【2024年8月】ハワイ不動産レポート 戸建て、コンドミニアムともに有効在庫が前年比27.1%、64%と大幅増

【2024年8月】ハワイ不動産レポート 戸建て、コンドミニアムともに有効在庫が前年比27.1%、64%と大幅増

更新日 2024.09.17

ホノルルリアルター協会が発表したハワイ不動産マーケットの統計を元に2024年8月のハワイ不動産マーケットについてにレポートする。

 

2024年8月、オアフ島の中古の戸建て住宅販売件数は前年同月とほぼ同数で0.4%、1件増加し253件の取引となった。それに対してコンドミニアムの販売は前年より5.0%減少して401件の販売にとどまったが、先月の前年比(7.8%減)より下げ幅は減少した。

 

中間価格は前年と比較して戸建てで1.1%増加の1,122,000ドル、一方でコンドミニアムは2.9%減少の500,000ドルとなった。

 

売上、中間価格ともに戸建ては前年比ほぼ同数なのに対して、コンドミニアムはともに減少。また、有効在庫数については戸建てが前年比で27.1%増加し760件、コンドミニアムは64%と大幅増加して1,879件となっている。

ホノルルリアルター協会による 2024年8月のマーケットレポートサマリー

  • 戸建住宅の中間価格は前年同月比1.1%増で$1,122,000
  • 戸建住宅の販売数は253件、前年同月比で0.4%増
  • 売出期間は先月より1日短縮して、14日間
     
  • コンドミニアムの中間価格は前年同月比2.9%減の$500,000
  • コンドミニアムの販売数は401件、前年同月比で5.0%減
  • 売出期間は先月より2日短縮して、28日間



ここからそれぞれの主要な指標についてお伝えする。

中間価格

(チャートは緑のラインが戸建て、黄色のラインがコンド。以下のチャートはすべて同じ)

2024年8月の中間価格は戸建て住宅が$1,122,000、前年同月比で1.1%となり、2024年頭から続く堅調な上昇傾向は変わらない。一方、コンドミニアムの中間価格は$500,000となり、前年同月比で2.9%減少を示した。

 

年初来の中間価格は、前年と比較して戸建てで昨年同期間比で4.8%増加し1,100,000ドル、コンドミニアムで1.2%増加し508,000ドルとなっている。



 

価格帯別の販売件数

次に価格帯別の販売件数を見ていく。戸建ての価格帯で最多販売価格は100万ドルから150万ドル未満のゾーンが93件と、昨年同月の75件から24.0%増と大きな伸びを示した。この価格帯は今月まで5ヶ月連続で前年比増となり好調。100万ドル未満の戸建住宅の販売件数が軒並み前年比で減少しているのに対して、100万ドル以上の物件は150万ドルから200万ドル未満ゾーンの1件減はあるものの、増加を見せている。年初来の販売件数も100万ドル以上は1,116件となり、2023年の945件から18.0%上回り、引き続き高額不動産の売上が好調である。

 

 

コンドミニアムは50万ドル台、60万ドル台の価格帯の販売件数がそれぞれ21.1%、38.2%と大きく減少し、件数全体でも昨年同月比で5.0%減少となった。引き続き、ローンバイヤーが対象となる価格帯の動きが鈍い傾向にある。

 

一方で、100万ドル以上の価格帯の物件は、前年同月比で21.1%増加しており、特に100万ドルから150万ドル未満で23件、前年比27.8%増、150万ドルから200万ドル未満で12件、前年比50%と大幅に増加している。コンドミニアムは、おおよそ70万ドル台を分水嶺にして販売件数に顕著な違いが見られ、より戸建てに近い高価格帯の売買が活発となっている。

 

  

売出し期間

(チャートは緑のラインが戸建て、黄色のラインがコンド。以下のチャートはすべて同じ)

戸建て住宅市場では、先月の15日から1日短縮して14日間となった。前年同月でも18日から4日短くなっており、買い手と売り手が迅速に動く市況が見て取れる。一方、コンドミニアムの販売には時間がかかり、中央値で市場に出ている日数が昨年の8月の18日から28日に増加した。ただ、前月の30日より2日間短縮しており、売出期間においては上げ止まりとなるか今度の動向を注視したい。

 

2021年~2022年は、戸建て・コンドミニアムともに揃って売れる状態だったが、2023年以降は、戸建て・コンドミニアムの動きにばらつきが大きくなっている。

 

 

市場在庫・新規売出し物件数

市場在庫については、緑の戸建て、黄のコンドミニアム、どちらも積み上がりが見られ、有効在庫数は戸建てで760件、コンドミニアムでは1,879件となり、それぞれ前年比で27.1%、64%と大きく増加している。特にコンドミニアムは2023年12月以降、積み上がり幅が大きくなっており、顕著に積み上がっている。

 

 

こちらは新規リスティング。 新規の戸建て住宅のリスティング数は346件、コンドミニアムの新規リスティング数は629件と、それぞれ前年同月比で4.8%と14.6%と増加を記録。ただ、先月と比べると32%→4.8%、29.7%→14.6%と上げ幅が緩やかになっており、特にコンドミニアムは市場在庫数の積み上がりが先月からほぼ横ばいとなった。年初からコンドミニアムの在庫の積み上がりが顕著だったが、ここに来て横ばいとなり在庫数の減少へと転じる可能性のある動きが見られる8月となった。

さらに、9月17〜18に開催されるFOMCにて、FRBは利下げ開始に踏み切る見通しだ。この金利見直しの影響がどう出るか、9月以降は不動産マーケットにも大きな動きが見られそうだ。

 

過去の不動産マーケットレポートについてはこちら

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