2022年7月のハワイ不動産は、戸建住宅、コンドミニアム共に販売件数が大幅に落ち込み、前年同月比22.8%減となった。前月比でみても戸建住宅の販売件数が12.6%減、コンドミニアムの販売件数が17.3%と減少し、長期不動産金利の上昇による不動産購入の需要の低下が鮮明になり、売り手市場から買い手市場へと潮目の変化を感じる一ヶ月となった。
ホノルルリアルター協会による2022年7月のマーケットレポート
ホノルルリアルター協会より発表された2022年7月のハワイ・オアフ島の住宅市場レポートによると、戸建住宅、コンドミニアム共に販売件数が大幅に下落、前年同月比22.8%減となった。
中間価格については、過去最高価格だった2022年5月と比較すると、それぞれ4万5000ドル強、1万5000ドル下回ったものの、前年同月比では戸建住宅が11.6%増、コンドミニアムが5.3%増と上昇した。
これは、長期不動産金利の上昇によりローンでの不動産購入需要は低下し、昨年と比較して在庫が増えて競争が落ち着いてきていることが関係していると考えられる。
- 戸建住宅の販売数は312軒、前年同月比で22.8%減少
中間価格は前年同月比11.6%増で$1,107,944
平均価格は前年同月比5.0%増で$1,329,023
売出期間は先月よりも1日長くなり11日間 - コンドミニアムの販売数は518軒、前年同月比で22.8%減少
中間価格は前年同月比5.3%増で$500,000
平均価格は前年同月比8.6%増で$590,934
売出期間は先月よりも1日長くなり12日間
2022年7月・オアフ島の戸建住宅マーケットの詳細
ここ半年ほど、販売件数が減少し続けているオアフ島の戸建住宅マーケット。
販売数は312軒、前年同月比で22.8%と大幅に減少した一方で、中間価格は$1,107,944で前年同月比11.6%増となった。
最も売れた価格帯は90万ドル台で54軒、次に売れた価格帯は80万ドル台で38軒と、ここ数ヶ月の流れを汲んでいる。また90万ドル台を除く全ての価格帯で先月よりも販売件数が減少している。
一方で、高額価格帯の販売は好調。先月よりも販売数は少ないものの、2ミリオンドル台の戸建住宅が21軒、3ミリオンドル以上の戸建住宅が10軒、販売された。
価格帯 | 軒数 |
---|---|
90万ドル台 | 54軒 |
80万ドル台 | 38軒 |
1.1ミリオン-1.2ミリオンドル | 34軒 |
1.2ミリオン-1.3ミリオンドル | 24軒 |
1ミリオン-1.1ミリオンドル | 23軒 |
戸建住宅の販売はオアフ島のほとんどのエリアで減少し、最も販売数の減少が顕著だったのは、エヴァプレイン、カネオヘ、リーワードエリアだった。
2022年7月・オアフ島のコンドミニアムマーケットの詳細
ここ数ヶ月、戸建住宅と異なり堅調な伸びを見せていたコンドミニアムマーケットであったが、ここにきて販売件数が昨年同月比で一気に減少した。
販売数は518軒、前年同月比で22.8%減少、前年同月比5.3%増で$500,000であった。
先月は50万ドル台が最も売れた価格帯だったのに対し、今月は一転して30万ドル台のより手頃な物件が最も多く取引された。ここ数ヶ月は70万ドル台から80万ドル台の販売件数が飛躍的に伸びていたが、その傾向は一旦止まることとなった。
一方の1ミリオンドル以上の高額物件は、戸建住宅同様に好調で、1ミリオンドル台が27軒、2ミリオンドル以上が9軒も販売された。
価格帯 | 軒数 |
---|---|
30万ドル台 | 105軒 |
40万ドル台 | 82軒 |
50万ドル台 | 78軒 |
60万ドル台 | 59軒 |
20万ドル台 | 46軒 |
コンドミニアム市場では、ホノルル中心部のメトロエリアの販売数が最も減少し、先月の389戸と比較して285 戸と、前月比で26.7% 減少した。
在庫は増加傾向、売り手市場から買い手市場へシフト中
戸建住宅、コンドミニアム共に販売件数が大幅に落ち込み、前年同月比22.8%減となった7月のハワイ不動産だったが、ホノルルリアルター協会会長のチャド・タケスエ氏は、「販売の減少にもかかわらず、物件は市場での平均日数が一戸建て住宅で11日、コンドミニアムで12日と、依然として急速に契約に移行しています。」と指摘し、未だハワイ不動産が好調であることを強調した。
一方、売り手市場から買い手市場へシフトしているのは明確で、要因としては、長期不動産金利の上昇による不動産購入の需要の低下や、新規リスティング(売り出し)の低下が考えられる。ただし在庫に関しては、昨年同月比で一軒家が38.8%増、コンドミニアムが8.4%増となっている。
また、7月の販売時の価格に関しては、コンドミニアムが前年、前月とほぼ変わらない38%がリスティング価格を上まって取引されたのに対し、戸建住宅では変化が顕著で、7月は49%がリスティング価格を上回ったのに対し、1年前は70%、先月は62%であったことを考慮すると、競争が緩やかになってきていることがわかる。
それでは、8月のハワイ不動産はどうなるのであろうか?
7月に保留された販売件数は、戸建住宅で前年同月比31.4%減、コンドミニアムで前年同月比26.4%減だったため、来月の販売件数も減少することが予想される。このまま売り手市場から買い手市場へシフトは続き、ハワイ不動産は減速していくのであろうか。これからも目が離せない状況が続く。
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