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専門性の高い弁護士がチームを組んで質の高い法的サービスを提供する「アドビス法律事務所」
ハワイのアドビス法律事務所は、若き二人の弁護士がタッグを組んで立ち上げた新進気鋭の法律事務所。現在は所属弁護士が4名に増え、相続、エステートプランニング、プロベート裁判、ビザ、M&A、民事訴訟や紛争解決など、取り扱う領域を拡大しつつある総合法律事務所だ。
ビジネス関連や訴訟に強い早川弁護士、遺産相続やエステートプランニングを手がけるやマロッツ(古屋)弁護士とペペ弁護士、そして移民法に強く、E2ビザ取得や企業における移民案件を得意とする曽我弁護士と、4人それぞれが各分野において優れた知見を持ち、的確かつ信頼性の高いサービスを提供する。少数精鋭で豊富な経験と知識を持つ専門家集団であることが同事務所の何よりの強みだろう。
2023年に事務所を開設し、この7月にはカカアコからアラモアナセンター近くの新オフィスに移転。
E2ビザ取得申請の経験・知見が豊富な曽我 愛弁護士
今日お話を伺ったのは、移民法・アメリカのビザに詳しいアドビス法律事務所の曽我 愛(めぐみ)弁護士。
曽我先生:
これまで、移民法、企業法、不動産法を専門に、国際企業に対して戦略的な移民アドバイスを提供したり、移民顧問として勤務するなど様々な経験を積んできました。
現在の役職に就く前は、大手法律事務所で有名企業等の社員のビザサポートを行っていたのですが、キャリアを重ねるうちに「より小規模での申請案件に携わり、お客様にとっては大きなチャレンジとなる海外挑戦・海外移住を法律の専門家としてアシスト、サポートしていきたい」との思いが強くなり、今回、アドビス法律事務所の新メンバーとしてジョインしました。
広島県生まれで18歳まで日本で育ったという曽我弁護士は、日本・アメリカ両方のマインドやカルチャー、ビジネスにも精通するバイリンガル。移籍の動機からもわかるように、情熱的で誠実な人柄も魅力的だ。E2ビザの取得でハワイへのビジネス進出やハワイ移住を実現したい人にとっては、法律の専門家とざっくばらんに話せることが慣れないビザ案件を進める上での安心材料となるだろう。今回、曽我弁護士にはE2ビザ取得に関する最近の動向、ビザ取得を目指す上で必要なマインドなどを教えていただいた。
日本人が取得しやすいと言われる投資ビザ「E2ビザ」とは?
曽我先生:
投資家ビザの一つ「E2ビザ」は、移民ビザの中でも比較的取得までのハードルが低いと言われるビザです。アメリカの事業に投資を行う方に対して発行され、有効期限は一般的に5年間となります。
また、取得のハードルが低いだけでなく、投資事業が問題なく続く限り永続的に更新できることや、配偶者や21歳以下のお子さんもE2ビザの対象となること、さらに配偶者も働くことができるなど他のビザと比べて制限が少なく、ハワイ移住を目指す日本人にとって様々なメリットのあるビザとなっています。
政権交代によってE2ビザ取得のプロセスに変化はあるのか?
曽我先生:
2024年は4年に一度となる大統領選が行われる年。移民に厳しいイメージのあるトランプ氏が再選するのか、民主党政権が継続するのかによって、ビザの取得申請がどのような影響を受けるのか気になっている方も多いと思います。確かに、2017~2020年のトランプ大統領時代に移民ビザの審査がそれまでよりも厳しくなり、申請期間が延びるなど取得のハードルが上がった時期がありました。
今回もトランプ氏が再選すれば、申請ルールが変更になるなど何かしらの動きがあることは考えられます。しかしE2ビザに関して言えば、大統領が代わることで申請の難易度が劇的に変わるかということ、そこまで心配することはないと思っています。
というのも、もともと移民ビザの中でも投資ビザ、特に日本から申請するE2ビザは、他のアジア諸国と比べて不正申請が圧倒的に少ないこともあって審査が通りやすいという特徴があります。また、アメリカとしても海外からの投資は基本的にはウェルカムなので、仮に政権交代となった時でも投資家ビザに対して極端に審査を厳しくするようなことはないだろうと考えています。
最近のE2ビザの審査傾向に見られる変化とは?
