2023年11月のハワイ不動産マーケットの統計を元にレポートをお送りする。売買件数は、昨年同月比で一戸建て住宅がマイナス6.3%、コンドミニアムがマイナス8.8%と低調な売買件数となった。
その一方で、コンドミニアムの中間価格が7.5%アップするなど、高額物件には活発な動きが見られた。
ホノルルリアルター協会による 2023年11月のマーケットレポートサマリー
- 戸建住宅の中間価格は前年同月比4.3%減で$1,100,055
- 戸建住宅の販売数は180軒、前年同月比で6.8%減少
- 平均価格は前年同月比3.4%増の$1,434,999
- 売出期間は先月よりも11日長くなり、29日間
- コンドミニアムの中間価格は前年同月比で7.5%増の$516,179
- コンドミニアムの販売数は310軒、前年同月比で8.8%減少
- 平均価格は前年同月8.8%減で$676,625
- 売出期間は先月よりも2日長くなり、23日間
中間価格
(緑のラインが戸建て、黄色のラインがコンド)
オアフ島の11月の一戸建て住宅の中間価格は前年同月比で4.3%減の$1,100,055となり、一方でコンドミニアムは前年同月比で7.5%増の$516,179という結果となった。
特に2022年11月は、戸建ての中間価格が$1,149,500と2022年中で2番目に高い月であり、一方コンドミニアムは$480,000と通年で最も低い月であったため、今年の数字を昨年同月比で見ると、大きく差が開いた形となった。
売出し期間
(緑のラインが戸建て、黄色のラインがコンド)
平均の取引日数が戸建てで29日と一気に11日も伸びた。
2022年11月ごろから進んだアメリカの不動産金利の上昇が反映される形で、2023年の第1四半期にかけて売り出し期間は45日にまでなったが、その後、8月、9月と7%を超える金利引き上げが11月のスローな取引状況に反映されたものと言える。
コンドミニアムの売り出し期間は23日と、こちらも2023年の第一四半期これは2022年10月と同水準となっている。
夏場に一時的に活発化した市況が、年末に向かって、再び昨年と同じような動きを見せている。来年の景況感を不安視するバイヤーの慎重さの現れか。
価格帯別の販売件数
戸建てでは、ボリュームゾーンである80-90万ドル台、また100-150万ドル台がそれぞれ20%以上の大きな件数減少となった。
その一方で70-80万ドル台が最も伸び、43%の件数増となった。また150-200万ドルゾーンも40%伸びとなった。
コンドミニアムにおいては、50万ドル未満のコンドミニアムの売買件数が大きく減少。コンドミニアムの中間価格が引き上がった要因となっている。
市場在庫
市場在庫は年間を通じて積み上がってきているが、コロナ前の水準と比べてもまだ市場在庫は少なく、健康的な売買の水準を保ったマーケットであるといえる。依然として高い米国の長期不動産金利や、先行きの不透明感から、慎重なマーケットの動きとなっているハワイ不動産。
しかし、政策金利は景気減速・インフレ鎮静化から2024年には利下げに舵を切るのでは?という予想もでており、円ドル為替レートとあわせて、不動産マーケットへの影響が大きく出る要因と言える。