【2023年12月と2023年の振り返り】ハワイ不動産レポート  通年を見れば売買件数は3割近くもダウンした2023。リスティング価格以下の販売物件数が増える傾向に

【2023年12月と2023年の振り返り】ハワイ不動産レポート  通年を見れば売買件数は3割近くもダウンした2023。リスティング価格以下の販売物件数が増える傾向に

更新日 2024.01.17

ホノルルリアルター協会が発表したハワイ不動産マーケットの統計を元に2023年12月、また通年でのハワイ不動産についてレポートする。中間価格が久しぶりに戸建ては100万ドルを切り、その一方でコンドは51万ドルと前年比1.5%をマークした。 
 

ホノルルリアルター協会による 2023年12月のマーケットレポートサマリー

2023年12月のマーケットは、戸建て・コンドミニアムとも前年同月比で売上高が減少。一戸建て住宅は23ヶ月連続、コンドミニアムは19ヶ月連続で販売数の減少となっている。 

  • 戸建住宅の中間価格は前年同月比5.1%減で$996,500
  • 戸建住宅の販売数は182軒、前年同月比で9.9%減少
  • 平均価格は前年同月比8.9%減の$1,207,793
  • 売出期間は先月よりも11日早くなり、18日間
     
  • コンドミニアムの中間価格は前年同月比で1.5%増の$510,000
  • コンドミニアムの販売数は272軒、前年同月比で24.2%減少
  • 平均価格は前年同月4.5%増$602,535
  • 売出期間は先月よりも3日長くなり、26日間

中間価格・販売件数

(緑のラインが戸建て、黄色のラインがコンド。以下のチャートはすべて同じ)

戸建て住宅の中央価格は100万ドルを下回り、12月は996,500ドルという結果となった。昨年同月の2022年12月の1,049,500ドルから5.1%の減少を見せた。100万ドルを下回ったのは2023年4月以初。販売件数については戸建て住宅は182件で、2022年12月の202件と比べて9.9%減少。

一方、コンドミニアムは中央販売価格がわずかに上昇し、前年同時期と比べて1.5%増の510,000ドルとなった。しかし販売件数は前年同月の360件から272件と24.4%の大きな減少となった。

売出し期間

売出し期間は戸建てで18日と、先月の29日より大幅に短縮された。その一方でコンドミニアムは3日延びて26日という結果となった。

価格帯別の販売件数

価格帯別に見ると、戸建て(緑)は、100ドル以上の高価格帯の物件が大きく減少し、特に150万ドル以上の高額物件は全価格帯で25-35%の件数減となった。一方で100ドル以下のマーケットは比較的安定しトータルでみれば昨年同月の4.5%増となった。 


コンドミニアム市場においては70万ドル以上の高価格帯ユニットの販売がわずかな減少にとどまったのに対し、ボリュームゾーンである50万ドル台、60万ドルド台のコンドミニアムが大きく減少。とくに60万ドル台の売買が46件から21件と、54%を超える下落となった。 

 

市場在庫

市場在庫は、12月の新規売出しの減少を受けて戸建て、コンドミニアムともに先月からはさがる結果となった。2023年12月末時点で市場に売りに出されている一戸建て住宅は600件で、昨年同月比で0.5%の微増、またコンドミニアムは1,234件で、同5.5%の増加となった。それでも2020年比ではまだ在庫が少ない状態。2024年もある程度、限られた在庫での売買が続くと見られる。

2023年通年でのハワイ不動産マーケット総括

2023年通年を振り返ると、オアフ島の不動産マーケットは販売件数ベースで、戸建てが26.3%減少、コンドミニアムが28.0%減少と大きく落ち込む結果となった。
 

年間を通じての中間価格は、戸建てで1,050,000と2022年より5%下落。またコンドミニアムでは$508,000と0.3%の下落にとどまった。
 

【2022年と2023年の比較データ】

  • 売出し期間はトータルで12日長くなった。戸建てで22日(2022年より83%延びた)。
    戸建ては平均で22日、コンドミニアムは平均で21日で販売された。
  • 一部の市場で低在庫による競争が続いているにもかかわらずリスティング価格よりも下回った価格で成立した売買の比率がわずかに減少した。リスティング価格通りに売買された比率は、戸建て住宅で98.3%、コンドミニアムが98.6%。
  • 新規リスティングは戸建て、コンドともに2桁減少した。戸建てで20.2%、コンドミニアムは18%減少。低在庫の状態で2024年を迎える形になる。
  • 高金利の影響で、成約待ち(エスクロー)件数が減少。戸建てで18.7%、コンドで22.1%件数が減少した。 
売買総件数は、2022年比で25%以上減少するという結果となった2023年のハワイ不動産マーケット。リスティング通りに売れた物件の比率が98%台と、リスティング価格を下回る売買の比率が年後半に97%台をつけるなど増加傾向を見せた。 


新リスティングが少なくなり、低在庫で幕をあけた2024年。アメリカの長期不動産ローン金利はいきなり大きく下がらずとも、下落の方向に向かっている。2022年からほぼ2年にわたり、買い控えモードになっていた人たちの揺り戻しが、2024年どのくらい来るのかがマーケットのキーポイントになりそうだ。 

過去のハワイ不動産マーケットレポートはこちら

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