で前年同月比で6.4%上昇、平均価格は$545,629で前年同月比で3.4%上昇した。
最も売れた価格帯は、$400,000から$499,999で95件。これは売上数全体の21.3%を占めた。次に売れた価格帯は$300,000から$399,999で79件、その次に$500,000から$599,999、$200,000から$299,999と続いている。なお、1ミリオンドル以上の物件では22件、2ミリオンドル以上の物件では6件も販売されたことも見逃せない。
買い手の競争が激化!約半数の買い手がリスティング価格よりも高く取引!
絶好調のハワイ不動産であるが、買い手の競争は戸建住宅を中心により熾烈さを増している。戸建住宅がリスティングされてから市場にあった期間は平均9日間と先月に引き続き最短記録を保持したままだ。
一方のコンドミニアムもリスティングされてから市場にあった期間は平均18日間で、こちらも先月と同じスピードで売れている。戸建住宅と比較すると緩やかなようにも見えるが、前年同月時には34日間であったことを考慮すると、競争が激化しサイクルがどんどん早くなっていることを痛感する。
また、販売された戸建住宅の48.5%、コンドミニアムの29.1%で、リスティング価格よりも上回って販売された。さらに買い手市場が続く一方で、新しい在庫数はさらに減少しており、戸建住宅で19.3%減、コンドミニアムで2.5%減となっている。
買い手による熾烈な競争、在庫不足の問題は、歴史的な低金利が始まった昨年序盤から続いており、一朝一夕には解決できそうもない。
ホノルル不動産協会会長のシャノン・ヘブン氏は、「多くの人にとって、家を購入することがさらに難しいものになり、不動産エージェントが持つ専門知識とガイダンスがこれまで以上に必要な時代となっている。」と述べている。
3月の不動産市況はどうなるのか?
2021年3月のハワイ不動産の市況は、まずコンドミニアムの売上が大きく伸びることがすでに予想される。というのも2月中に取引が成立せず、ペンディングになっているケースが前年同月比で46.0%も増加しているからである。これが3月中にまとまれば、売上数を大きく牽引することになるだろう。
また戸建住宅でもペンディングのケースが前年同月比で32.6%も増加していることを考えると、3月のハワイ不動産はますます右肩上がりに伸びて行くことは容易に予想できる
さらに、既にサイト内の「今日のハワイローカルニュース」で、3月4日には最高級「ワイエア」のグランドペントハウスが$16ミリオンで売却され、3月10日にはダイヤモンドヘッドの$10ミリオン超えの豪邸はじめ、高級物件が次々成約していることを伝えた通り、景気の良いニュースが既に聞こえ始めている。
よって、3月のレポートは驚くような新記録の連続が期待される。
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