ホノルルリアルター協会が発表したハワイ不動産マーケットの統計を元に2024年10月のハワイ不動産マーケットについてにレポートする。
2024年10月、オアフ島の中古の戸建て住宅販売件数は前年同月と比べて22.5%と大きく増加し、261件の取引となった。それに対してコンドミニアムの販売は405件と前年より1.5%と緩やかな増加となった。
中間価格については、前年同月と比較して戸建てが1,100,000ドルで変わらず、コンドミニアムは515,000ドルから1.9%増加して525,000ドルとなっている。
ホノルルリアルター協会による 2024年10月のマーケットレポートサマリー
- 戸建住宅の中間価格は前年同月比変わらずで$1,100,000
- 戸建住宅の販売数は261件、前年同月比で22.5%増
- 売出期間は先月よりも3日早くなり、16日間
- コンドミニアムの中間価格は前年同月比で1.9%増の$525,000
- コンドミニアムの販売数は405件、前年同月比で1.5%減
- 売出期間は先月より5日早くなり、26日間
ここからそれぞれの主要な指標についてお伝えする。
中間価格
(チャートは緑のラインが戸建て、黄色のラインがコンド。以下のチャートはすべて同じ)
戸建て住宅の中間価格は$1,100,000となり、2023年10月比で同額となった。コンドミニアムは$525,000となり、前年同月比で1.9%とわずかに増加した。
戸建ては2024年年明け以降安定した上がり基調で推移していたが、今月は横ばいとなり、増加傾向が若干緩やかになっている。
価格帯別の販売件数
次に価格帯別の販売件数を見ていく。戸建ての価格帯で最多販売件数は100万ドルから150万ドル未満のゾーンが89件と昨年同月比の84件から6.0%の伸びを示した。また150万ドルから200万ドル未満のゾーンが前年同月比で22件から68.2%と大幅に増加し37件となった。先月もこの価格帯は57%伸びており、2ヶ月連続で大幅増加のレンジとなっている。70万ドル以上の物件は前年同月比で軒並み増加しており、低価格帯を除く、中価格帯〜高額不動産の売上の好調が続いている。
コンドミニアムは、40万ドルから70万ドル未満の範囲の販売件数が168件から193件と14.6%増加したが、低価格帯(40万ドル未満)と高価格帯(70万ドル以上)の販売件数はわずかに減少。しかしながら、全体としてコンドミニアムの販売件数は対昨年比で見ると安定している。
今年の5月〜8月頃まで70万ドル以下の価格帯は動きが鈍かったが、9月、10月にかけて好調の兆しを見せている。
売出し期間
(チャートは緑のラインが戸建て、黄色のラインがコンド。以下のチャートはすべて同じ)
戸建て住宅市場では、先月の19日から3日早くなり16日間となった。一方、コンドミニアムの販売についても先月の31日から5日早く26日となった。コンドミニアムの売り出し期間は直近3ヶ月は30日近くを記録していたが、今月は大幅に短縮する結果となった。
2021-2022年は戸建て・コンドミニアムともに揃って売れる状態だったが、2023年以降は、戸建て・コンドミニアムの動きにばらつきが大きくなっている。
市場在庫・新規売出し物件数
市場在庫については、緑の戸建て、黄のコンドミニアム、どちらも積み上がりが見られ、有効在庫数は戸建てで741件、コンドミニアムでは1,957件となり、それぞれ前年比で18.4%、49.8%と大きく増加している。
特に、130万ドル以上の価格の戸建て住宅が34%増の402戸、30万ドルから60万ドル未満のコンドミニアムが76.5%増の865件と急増。エリア別で見ると、戸建ての在庫はセントラル、ダイヤモンドヘッド、カイルア、カネオヘ、リーワード、ノースショアなどの地域で特に増加しており、コンドミニアムの在庫は、ダイヤモンドヘッド、ハワイカイ、ノースショアで2倍以上に増加している。
こちらは新規リスティング。 新規の戸建て住宅のリスティング数は298件、コンドミニアムの新規リスティング数は597件と、それぞれ前年同月比で6.9%、5.5%と増加した。年初来では、戸建て住宅の新規リスティングが前年同期間比で13.2%増加し、コンドミニアムは17.2%増加している。
また、11月初旬に連邦準備制度理事会(FRB)が今年9月に続いて2度目の金利引き下げを実施した。利下げ率は0.25%、目標レンジは4.5%から4.75%に設定された。この決定がアメリカ大統領選直後だったこともあり経済政策、金融政策との関連にも注目が集まるトピックスとなった。トランプ大統領の再戦により今後FRBの金融政策が影響を受ける可能性もあるだろう。ハワイの不動産動向にもどのような影響があるか今後注目したい。
過去の不動産マーケットレポートについてはこちら