ハワイのフリーWi-Fiの安全性は?
最近ではダニエル・K・イノウエ(旧ホノルル)空港はじめ、ホテルのロビーや、ショッピングモール、カフェなどでもフリーWi-Fiを提供しているところが増えている。しかし、それらは実際に安心して使用出来るのだろうか?またハワイへの渡航に必要な「セーフトラベルプログラム」をはじめ、出入国の際にネット接続ができる端末の所有が必須となるシーンも増えているが、どのようにすれば安全に使用出来るのだろうか?
結論から言うと、ハワイだけでなくフリーWiFiは個人情報の流出やサイバーアタックの温床と言われており、不特定多数の人とのネットワークの共有は出来る限り利用を避けるのが賢明と言われている。
また、店舗が提供しているフリーWi-Fiのアカウントとそっくりな名前のフリーWi-Fiを犯罪グループが飛ばし、気づかずにアクセスした人の個人情報を盗み取る、といった手口が有名だ。海外滞在中に、個人情報を抜き取られて悪用されたとしても、自分が国外にいるために発見や対応が遅れてしまう可能性が高い。日本にいる時には気づきやすい不審なアカウントやフィッシングサイトなども、英語で表示されると通常気をつけている人でもうっかり引っかかってしまうことがあるだろう。
ホテルやバケーションレンタルでのネット接続は安全なのか?
一方、ホテルやバケーションレンタルなどの滞在先で一時的に提供されるWi-Fiなら安全なのだろうか?これはその滞在先の施設がどういったセキュリティ対策を持つインターネットサービスプロバイダー(ISP)を使っているかによる。一般的にISPは、ユーザーのアクセスやリクエストに応じて目的のウェブページへとつないでいるため、オンライン上での行動はISP側には把握が可能である。ユーザー側からはそのISPのセキュリティの高さや、データをどのように使うかまでは分からない。
セキュリティを高めるVPNサービスの仕組み
海外で一時的に利用するネットワークにおいて安全にインターネット接続をするために有効なサービスがある。それがVPN(バーチャルプライベートネットワーク)サービスだ。
VPNとは月額数ドルで利用ができるオンライン会員サービスで、あなたのインターネット接続のセキュリティを各段にアップしてくれる。
フリーWi-Fi上での通信が誰の目にもさらされる広場でのやりとりだとすると、VPNサーバーを通じた通信は「あなた専用の仮想の通信トンネルを作り、そのトンネルの中でデータをやりとり」するようなイメージだ。
手順としては、
- 1. デバイス(コンピューター、スマートフォン、タブレットなど)からインターネットに接続
- 2. VPNのアプリまたはVPNサイト経由で、VPNサーバーに接続する
- 3 . どこの国のVPNサーバーを利用するかを選択する
- 4. デバイスが承認されると暗号化トンネルが作成され、安全な通信が開始
- 5. 通信が終わったらVPN接続を切る
※ちなみにVPNを利用するためには、インターネット通信が必要。VPNサービスだけでインターネット利用はできない。
VPNの仕組みはこうだ。VPNサーバーを経由してやり取りされるデータは、仮想専用回線を通じ、すべて分割(パケット化)されて、暗号化されて送られるため、ハッカーからは情報全体が特定できない。また、どこの国からアクセスしているかのIPアドレス情報も見えなくすることができる。
海外にいても日本でしか使えないサービスが利用可能
このため、VPNサービスを経由してアクセスした際に「日本」のサーバーを選択すれば、日本以外の地域にいても「日本からアクセスしている」ようにデータ上は見えるため、海外では見られなかったり、使えなかったりする動画配信サービス(日本の会員用の動画配信サービスやGYAOやTVerなど)も見られるようになる。またブランドやメーカーによっては、国によって表示価格を変えているところもある。これもVPNを使うという裏ワザで、それぞれの国でいくらで売られているのかをウェブ上で見ることも出来るなどのある。日米それぞれのサイトで「アメリカでは〇ドルで売られていたけど、日本ではいくらかな?あ、日本で買うより1万円安いから買って帰ろう」といったことも可能なのだ。 今まで不安に思いながら、海外からのインターネットアクセスをしていた方にとっては、月数ドルで利用可能なVPNサービスでご自身の個人情報やプライバシーが守れるならば安いもの。ぜひ長期海外滞在をされる方はご検討いただければと思う。