2022年3月のハワイ不動産は、戸建住宅、コンドミニアム共に、中間価格がそれぞれ$1,150,000と$515,500と、最高記録を更新したというニュースで締め括られた。特に戸建住宅では先月打ち立てたばかりの中間価格の記録$1,125,000を早速破り、2.2%も上回る結果となった。また売り出し物件が市場にある期間が先月よりも大幅に短縮され、戸建住宅、コンドミニアム共に9日間となるなど、市場が激しく動いた月となった。
ホノルルリアルター協会による2022年3月のマーケットレポート
ホノルルリアルター協会より発表された2022年3月のハワイ・オアフ島の住宅市場レポートによると、戸建住宅の中間価格が$1,150,000、コンドミニアムの中間価格が$515,500と、それぞれが最高記録を更新した。
それに合わせるように平均価格も、戸建住宅が前年同月比28.0%増で$1,570,668、コンドミニアムが前年同月比17.6%増で$623,684となり、先月よりもさらに上昇した。
一方の戸建住宅のセールスは2ヶ月連続で前年同月比で減少しているが、コンドミニアムのセールスは引き続き好調であった。
- 戸建住宅の販売数は321軒、前年同月比で11.1%減少
中間価格は前年同月比21.1%増で$1,150,000と最高記録を更新!
平均価格は前年同月比28.0%増で$1,570,668
売出期間は先月より4日早くなり9日間 - コンドミニアムの販売数は672軒、前年同月比で7.3%増加
中間価格は前年同月比8.6%増で$515,500と最高記録を更新!
平均価格は前年同月比17.6%増で$623,684
売出期間は先月より5日早くなり9日間
戸建住宅マーケット詳細
2022年3月に販売された戸建住宅は321軒と先月よりも多くなっているものの、前年同月比では11.1%も減少した。これは戸建住宅の価格が全体的に上昇し、かつ手頃な価格の物件が市場に出回っていないことに、大きな原因があると思われる。
最も大きく下落したのは899,999ドル以下の物件で、昨年同月比で56.3%減少、わずか70軒の取引のみであった。一方で高額価格帯の戸建住宅のセールスは絶好調で、3ミリオンドル以上の物件が27軒も販売され、前年同月比で68.8%の急増となった。
この高額価格帯のセールスが市場全体を牽引したことが、中間価格を$1,150,000に押し上げ、最高記録を更新することとなった。
価格帯 | 軒数 |
---|---|
90万ドル台 | 54軒 |
80万ドル台 | 44軒 |
3ミリオンドル以上 | 27軒 |
1ミリオン-1.1ミリオンドル | 26軒 |
1.3ミリオン-1.4ミリオンドル | 22軒 |
さて、オアフ島内のどのエリアにある戸建住宅の販売が好調であったのか。最も売上が伸びたエリアはワイパフで50%増、次がハワイカイで18%増、リーワードで16%増加しました。一方で人気が落ちたエリアは、ダイヤモンドヘッドとノースショアでそれぞれ22%と36%減少となった。
コンドミニアムマーケット詳細
2022年3月に販売されたコンドミニアムは672軒にも登り、前年同月比で前年同月比で7.3%増加した。最も売れた価格帯は40万ドル台の122軒だったが、最も伸びた価格帯は70万ドル台のセールスで前年同月比125.8%増となり、これが中間価格を最高記録である$515,500に押し上げたと考えられる。
コンドミニアム市場で人気のあった地域は、ホノルル市街地を中心としたメトロエリア、コオリナやエバビーチなどを含むエバプレインエリアで、取引のほとんどがこのエリアで行われた。
価格帯 | 軒数 |
---|---|
40万ドル台 | 122軒 |
50万ドル台 | 113軒 |
30万ドル台 | 96軒 |
70万ドル | 70軒 |
60万ドル台 | 67軒 |
新規リスティングの低迷は続き、特にコンドミニアム市場で在庫の低下が顕著に
在庫の低迷がもはやデフォルトとなってしまっているハワイ不動産。2月にはリスティング(新規上場)物件が若干増えたものの、3月は特に戸建住宅マーケットで逆戻りが起こった。3月には412戸の戸建住宅のリスティングがあったものの、前年同月比では6.2%の落ち込みとなり、新規上場された物件のうちの56%が月末までに、エスクローに入るか、もしくは売却された。これは買い手が常に新しいリスティング物件をチェックしており、気になる物件を見つけてから決定・購入するまでの期間が短くなっていることを示している。なお、戸建の売り出し物件が市場にある期間は9日間であった。
一方のコンドミニアムの新規リスティング数は714軒で昨年と同じペースだった。こちらも同様に競争が激しくなっており、売り出し物件が市場にある期間は、戸建住宅と同じく9日間であった。
全体の在庫も低迷しており、戸建住宅の在庫は前年同月比で5.0%減少、コンドミニアムはここ数ヶ月でさらに少なくなり、前年同月比で26.9%減と大幅に下落した。
それでは4月のハワイ不動産はどのように動くのであろうか。昨年を通してハワイ不動産の競争の激化の要因となっていた住宅ローンの史上最高の低金利は既に終わり現在は利上げに舵を切っている。アメリカ全体のインフレーションの影響を受け不動産価格もさらに上がっていくだろう。一方で、不安定な世界情勢や世界中で行われているコロナ規制の緩和などの要因がハワイ不動産にどのような影響を与えていくのだろうか。
そういった中で、ハワイ不動産の動きはさらに活発になるのか、それとも下火になるのか、これからも目が離せない状況が続く。
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