曽我先生:
一方で、移民ビザの手続きやルールは、政権交代の時に限らず定期的に見直しや変更が行われています。特にここ数年、E2ビザの審査プロセスが変更され、審査傾向にも変化が出ています。これからハワイにビジネス移住をお考えの方は、これらの状況を踏まえて準備を進めていただくのが良いと思います。
具体的には、申請資料は指定フォーマットで作成し、提出方法も郵送からメール送信に変更となりました。
【E2ビザ申請プロセス・最近の大きな変更点】
■申請資料をすべてPDF化した上でメール送付
■アメリカ移民局が指定するフォーマットで申請資料の作成を行う
それまでは、追加資料を請求されないように申請時にできるだけ多くの書類を準備して送付していたのですが、変更後は重要種類のみに絞り、なおかつ70ページ以内に収めて提出するルールとなっています。
この変更で、経営状態や将来性に問題のない大きな会社ほど審査がスムーズに進みやすくなり、以前と比べて半分程度の期間で審査が終わるケースも出てきています。逆に、新規事業や小さい会社はどうしても細かいチェックや確認が入るため、審査も一発合格というわけにはいかないケースが増えています。
特に最近の傾向としてI-9 Verificationの確認が厳しくなっています。これは雇用主が新規雇用者の雇用資格を確認するための手続きのことです。小さな会社や新規事業の場合は、その会社がアメリカで雇用する認可をちゃんと取っているのか、その上で従業員を合法的に雇っているのか、というところまで細かく審査されるようになっています。
なぜそこまで細かく審査されるのかというと、E2ビザは「投資家ビザ」なので、審査で重要なのはその事業がアメリカにとって有益なのか、利益や雇用を生むのかという点を見ているからです。アメリカにメリットがあるなら、ビザを出します。それがアメリカの本音なわけです。なので、事業規模が大きければ大きいほど審査は通りやすくなり、逆に規模が小さいと難しくなってしまう、その傾向が最近顕著に出るようになってきています。
今後のE2ビザ申請で押さえるべきポイントとは?
曽我先生:
これからE2ビザを取得しようと考えている方には、「投資家・経営者としてアメリカのビジネスに挑戦したい」「ビジネス進出を果たしてハワイに移住したい」というご本人の希望だけでなく、ビザを発行する側のアメリカの意図を理解した上で、「審査が通りやすい事業とは?」「先行投資はどのぐらい必要なのか」といったことも戦略的に考えていただくと、よりスムーズにビザ取得が目指せるでしょう。
E2ビザ申請の際に押さえておきたいポイントは主に3つです。
事業規模
さまざまなお客様をサポートする中で、あくまで私自身の経験値ではありますが、投資額で言うと15万ドル以下、従業員も5人未満の会社だと、審査が通りづらい、あるいは追加の資料請求によって通常よりも時間がかかるケースが出ています。逆に、申請が通りやすくなるボーダーラインとしては、投資額が35万ドル以上、従業員も10人以上の事業規模であれば比較的安心です。このあたりを目安に資金面などの準備を進めていただきたいと思います。
事業の継続性と将来性
こちらは、前述のI-9 Verificationを取った合法的な雇用をはじめ、その事業に売上や利益など経営の実態があるのか、また将来的にもアメリカに雇用を創出し、社会に貢献してくれる事業なのかどうか、そうしたアメリカが審査で重視する事業そのもののバリューについてです。申請希望者様がすでに経営者として事業を営んでいて事業規模もある程度ある場合は問題ないのですが、ハワイに移住するために投資家ビザを取得したいと考えておられる方にはM&Aをおすすめするケースもあります。
M&Aで既存事業のオーナーとなることで、審査の際に必ずチェックされる事業の実態が確保でき、審査の対策もしやすくなります。もちろん事前のデューデリをしっかり行うことは必要ですし、評価が高い事業の買収にはそれなりに費用もかかりますが、新規事業を自分で始めるよりはずっと確実です。
ビザを発行するアメリカの意図を踏まえた対策・戦略
ビザ審査に通りやすくするためには、申請内容を「アメリカの求めているものに寄せる」ことも非常に有効です。
例えば今、アメリカではSTEM(ステム)領域の事業や人材を積極的に国内に取り込もうとする動きがあります。STEMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の4つの分野の総称で、ビザ申請においてもSTEMのアングルを入れることで申請が通りやすくなるということは言えると思います。例えば、サービス産業であってもAIを活用したり、環境に配慮したサービスや製品を扱うなど、現在アメリカで優遇されている分野をうまく取り入れることができれば、事業内容に関してアピールできるポイントになります。
上記のように、E2ビザの申請手続きでは、客観的な視点で「どんな事業であれば、審査しやすいのか?」ということを理解いただき、申請準備をしていただくことが非常に重要になってきます。お客様との打ち合わせの場では、そうしたアメリカの本音などもざっくばらんにお話して、申請時に起こりうる可能性として良い面も悪い面もお伝えしています。お客様としっかりとタッグを組んで準備ができるよう、忖度なしのコミュニケーションを大事にしています。
投資によるビザ取得、ハワイ移住をお考えの方はぜひ一度ご相談ください。
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