日本で長らく国際税務に携わり、M&Aデューデリジェンスや会計・税務コンサルティングの経験が豊富な五嶋靖先生。10年以上ハワイで税理士として実務経験があり、米国税務申告に強い柴田大輔先生。日本でM&A業務、投資業務に長く携わり、不動産、インフラビジネス、キャプティブ保険などの分野に詳しい矢野慎一さん。この3人が共同代表となりハワイで立ち上げたのが「ブリッジ タックス コンサルティング」。今日は、五嶋先生、柴田先生に同社を共同で立ち上げた経緯や、提供する税務・会計サービスの特徴について詳しくお伺いしました。
ハワイの会計事務所2社をM&Aで承継
日米両方の会計税務に特化した会計事務所を発足
五嶋先生:
私は、日本の会計事務所で国際税務やM&Aコンサルティングに携わり、30代前半に米国税理士の資格を取得しました。20代の頃からいつかは海外で働きたいという思いはありましたが、いきなり起業するといっても、頭で考えるのと実際にやるのとではだいぶ違うはず。機をうかがう中で、タイミングよくアメリカでの起業を考えていた矢野さん、ハワイですでに税理士としてご活躍されていた柴田さんとの出会いがあり、今回、共同代表パートナーという形で「ブリッジ タックス コンサルティング」を立ち上げるに至りました。
柴田先生:
3人の共通点は、「ハワイ好き」なことですね(笑)。矢野さんとはプライベートのつながりでお会いしたのですが、すぐに意気投合して、ハワイに会計事務所を作るというお誘いをいただいた時も、「ぜひやりましょう!」と即決でした。僕はハワイの大学を卒業したのち会計事務所に就職し、税理士としての実務経験が10年以上あります。ただ、五嶋さんが得意な国際税務の専門知識などはまだまだ敵わないので、お二人とタッグが組めればいい相乗効果が生まれると思いました。
五嶋先生:
私は逆にハワイでの実務経験がないので、それを担ってくれる仲間を探していたところに柴田さんがバチッとはまってくれたのは心強かったですね。
事務所の設立にあたってはハワイで50年以上の業歴がある独立系の会計事務所をM&Aにより事業承継して業務を開始しました。クライアントの9割以上がハワイのローカルの方々という会計事務所の実務を見ながら、さらに新規でも100組ほどのクライアントを獲得し、日本人投資家、富裕層に向けた税務サポートも展開中です。
事務所設立から1年程度で新規クライアント100組というのは、我ながら順調だなと思いますが、柴田さんの力が大きいです。知り合いの紹介から次々に人脈を広げていったり、バーで偶然会って仲良くなった方からご相談いただくなんてことも(笑)。天性の愛されキャラで大活躍してくれています。
また、矢野さんは大手商社でのキャリアが長くM&A分野にも精通しています。通常、会計事務所のM&A支援は財務面のデューデリジェンスや株価、事業価値の評価がメインとなりますが、我々の場合はビジネスの観点から事業の見極め、アドバイスも行なっていますので、普通の会計事務所よりもお客様のニーズに寄り添ったプラスアルファの価値をご提供できると自負しています。
そうした中で今年10月にはハワイでも有名な大手会計事務所の事業承継も行いました。それが、日本人投資家やハワイへ進出した法人のクライアントを数多く抱えるホー(鈴木)哲子公認会計事務所です。ハワイで長年リスペクトされてきた名門事務所を引き継ぐこととなり身が引き締まる思いですが、我々も日本人の不動産投資家や法人への税務・会計サポートは実務感覚もあり得意とするところ。「米国税務会計」にも「日本税務会計」にも強い会計事務所として、新規のクライアント様はもちろん、哲子先生の既存のクライアント様に対しても新たな価値、サービスを提供できると考えています。
日本とハワイ、両方から税務サポートが可能
クロスボーダー×ワンストップで高品質の価値を提供
五嶋先生:
お話しした通り、ハワイの会計事務所2社を事業承継し、現在はハワイの実務全般を柴田さんと矢野さんが担い、私が日本からフォローする体制をとっています。会計事務所としてはちょっと珍しい事業形態ですが、これが我々の強みでもあります。
というのも、もともと哲子さんの事務所では日本人の不動産投資家や日本からハワイにビジネス進出した経営者、法人に対して米国税務のサポートを行ってきました。そこに私がジョインすることで日米それぞれの税務申告で発生する様々な問題に対しても、ワンストップでサポートすることができるようになりました。
日米それぞれで発生する税務問題の例をいくつかご紹介します。
日米税務の切り分け、スキーム作りを事前アドバイス
日本人がハワイで不動産を購入した場合、税務はもちろんハワイで行うのですが、日本側の税務にも必ず影響が出てきます。その際、富裕層の方々や法人であれば日本の顧問税理士がその対応にあたることになります。ただ、海外取引に慣れていないと判断に迷ったり適切に処理できないこともあるので、最初の段階で私の方から日米税務の切り分けやアドバイスをさせていただき、適切なスキームを作っていただけるようサポートしています。
上記はクライアント様への税務サポートとなりますが、日本の不動産会社から「ハワイの不動産を購入予定のお客様に、日米の税務会計について顧問税理士も交えてレクチャーをお願いしたい」といったサポート要請をいただくこともあります。おそらく、我々のような日米両方の税務に精通していて、なおかつ日本でもハワイでも打ち合わせや相談ができる会計事務所は他にないと思いますので、不動産購入、ビジネス進出をご検討の方はぜひ一度ご相談ください。
米国税務で日本人が陥りやすいトラブルを未然に回避
ハワイの不動産を購入して賃貸で運用する場合、ハワイの不動産は建物比率が高いために減価償却額が多くなり、はじめの数年は税金をほとんど納めずに済む期間があります。タックスリターンをしても税金の還付がないため申請しない方もおられるのですが、そうすると後になってIRS(アメリカ国税局)からチェックが入り、賃料の何%かを源泉徴収されてしまうのです。そうならないために、不動産購入の入口のところで米国税務の仕組みやルールをご説明して、適切に納税できるようサポートしています。
また、売却時の納税についても注意が必要です。例えば1億円で購入した物件を2億円で売却した場合、キャピタルゲインは1億円となり、それにかかる源泉徴収税として22.25%、金額としては2,200万円程度をいったん納める必要があります。この源泉徴収税は翌年確定申告をすれば必要以上に徴収された分については還付金として戻ってくるのですが、日本と違って、還付されるまでに1年近くかかってしまうことがあります。こうした手続き上のタイムラグによって思わぬ投資プランの変更や資金不足を招くこともあり得ますので、事前に不動産売却後の資金繰りまで見据えて売却のタイミングを検討していただくなど、投資面でもリスクヘッジが可能となります。
日米税務、そしてビジネスの専門家を複数抱える当事務所では、日本・ハワイの二拠点で日米会計税務の様々なサービス、サポートを高品質かつワンストップで提供しています。また、通常の会計事務所にはない、M&Aの支援も幅広くサポートしています。ハワイの不動産購入や投資にご興味のある方、日米税務でお困りのことがあれば、ぜひ一度お声がけください。
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