Q:生命保険信託アイリットってなんですか?
A:生命保険とトラストを使った節税対策です
米国では資産と生命保険金の総額が米国遺産税の基礎控除額を超えてしまうと予想される場合、税金対策の一環として、生命保険を契約するための法人アイリット(ILIT: Irrevocable Life Insurance Trust)を立て、トラストを介すことで米国での遺産税を回避できるよう操作する方法があります。
このアイリットは、日本居住者がアメリカの生命保険に加入したいというときにも有効利用が望めます。アイリットを通して日本より利率が良いアメリカの生命保険への加入が叶います。
また、保険料を贈与という形でトラストに託し、トラストから払えば、年間110万円までなら贈与税もかかりませんし、生命保険の種類によっては贈与税を払っても価値があるという場合もあります。
トラストを通じて支払われる保険金には、米国居住者の場合は所得税がかかりません。一方、日本居住者が受け取る場合には所得税がかかりますが、これもトラストからの配当を調整すれば節税が図ることができますし、なんと言っても多額な相続税の支払いを免れられるなどのメリットが多いので、ぜひ有効活用してください。
【ご回答いただいた弁護士】
明治大学法学部、チューレーン法科大学院卒業。ハワイ、カリフォルニア、ニューヨーク弁護士資格。北サンディエゴ弁護士会会長。資産保全・トラストを専門とし、日米間の相続にも精通。
※この記事は「ハワイに住む」マガジンVol.34(2018/7/15発行)の記事を元に作成しています。
※本文は情報提供を目的とするに過ぎず、特定の事実や状況に関する法的意見ではありません。個々の状況においては専門家にご相談ください。