ホノルルリアルター協会が発表したハワイ不動産マーケットの統計を元に2024年9月のハワイ不動産マーケットについてにレポートする。
2024年9月、オアフ島の中古の戸建て住宅販売件数は前年同月と比べて6.5%減少し、217件の取引となった。それに対してコンドミニアムの販売は366件と前年より2.7%下がったが、小幅な減少となった。
戸建て、コンドミニアムともに減少となっているが、年間累計では、戸建て住宅は昨年より5.8%高い水準を維持し、一方でコンドミニアムは5.6%低い水準で推移している。
ホノルルリアルター協会による 2024年9月のマーケットレポートサマリー
- 戸建住宅の中間価格は前年同月比6.0%増で$1,112,722
- 戸建住宅の販売数は217件、前年同月比で6.5%減
- 売出期間は先月よりも5日遅くなり、19日間
- コンドミニアムの中間価格は前年同月比で2.8%減の$517,500
- コンドミニアムの販売数は366件、前年同月比で2.7%減
- 売出期間は先月より3日遅くなり、31日間
ここからそれぞれの主要な指標についてお伝えする。
中間価格
(チャートは緑のラインが戸建て、黄色のラインがコンド。以下のチャートはすべて同じ)
戸建て住宅の中間価格は$1,112,722となり、2024年9月比では6.0%の増加を示した。コンドミニアムは$517,500となり、前年同月比で2.7%減少した。
上がり幅の大きかった戸建ては、2024年年明け以降安定した上がり基調で推移している。
価格帯別の販売件数
次に価格帯別の販売件数を見ていく。戸建ての価格帯で最多販売件数は100万ドルから150万ドル未満のゾーンが87件と昨年同月比の80件から8.8%の伸びを示した。また150万ドルから200万ドル未満のゾーンが前年同月比で21件から57.1%と大幅に増加し33件となった。100万ドル以上の物件は300万ドル以上のゾーンを除いて軒並み増加しており、高額不動産の売上の好調が続いている。
コンドミニアムは、50万ドル台、60万ドル台の価格帯の販売件数がそれぞれ22.8%、17.0%と大きく減少したが、30万ドルから50万ドル未満の価格帯(赤枠上)の販売数が伸びており、前年比16.4%となった。売上件数の135件は全コンドミニアム販売の3分の1を占める。しばらく70万ドル以下の価格帯は動きが鈍かったが、手頃な価格帯の物件が好調の兆しを見せている。
一方で、100万ドル以上の価格帯(赤枠下)の物件は、いずれの価格帯も前年同月と比べて同水準で推移。この価格帯の物件は、直近5ヶ月間は前年対比で増加していたが、ここにきて昨対比がほぼ同数の販売数となった。好調を維持していた高価格帯の売買に今後動きが出るかもしれない。
売出し期間
(チャートは緑のラインが戸建て、黄色のラインがコンド。以下のチャートはすべて同じ)
戸建て住宅市場では、先月の14日から5日遅くなり19日間となった。一方、コンドミニアムの販売には時間がかかり、先月の28日から3日遅く31日となり、昨年の9月と比べると21日から10日間も遅く、31日となっている。
2021年~2022年は、戸建て・コンドミニアムともに揃って売れる状態だったが、2023年以降は、戸建て・コンドミニアムの動きにばらつきが大きくなっている。
市場在庫・新規売出し物件数
市場在庫については、緑の戸建て、黄のコンドミニアム、どちらも積み上がりが見られ、有効在庫数は戸建てで755件、コンドミニアムでは1,887件となり、それぞれ前年比で27.5%、58%と大きく増加している。コンドミニアムは2023年12月以降、積み上がり幅が大きくなっていたが2024年7月から上がり幅は軟化の傾向が見られる。
こちらは新規リスティング。 新規の戸建て住宅のリスティング数は351件、コンドミニアムの新規リスティング数は631件と、それぞれ前年同月比で24.9%、22.3%と増加している。年初来では、戸建て住宅の新規リスティングが前年同期間比で13.6%増加し、コンドミニアムは18.6%増加している。
エリア別で見ると、西オアフ地域で戸建て住宅の物件数が最も増加し、エバでは63.2%増の62戸、リーワード地域では46.2%増の38戸だった。コンドミニアムの物件数はほとんどの地域で増加し、ダイアモンドヘッドでは前年比188.9%増の26戸、パールシティでは前年比78.3%増の41戸となった。
また、9月の大きなトピックスとしては、連邦準備制度理事会(FRB)が2020年3月以来初めて金利を0.5%引き下げ、目標レンジを4.75%から5%に設定した。この金利引き下げの影響は、10月以降の不動産マーケットにどのように反映されるのか、今後の動向に注目したい。
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