2022年5月のハワイ不動産は、戸建住宅の中間価格が1,153,500ドルに、コンドミニアムの中間価格が516,500ドルに達し、共に新記録を作った。
販売件数は、戸建住宅が344件で前年同月の405件から15%減となる一方で、コンドミニアムが688件と前年同月の598件から15.1%増となり、戸建住宅からコンドミニアムへのシフトが進んだ一ヶ月となった。
ホノルルリアルター協会による2022年5月のマーケットレポート
ホノルルリアルター協会より発表された2022年5月のハワイ・オアフ島の住宅市場レポートによると、戸建住宅、コンドミニアム共に中間価格の新記録を打ち立て、全体的に先月よりも活気のある市場となった。
新記録となった中間価格は、戸建住宅が1,153,500ドル、コンドミニアムが516,500ドルに達し、それぞれ先月よりも48,500ドル、6500ドルも上昇しており、これは飛躍的な上昇であることが分かる。
他に特筆すべきポイントとしては、戸建住宅の販売件数が344件と前年同月比で15.1%落としたのに反し、コンドミニアムの販売件数は688件と前年同月比で15.1%伸びたことである。これは戸建住宅の在庫の低下や価格の高騰によってバイヤーの興味がコンドミニアムへシフトしたことを示している。
- 戸建住宅の販売数は344軒、前年同月比で15.1%減少
中間価格は前年同月比17.9%増で$1,153,500
平均価格は前年同月比16.3%増で$1,450,008
売出期間は先月と変わらず10日間 - コンドミニアムの販売数は688軒、前年同月比で15.1%増加
中間価格は前年同月比12.8%増で$516,500
平均価格は前年同月比12.5%増で$625,327
売出期間は先月より2日早くなり10日間
2022年5月・オアフ島の戸建住宅マーケットの詳細
先月、先々月の流れを受け、戸建住宅の販売件数は減少傾向を維持した2022年5月の戸建住宅マーケット。
販売数は344軒、前年同月比で15.1%減少した一方で中間価格は$1,153,500で前年同月比17.9%増となった。
この数字は、手頃な価格帯の住宅の販売件数が減り、より高額価格帯の住宅がよく売れたことを示している。実際、600,000ドルから100万ドル未満の価格帯の戸建住宅は、販売件数に置いて最も大きな減少を表しており、1年前と比較して41.2%も減少した。
最も売れた価格帯は90万ドル台で41軒、次に売れた価格帯は80万ドル台で37軒と、先月、先々月の流れを引き継いでいるが、販売件数は徐々に少なくなってきている。一方で注目すべきは1ミリオンドル以上の販売件数の伸びで、1.1ミリオン-1.2ミリオンドルで33軒、1ミリオン-1.1ミリオンドルで31軒、1.3ミリオン-1.4ミリオンドルで30件と、軒数のみを比較すると、1ミリオンドル以下の物件とそう変わらない結果となっていることから、これから数ヶ月の間に、1ミリオンドル台の販売件数が、90万ドル台、80万ドル台の販売件数を上回るかもしれないと、編集部では予測している。
また、注目すべきポイントとして、高額価格帯の販売が引き続き絶好調であることが挙げられる。2022年5月に販売された高額価格帯の物件は、2ミリオンドル以上で25軒、3ミリオンドル以上で18軒であった。
価格帯 | 軒数 |
---|---|
90万ドル台 | 41軒 |
80万ドル台 | 37軒 |
1.1ミリオン-1.2ミリオンドル | 33軒 |
1ミリオン-1.1ミリオンドル | 31軒 |
1.3ミリオン-1.4ミリオンドル | 30軒 |
なお、人気があったエリアはミリラニおよびワヒアワといったオアフ島の中央地域であり、他の地域は総じて売り上げが落ち込んだ。
2022年5月・オアフ島のコンドミニアムマーケットの詳細
販売件数が落ち込んだ戸建住宅と比べ、コンドミニアムマーケットは極めて好調であった。
販売数は688軒、前年同月比で15.1%上昇、中間価格は$$516,500で前年同月比12.8%増であった。
先月のレポートにも書いたが、ハワイ不動産全体の価格の高騰を受け、コンドミニアムの中間価格も上昇し続けており、ここ数ヶ月の中間価格は、50万ドル台が標準となっている上、今月は先月よりも6500ドルも上昇した$516,500となり、新記録を樹立した。
最も売れた価格帯は手頃な30万ドル台から50万ドル台のコンドミニアムで、5月の販売件数の48.0%に相当し、一年前よりも13.4%増加した。一方で、70万ドル台から80万ドル台の販売件数も飛躍的に伸びており、このボリュームは前年同月比で2倍以上になっており、5月の販売件数の17.6%に相当している。
価格帯 | 軒数 |
---|---|
50万ドル台 | 112軒 |
40万ドル台 | 111軒 |
30万ドル台 | 107軒 |
70万ドル台 | 78軒 |
20万ドル台 | 67軒 |
尚、最も人気のあったエリアはホノルル中心部のメトロ地域で販売数が21.9%も増え、コンドミニアム全体売上のほとんどを占めた一方で、オアフ島西側のエヴァプレーン地域は20.3%減となった。
金利と販売価格の中央値が上昇に伴い、人々の購入に関する判断が変化
ホノルルリアルター協会会長のチャド・タケスエ氏は、
「金利と販売価格の中間価格が上昇に伴い、人々の何を買うことができるのかといった購入の際の判断が市場の動きに大きな影響を与えています」と述べ、
さらに「これは戸建住宅の在庫の増加に見ることができ、パンデミック前のレベルには未だ達していないものの、一年前と比較して39.8%も増加しています。この待望の在庫の増加により、将来の購入者はさまざまな価格帯から選択できる選択肢が増えています」と5月の不動産市場の動きを総括した。
この言葉の通り、5月は各市場で新規上場が増加し、一戸建て住宅では前年同月比で3.5%増、コンドミニアムでは0.6%増となった。
戸建住宅の販売価格の急激な上昇と新型コロナウィルス関連のルールが緩和された生活の平常化に伴い、人々の購入意欲がコンドミニアムにシフトしてきている中、コンドミニアムに特化して動きを見てみると、価格が50万ドル以下の新規リスティングは前年同月比で14.9%も減少した一方で、70万ドル以上2ミリオンドル以下の高額価格帯の新規リスティングは45.5%もの急激な増加を見せた。このことから分かることは、ローカルを中心に人々はよりリーズナブルな価格帯の物件を求めているということである。
さて、戸建住宅、コンドミニアムの販売ペースであるが、5月のリスティングから販売まで市場にあった期間はどちらも10日であった。また先月に引き続きリスティング価格を上回って取引された物件は増えており、217戸の戸建住宅と313戸のコンドミニアムが当初の提示価格を上回って販売された。これは戸建住宅の売上の63%、コンドミニアムの売上の45.5%に相当する数字である。
ホノルルリアルター協会会長のチャド・タケスエ氏は、
「今のハワイ不動産には2つのトレンドがあり、一つは戸建住宅、コンドミニアム共に2週間未満という記録的なペースで販売されていること。そしてもう一つは希望する物件を確保するために提示価格を上回って入札するバイヤーが増えていることです」と付け加えた通り、新規リスティングが増えても、深刻化した在庫不足は一朝一夕には解決しそうもなく、熾烈な競争が依然続いている状況となっている。
アメリア全土で起こっているインフレーション、不安定な世界情勢、ハワイも含めた全米や日本での新型コロナウィルス対策の緩和など、様々な要因が、これからのハワイ不動産に与える影響は大きいが、6月も活発な取引と激しい競争は続くと予想される。
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