2022 ANA 'Aha Mele (アハメレ)の様子をレポート
「260本のミロの木」の植樹に込められた想いとは?
イベント初日の11月18日(金)の朝には、ANAの職員の方達によるミロの木の植樹が行われた。東京~ハワイ路線に就航しているANAの2階建て飛行機で、空飛ぶウミガメとも呼ばれるエアバスA380型機「FLYING HONU」の定員は520人。ミロの木は1本で4人家族が1週間ハワイに滞在した場合の酸素を供給することができると言われている。
イベント開催期間の2日間で訪れる想定の1040人(520人×2便)の酸素を賄うために、260本の植樹をするというのが今回の活動だ。
今回植樹を行ったのは、ハワイのノースショアの東側にある「ガンストック牧場」。850エーカーもある広大な牧場で乗馬やバギーツアーも楽しむことができる場所だ。
ここから7分ほど歩いて植樹ポイントまで向かう。見渡す限り美しい農園が広がり気持ちが良い。
植樹の場所に到着するとANAの看板が立っている。実は2019年の「ANA HONOLULU MUSIC WEEK」を実施した約3年前にもこの場所に植樹が行われており、今回が3年ぶりに今回の植樹イベントとなった。
スポットに着いたら早速、植樹を開始。まずはデモンストレーションを見せてもらい、植え方を教わる。
一本一本のミロの木に命を吹き込むように、思いを込めて植えてあげるのが大切だという。この広い大地で苗木の新しい生活がここからはじまっていくと思うと感動する。
農場のスタッフたちに見守ってもらいながら、ANAの職員の方達が手分けして植樹作業を進めていく。
作業手順は以下の通り。
-植えるための穴を綺麗に作り、苗木の土を揉みほぐして柔らかくする
-優しく苗木を取り出して穴に入れ、石のような見た目の肥料をふたつ入れて、土でしっかりと植え込む
-最後に苗が倒れてしまわないように添え木とバンドで結束する
この作業を繰り返しおこなっていく。
そして仕上げに、植えたところに肥料をかけて完成。
ミロの木はハワイの木として有名なコアウッドよりも希少で、かつては王室だけが使えるものだったが、現在はウクレレの素材としても重宝されており、音楽や文化を大切にしたいというANA ʻAha Meleのコンセプトとも合致している。
葉っぱはハートの形をしていて、ハイビスカスに似た黄色い花が咲き、成長すると高さ5〜10メートルほどにまで大きくなる。
植樹を終えたANAの職員の方達の手は土で真っ黒だが、達成感のある清々しい顔をしている。この日は予定していた260本を超え、全部で273本を植えることができた。
こちらは3年前に実施した植樹で植えたミロの木。先ほど植えたばかりの苗木と比べるとしっかりとした幹が出来上がってきているのが分かる。今回植えたミロの木と合わせて成長が楽しみだ。
辻井伸行さんによるミニコンサートと現地の子どもたちとの音楽教室
植樹の翌日、11月19日(土)10時から行われたのは、世界的ピアニスト辻井伸行さんによる音楽教室。ハワイの地元の小学生を招き、音楽の素晴らしさ、楽しさを一緒に感じられるようなワークショップとなった。
小学生の時からショパンの幻想即興曲を弾きこなしていたという辻井さん。音楽教室のインタビューでは、小さい頃は点字の楽譜で曲を勉強、練習していたが、楽譜によっては点字楽譜があるものとないものがあり、左手のパート・右手のパートをそれぞれ録音したものを作ってもらい、それを聴きながら練習をすることもあったと話した。
ワークショップでは、絶対音感の持ち主である辻井さんが、子供たちが弾いた音を当てて、同じように弾くゲームが行われた。そのゲームに参加した子供からは辻井さんの才能に触れ、「信じられない。1つも音を間違わずに弾くなんて」など感激の声が上がった。
その後の辻井伸行さんのミニコンサートでは、バッハ:主よ人の望みと喜びよ、ドビュッシー:月の光、ショパン:英雄ポロネーズ、リスト:ラ・カンパネラの4曲が演奏された。
4曲の演奏後は、会場からは大きな拍手と共に「ハナホウ(アンコール)!」の声があがり、アンコール曲では小さい頃から即興演奏が好きだったという辻井さんによるハワイにインスピレーションを受けた即興曲が披露された。
ハワイアンソングを思わせるメロディーが盛り込まれたハワイの海の波の音や風の香りがしてきそうな心地安らぐ素敵な一曲に、会場からは盛大な拍手が送られた。
イベントの後には参加した子供たちとの写真撮影や、レイの進呈などが行われ、ハワイの子供たちと辻井さんの微笑ましい姿を望むことができた。
ANAプレゼンツ ウクレレ・ピクニック・コンサート
2009年から開催されている「ウクレレピクニック・イン・ハワイ」。2022年は初の試みとして「ANAプレゼンツ ウクレレ・ピクニック・コンサート」として、「ANA 'Aha Mele(アハメレ)」の午後の部に開催された。
日本からは関口和之さん率いる関口バンド+野村義男さん、植田あゆみさん(ゲストヴォーカル)、また名パーカッショニストのロパカ・コロンさんスペシャルコラボステージに登場。関口さんは言わずと知れたサザンオールスターズのベーシストであり、この「ウクレレピクニック・イン・ハワイ」のプロデューサーだ。
「ウクレレ・ピクニック・コンサート」には、たくさんの子供たちも登場。
MCも努めたジョディ・カミサトさんとウクレレ ハレ・ケイキの演奏では、いろんな世代の子どもたちが迫力ある、息の合った合奏のパフォーマンスを披露した。
また、ハワイのグラミー賞と言われる「ナ・ホク・ハノハノ・アワード」の歴代受賞者たちの素晴らしい演奏や、フラダンサーのカヴェナ・メクラーさんのダンスも繰り広げられた。
また飛び入り参加で、ハワイ島から来ていたマーク・ヤマナカさんもサプライズ出演し、演奏や美しい歌声で会場を沸かせた。
ヘッドライナーとなったのは、カムエラ・キモケオとヒイクアのトリオ。カヴェナ・メクラーさんもフラのパフォーマンスで再び登場。トリオのみなさんそれぞれが、ハワイ文化やハワイ音楽の継承、ハワイの次世代ミュージシャンの育成にも携わっている。圧巻のハーモニーとリズムは、ヘッドライナーにふさわしい素晴らしい演奏だった。
最後はすべてのパフォーマーが総出演!観客も手をつないで見守る人たちも多く、夕暮れの風がダイヤモンドヘッドからそよぐ中、温かい雰囲気で「ANA 'Aha Mele(アハメレ)」、そして「ウクレレ・ピクニック・コンサート」のフィナーレとなった。
「ANA 'Aha Mele(アハメレ)」としては、今年初めての開催となったANA主催の今回の音楽イベント。日本とハワイの架け橋になるイベントとして来年の開催も期待される。
ANAでは、これから日本ーハワイ便の増便を計画している。さらに多くの方にぜひFLYING HONUに乗ってハワイに来てほしい。